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ドリトル先生と山椒魚

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第十二幕その五

「太宰さんは学生時代に井伏さんの作品を読んで」
「物凄く感銘を受けて」
「それでだよね」
「上京してね」
「大学に進んで」
「そこからだね」
「すぐに井伏さんのところに行ってね」
 そうしてというのです。
「弟子にして下さいってなったから」
「それじゃあね」
「作品に影響を受けていないかっていうと」
「絶対にあったね」
「そうだね」
「そうだよ、そして井伏さんもね」
 この人もというのです。
「ずっと太宰さんと一緒にいて亡くなってからも気にかけていた」
「それじゃあね」
「太宰さんが自殺してからもとなると」
「それじゃあね」
「絆あるよね」
「やっぱり」
「そうだよ」 
 その通りだというのです。
「受けていない筈がないよ」
「太宰さんの作品から」
「井伏さんも太宰さんの作品に触れて来たから」
「しかもお師匠さんだったから」
「尚更だね」
「間違いなくね、お二人の作品はね」 
 それぞれというのです。
「間違いなくだよ」
「影響を受けていた」
「そうなんだ」
「お互いに」
「全くないとは考えられないよ」
 それはというのです。
「決してね」
「そしてそのことをだね」
「先生は書いていくかも知れないんだね」
「これから」
「そうなるかもね、ただ太宰さんのお顔を見ていると」
 残された写真のとです、先生はこうも思いました。
「整っているね」
「あっ、それね」
「確かにそうだよね」
「太宰さんって男前だよ」
「今風に言うとイケメンよ」
「芥川さんもそうだけれど」
「そう、お二人は日本の近現代の文学ではね」
 そちらではというのです。
「お顔立ちでもね」
「有名だよね」
「お二人共美形だからね」
「女性にもてたっていうけれど」
「それも当然だね」
「あと中原中也さんも結構で」 
 詩人のこの人もというのです。
「志賀直哉さんや三島由紀夫さんもね」
「その人達も整ってるね」
「確かにそうだね」
「何か三人とも太宰さんと接点あったらしいけれど」
「面白いことに」
「中原さんは飲んでいる時に太宰さんにつっかかってね」
 この人はそうだったというのです。
「太宰さんは嫌いだったらしいね」
「何か酒癖は悪かったんだよね」
「中原さんはそうした人で」
「それでだね」
「そして志賀さんは戦後志賀さんの文学に反発していたからね」
 太宰さんはそうだったというのです。 
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