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新オズのリンキティンク

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第一幕その十

「それで元気そうじゃな」
「皆ね」
「それは何より、わしはさっきまで歌舞伎を観ておった」
「お笑いじゃないんだ」
「いやいや、こっちもお笑い要素があるからのう」
 だからだというのです。
「それでじゃ」
「観ていたんだ」
「うむ、楽しめたぞ」
 そうだったというのです。
「実にな、それで今はボボ王子と串カツを食っておる」
「その街名物のだね」
「そうじゃ、たれの二度漬けはしておらんぞ」
 笑ってこうも言います。
「間違ってもな」
「それは駄目だね」
「何があってもな、キャベツも食べてな」
 そうもしてというのです。
「そしてじゃ」
「楽しんでいるね」
「ビールも飲んでな」
「串カツにはビールだね」
「ほっほっほ、最高の組み合わせじゃ」 
 こうもです、リンキティンク王は言いました。
「串カツにビールはのう」
「いいね、それを聞いてね」
「お前さんもじゃな」
「食べたくなったし」
 それにというのです。
「飲みたくなったよ」
「串カツにビールをじゃな」
「うん、では着いたら」
 街にというのです。
「皆で美味しいものを食べようか」
「そうするな」
「私はまずはね」
「串カツじゃな」
「それとビールだよ」
 この組み合わせだというのだ。
「それにたこ焼きとね」
「うむ、あれも美味いのう」
「焼きそばきつねうどんもね」
 こういったものもというのです。
「食べたいよ」
「わしはもう全部食べたぞ」 
 リンキティンク王は魔法使いに笑って言いました。
「ほっほっほ、カレーも鰻丼も善哉ものう」
「食べたんだね」
「あと関東煮もじゃ」
 こちらもというのです。
「ふんだんにじゃ」
「楽しんだんだね」
「そうしてきたぞ」
「それは何よりだね」
「やはりこの街は最高じゃ」
「お笑いに美味しいものね」
「そうじゃ、あと実は王子は昨日浄瑠璃を観てな」
 ボボ王子のこともお話します。
「いたく感動しておったぞ」
「ああ、あの人形の」
「この街には浄瑠璃もあるからのう」
「それを観てだね」
「感動しておった、勿論漫才や落語もな」
 こうしてものもというのです。
「楽しんでおる、毎日観て腹を抱えて笑っておるぞ」
「そこまで面白いんだね」
「面白くて仕方がないぞ」
 そこまでいいというのです。
「まことにな」
「そちらも楽しみなくなったよ」
「そうじゃろそうじゃろ、では来たらな」
 街にというのです。 
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