夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
㊿
前書き
夜勤を終えた好美は不自然な様子の3人に出くわした。
-㊿ 拘りの豚肉-
翌朝、王宮での夜勤を終えた好美はいつも通りビル1階の店舗部分へと『瞬間移動』すると、何やら「暴徒の鱗」の前でデルアとピューア、そしてニーコルが話し込んでいた。3人の様子から見るにどうやら深刻な話らしい。
好美「おはよう、何かあったの?」
デルア「ああ、好美ちゃんか。おはよう、実は先程イャンダと大将に肉屋のケデールから連絡があったんだ。」
ケデールの店いつも叉焼に使用する豚肉を外部から特別に仕入れて卸してもらっているのだが、必ずシューゴが自らの目や舌で選んだ品質に拘った良い物を少し安値でとお願いしていた。
そんな中、肉屋が言うには数年前から店所有の豚舎で育てた豚の肉を使って貰えないだろうかと連絡があったのだ。店主・・・、と言うより豚舎を任された部下が餌から拘って育てた自信のある豚たちらしい。近所に住む農家のガイの畑や田んぼにて有機栽培で育ったトウモロコシや米などを原料とした餌を与え、化学飼料を一切使わずに放牧でストレスの無い様にのびのびと育てたそうだ。
その肉の試食会に先程電話で呼ばれた大将と店長が向かったらしい、ただそれのどこに問題があるのだろうか。
デルア「いや、うちの場合ずっと前から醤油ダレも叉焼の肉をベースにしているだろ?肉が変われば拉麺全体の味が変わるんじゃないかって思ってね。」
ニーコル「良かったら好美ちゃん、2人と一緒に味を見て来てくれないかい?どうやら、育てたのは君と同じ転生者の人みたいだから俺らより好美ちゃんの方が話が出来るかもだからね。」
好美「ふーん・・・、それにしてもこんな早くから言ってんの?」
現在7:15、軽トラで行けば肉屋まで10分程で着く。それに『瞬間移動』を使えばすぐ行けるはず。
デルア「8:00かららしいけど、歩いて行っちゃった。2人共運動したいんだってさ。」
好美「なるほどね・・・、それにしても今は何処にいるんだろ。店に着いてるのかな。」
好美は『探知』で2人の位置を確認して『瞬間移動』で向かうと、陽気に話していた2人は突然のオーナーの登場に驚きを隠せない様子でいた。どうやら、豚肉料理が楽しみでお腹を空かせている様だ。
好美「おーはよ!!」
シューゴ「好美ちゃん・・・、お・・・、おはよう・・・。びっくりしたじゃないか、何故ここに?」
好美「何でって、私も豚肉料理が食べたくなったからだよ。それに育てた転生者の人が誰なのか気になってね。」
イャンダ「おはよう、好美ちゃんって豚肉好きなんだね。」
好美「昔付き合ってた元カレに似たのかな、特に豚の生姜焼きがね。」
イャンダは好美の顔をじっと見た、よく見ると意外と整った顔つきで強いて言うなら好みのタイプらしい。店長は無言で目線を逸らすと、青空を見上げていた。
好美「な・・・、何?」
イャンダ「い、いや・・・。何でもねぇ・・・。」
シューゴ「それにしても好美ちゃんに元カレねぇ・・・、意外っちゃ意外だね。」
好美「もう、それどういう意味?!私だって1人の女なんだからね!!」
そう言うとやたらと胸を強調し始めた、さり気なくつなぎのファスナーを気持ち程度に下ろしている。
シューゴ「悪い悪い、ほら着いたよ。」
いつの間にか肉屋に到着した3人、するとそこにはナルリスと真希子がいた。どうやら2人もレストランの代表としてケデールに呼ばれたらしい。
好美「おはようございます、お2人も豚肉を?」
ナルリス「おはよう、どんな豚肉か楽しみだよ。」
真希子「おはよう好美ちゃん、実は今新メニューを考えていてね。」
すると、隣のヴァンパイアが焦りだした。どうやら新メニューは真希子とミーレンの2人で開発していたそうでナルリスは初耳らしい。
そうこうしている内に肉屋の入り口が開き、奥からケデールが手招きしたので5人は店に入って行った。
店内ではとても美味そうで何処か懐かしい匂いがしていた。
後書き
良い匂いの豚肉料理とは。
ページ上へ戻る