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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第三百三十三話 野球勝負‼ その4

第三百三十三話 野球勝負‼ その4
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

ついにメンバーがそろった、素人野球チーム『下半身ムラ村田イガーズ』。
現存の断罪剣士達と、一部、路上生活者が結集した『下半身ムラ村田イガーズ』。
もうすこし正確に言えば、国内偏差値最底辺高校の生徒と、反政府組織の中核と、政府の用心棒と路上生活者が結集した『下半身ムラ村田イガーズ』。
今、この世界の野球チームの中で、おそらく一番自由な野球チームが『下半身ムラ村田イガーズ』なのだ。
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ちなみに、『下半身ムラ村田イガーズ』の監督は、チーム内で唯一の野球経験者である元PGS(パブリックガーディアンズ)の路上生活者の霧原カイトが務めることになった。
偏差値最底辺高校アルティメットジーニアス学園の中にある、アルティメットメディアクリエイター部の部室では、元PGSで路上生活者の霧原カイトが、打倒『中絶ドラグーンズ』のための練習メニューを各選手に発表していた。
「まず野球の基礎は体力であるッ!打って投げて走る!基礎体力のない者に勝利はつかめん!ましては相手はあのプロ野球チーム『中絶ドラグーンズ』である‼彼らとの勝負に敗北すれば、アイドル業界に、はびこる悪しき枕営業の真実は永遠に芸能界の闇に葬られてしまうだろう!諸君、この野球勝負はアイドル界と芸能界に革命の光をもたらす、まさに聖戦であるッ‼それでは、全員、校庭に集合だァ‼」
今日の一時間目は調理実習である。
クラスメイト達が校内の調理室で包丁片手に刃傷沙汰を起こしている裏で、俺たち『下半身ムラ村田イガーズ』は一列に並んで、校庭をぐるぐる走っていた。
普段、運動やスポーツとは無縁な俺と竹田と部長と副部長があまりにも醜いランニングフォームで校庭を走る姿を、授業中の生徒達が校舎の窓から覗いてゲラゲラ笑っている。
俺たちの無様なランニングフォームを嘲笑する彼らにはわかるまい、このある意味地獄のような練習の先に待つ勝利が、芸能界にはびこる枕営業という名の闇を滅ぼし、光と革命をもたらすことを。
校庭の隅から『下半身ムラ村田イガーズ』の監督である元PGSで路上生活者の霧原カイトが無様なフォームで走る俺たちを叱責する。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼おめェら笑われてんぞォォッ‼もっと気合い入れた走らんくぁぁぁぁぁぁぁぁッ‼」
部長が走りながら、霧原カイト監督に悪態をつく。
「私、あの『おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼』って叫び方、腐女子みたいでキライ‼」
かく言う部長も腐女子である。
俺は、部長が自分自身に対して末期の視野狭窄に陥っていることに戦慄しつつも、ランニングを続ける。
基礎体力を身に着けるためのランニングを終えた副部長が目から涙、口からはゲロを吐きながら、帰宅と退団を申し出る。
しかし、アイドル界と芸能界の命運がかかっている野球勝負の練習である、
霧原カイト監督は、相手が野球未経験で腐女子の女学生でも容赦はしない。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼おめぇぇぇぇぇぇッ‼まだ練習は始まったばかりなんだぞぉぉぉぉんッ‼僕たちはあの悪しき欠本ユート率いる『中絶ドラグーンズ』に勝ち、この国の芸能界の闇を糺し、アイドル界に光をもたらす救世主になるんだぞォ!貴様は救世主になりたくないのか!それとも今、目の前の困難から逃げて、一生おぼこ確定の腐女子のままでいいのか?いいわけねぇだろォッ!それが嫌なら、その気がなくても言え!勝ちたいと言え!」
霧原カイト監督の言葉に対して、副部長が嗚咽交じりに泣き叫びながら答える。
「がぢだい‼」
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ブラック企業のパワハラ上司による後輩育成のごとき霧原カイトと副部長のやり取りに、気が付けば俺と竹田と部長も目から涙を流していた。
「おぉぉぉぉぉぉぉいッ‼おめぇら3人も泣いてんじゃねぇよ‼涙流す暇があるなら闘志を見せんか!闘志を!貴様らは勝ちたいのか?勝ちたくないのか?どっちなんだァッ‼」
「「「がぢだい‼」」」
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霧原カイト監督と俺たちのやり取りを見ていたヨシノがため息交じりに呟く。
「なにこれ」

この物語はフィクションです、実在する人物及び団体には一切関係ありません。

次回予告 野球勝負 その5  
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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