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神々の塔

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第二十話 蛇の神々その四

「実はね」
「メキシコの方やな」
「あたいの神具にもなってるでしょ」
「ケツアルカトルや」
 シェリルはこの神の名を出して応えた。
「緑色で翼を持つ蛇のな」
「その神様やな」
「人の姿もあるけど」
 この時は白い肌で長い姿を生やした髭の男の姿になる、この姿がスペインからのコンキレスタドール達と同じであったことがコルテス達の活動に影響した。
「基本はね」
「その姿やな」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そうなってるわ」
「そやな」
「それでね」
 そのうえでとだ、アレンカールは話した。
「中南米でもよ」
「蛇の神がおるな」
「そうなのよね」
「あながち悪ともな」
「言えへんのよね」
「蛇もな」
「そのことを知ってもらうとだ」
 ユルルングルはここでまた口を開いた。
「非常にだ」
「大きい」
「そうだ、様々な姿の神霊が存在する」
「オーストラリアの虹蛇然り」
「神は己の姿に人を似せた」
 そうして創ったというのだ。
「これはキリスト教の話でだ」
「他の神話ではどうか」
「教えではな」
「そうとは限らない」
「そういうことだ」
 こうシェリルに話した。
「まさにな」
「そうですね、私はそのことを知ってますが」
「他のだ」
「仲間達もですね」
「知ってもらいな」
 そしてというのだ。
「理解してもらうとな」
「世界もですね」
「よく見える様になる」
「神といえど一柱やなく」
「多くの神々がいてな」
「それぞれ司るものがある」
「そうなのだ、ではそなた達のこれからの健闘を祈る」
 ユルルンガルは暖かい声で告げた。
「これからもな」
「戦っていきます」
「その様にするのだ」
 こう言って一行を送りだした、そしてだった。
 その後でだ、一行は宿屋で一泊してからまた先に進んでいった。そのうえで今は日照りで割れた大地の上にいて。
 そこに出て来る翼のある蛇や人面の虎と戦うが。
 中里はそういった獣達と戦って言った。
「全部中国系の獣やな」
「そや、翼のある蛇は鳴蛇や」
 芥川が答えた。
「人面の虎は馬腹や」
「人食いの獣やな」
「基本山におるが」
「この塔ではこうしたところにもおるか」
「そういうことやな」
 こう中里に話した。
「これは」
「そういうことか」
「ああ、ほんまこの塔は多彩や」
 真剣な顔で話した。
「色々な場所があってな」
「色々な獣やモンスターがおるな」
「ああ、神霊だけやなくてな」
 それに加えてというのだ。
「おるな」
「そやな、そんな場所をな」
「僕等は今進んでるな」
「ああ、しかしな」
 ここでだ、芥川はこうも言った。 
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