野良猫を猫カフェに迎えて

　　　　　　　　　　　　　　　　野良猫を猫カフェに迎えて
「ニャ～～～」
「ウニャ～～～」
「ミャア～～～」
「ニャア～～～」
「ミャウ～～～」
「ナァ～～～」
　その猫カフェに来てだ、緑川涼子は言った。眼鏡をかけていて白いやや面長の顔であり黒髪を後ろで束ねている。切れ長の黒い目で眉は細く唇は引き締まっている。背は一六三センチ位で上下ともにグレーのズボンのスーツがよく似合っている。
　その彼女が猫カフェの中で一ヶ所に集まっている黒猫、白猫、黒と白の八割れ、茶と白の八割れ、三毛、虎毛の六匹の猫達を見た、見れば彼等はとても仲がよさそうに遊んでいる。
　その猫達を見てだ、涼子は猫カフェの若い女性の店員に尋ねた。
「随分仲がいいですが」
「この子達はですね」
「はい、随分と」
「この子達はクロ、シロ、イチ、チャ、サキ、トラと名付けていまして」
「名前もあるんですね」
「あくまでうちの名前ですが」
「ああ、保護猫なんで」
　涼子は店員の話を聞いてすぐに頷いて言った。
「ここは保護猫カフェですね」
「はい、ですから」
「ここはコーヒーを飲んで猫と遊んで」
「それで癒されもして」　
　それと共にとだ、店員も話した。
「それで、です」
「猫達とお見合いをして」
「それで飼い主になってもらいもします」
「そうしたお店ですね」
「そうです」
　まさにというのだ。
「当店は」
「そうですね」
「この子達は皆元野良猫なんです」
　今涼子が見ている六匹の猫達はというのだ。
「かつては」
「その子達を保護したんですね」
「それでうちに今います」
　この店にというのだ。
「チャとサキは雌でそれ以外の子は雄です」
「そうなんですね」
「はい、野良猫のままですと大変なんですよ」
　店員は涼子に真剣な顔で話した。
「食べものやお水も狩りをしたりして何でもで」
「手に入らない時も多いですね」
「それに雨露や暑さ寒さを凌ぐにもです」
「そうした場所を見付けないといけないですね」
「烏とか天敵もいますし」
　そうした存在のこともあるというのだ。
「お互いに喧嘩をしたり病気にもなって」
「ああ、そのこともありますね」
「交通事故もありますね」
　店員はこのことも話した。