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ドリトル先生と桜島

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第一幕その十二

「その時はね」
「一緒にだね」
「行かせてもらうよ」
「ではね」
「あとね」
 王子は先生にこうも言いました。
「自衛隊の基地もね」
「ああ、鹿屋のだね」
「行ってきたらどうかな」
「そのつもりだよ」
 先生は笑顔で応えました。
「鹿児島に行くのならね」
「あちらにもだね」
「行くよ、鹿屋だね」
「そう、あそこだよ」 
 王子もまさにと答えました。
「あちらにね」
「行ってだね」
「そしてね」
 そのうえでというのです。
「自衛隊そしてかつての日本海軍特にね」
「特攻隊の人達だね」
「あの人達のことを学ぶよ」
「そうするね」
「絶対にね」
「そうしたらいいよ、何ていうかね」 
 王子は悲しい様な切ない様な声で言いました。
「悲しくてそしてとてもね」
「奇麗だね」
「何て言うのかな、悲痛美かな」
「特攻隊の人達はね」
「日本の為に全てを、命を懸けてね」
「特攻をしてね」
 そうしてとです、先生も言います。
「敵を倒したんだ」
「世界でそんなことした人達ってね」
「いないよ」
「そうだね」
「苦しい状況でもね」
 戦争がというのです。
「そこまでするなんてね」
「信じらないし」
「これ以上はない位に悲しくて」
「そして奇麗だね」
「それがね」
 まさにというのです。
「悲痛美だよ」
「そうした奇麗もあるんだね」
「そうなんだ」
「それが特攻隊にはあるんですね」
「特攻隊の資料は江田島にもあるよ」
「海軍兵学校だった場所に」
「今は海上自衛隊幹部候補生学校だね」
 そちらになっているというのです。
「そうだね」
「そこにもあって」
「うん、そしてね」
「鹿屋にもだね」
「あそこの基地から飛び立ってね」
 特攻隊の人達はというのです。
「そしてね」
「皆だったね」
「散華したんだ」
 先生は悲しい声をお顔でお話しました。
「その鹿屋のね」
「特攻隊の資料館にも」
「行って来るよ」
 そうするというのです。
「絶対にね」
「そうするね、じゃあね」
「王子もだね」
「行くことが出来たら」 
 そうであるならというのです。
「行かせてもらうよ」
「それではね」
「楽しみにしているよ」
「そうしてくれるね」
「是非ね」
 先生は皆に笑顔で言いました、そうしてです。
 鹿児島に行く日にあちらでの日程のこともお話しました、先生は今度は九州の最南端に行くのでした。 
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