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夢幻水滸伝

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第二百九十八話 艦上の会談その十二

「同盟を結ばんでも」
「戦に介入されん様にしよな」
「戦に介入されたら」
 そうなることをだ、使者は言ってきた。
「やはり」
「ああ、難儀やからな」
「そうなるとな」
 二人で使者に答えた。
「そやからな」
「ここはちゃんとするで」
「わかりました、ではセリュー様以外の勢力とですね」
「手を結ばんまでもな」
「中立条約を結んでいこうな」
 二人で言ってだった。
 早速セリューと中立条約を結びそのうえでだった。
 他の周辺勢力とも中立条約を結んでいった、そうした外交に力を注ぎつつ戦の準備を整えているとだった。  
 ここでだ、二人共歯噛みした。その歯噛みの理由を今彼等の中で話した。
「参ったな」
「ああ、国木田先輩達を雇ったな」
 メルヴィル達が碧達を一時的に傭兵として雇ったと聞いてそうなって話していた、エミリーは苦い顔で言った。
「国木田先輩にあの四人や」
「合わせて五人やな」
「星の人が五人も入られるとな」
「かなりやばいな」
「こっちは二人や」
 エミリーは自分達のことも話した。
「それに対してあっちは最初から四人や」
「しかもメルヴィルさんは神星や」 
 ホーソーンは相手の棟梁である彼がこの星の者であることも話した。
「星のモンの中でも最も強いな」
「そのうちのお一人やな」
「その人に加えてな」
「五人もってなるとな」
「もう圧倒的にな」
「あっちの方が戦力は上になったわ」
「軍の数や装備でも上回ってる」 
 ホーソーンはこのことも話した。
「それに加えてや」
「国木田先輩達もってなるとな」
「わい等が周辺勢力と外交してる間に」
「そうしたことしてるとはな」
「メルヴィルさん達もやるわ」
「考えて動いてるわ」
 エミリーも言った。
「ほんまな」
「外交は既にやってたしな」
「カナダの方と不戦条約結んでるらしいし」
「後顧の憂いも絶ってる」
「そやな」
「しかも五人も加えるってな」
「やられたわ、しかしな」
 それでもとだ、エミリーはあらためて言った。
「そやからといってもな」
「今はしゃあないな」
「この状況で戦うしかないわ」
「そやな、やっていこうな」 
 二人で話した、碧達のことを聞いても彼等は自分達のやるべきことをしていった。そのうえでだった。
 戦の準備を万端整えた、そこでエミリーはホーソーンに言った。
「私は西に行くさかいな」
「わいは東やな」
「そこで海の方も頼むな」
「わかったわ」
 ホーソーンは確かな声で頷いて応えた。
「ほなな」
「ああ、お互い戦っていこうな」
「劣勢なのは否定出来んが」
 それでもというのだった。 
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