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夢幻水滸伝

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第二百九十八話 艦上の会談その四

「これから」
「二人でやな」
「ペンシルバニア州とバージニア州を治めて」
 それぞれ統一した州をというのだ。
「間にあるウエストバージニア州もな」
「勢力圏に収めていくな」
「そうしてそこからな」
「まずアメリカを統一してやな」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「ひいては世界をな」
「統一やな」
「そうしていかへんか」
 ホーソーンに提案する様にしてだ、この言葉を出した。
「これからは」
「その考えにわいが賛成するかどうか」
「いや、あんたの考えも聞きたい」
 エミリーはホーソーンの言葉に今度は笑って返した。
「私の考えは話した、けどな」
「わいの考えはやな」
「まだ聞いてへん、そやからな」
 だからだというのだ。
「ここはな」
「わいの考えもか」
「聞きたい、それで話してくれるか」
「わかったわ」
 それならとだ、ホーソーンも頷いた。そのうえで彼も自分の二人の勢力のことについての考えを話した。
「わいも仲良くな」
「私とやっていきたいか」
「わいも争う理由見出してへんし」
 それにと言うのだった。
「起きた世界でもな」
「友達同士やしな」
「例え個人でどうでも勢力同士もな」
「衝突してへんしな」
「利害関係で揉めてへんかったら」
 それならというのだ。
「もうな」
「仲良くやな」
「やっていくとええやろ」
 こう言うのだった。
「そやろ」
「その通りや」
 エミリーはまさにという顔で応えた。
「それで今回な」
「会談ではやな」
「円満に進んでな」
「手を結べればとやな」
「思ってるけどな」
「わいもや」 
 ホーソーンは笑みで応えた。
「ほんまな」
「今回の会談はやな」
「自分の言う通り円満に進んでな」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでな」
「手を結べればやな」
「ええと思ってる」
「考えは同じやな」
「戦もする」
 ホーソーンはこのこと自体は否定しなかった。
「ほんまな、けどな」
「それでもやな」
「出来るだけな」
「戦はせんな」
「どうしても避けられへん場合以外はな」
「せんな」
「ああ、少なくとも自分とは戦をする理由はない」
 一切という言葉だった。
「意地を張る相手でもないしな」
「それな。お互いにな」
「友達同士でそれもないし覇権を争う状況でもない」
「むしろウエストバージニア州をどうしてくか」
 それぞれの勢力が南北に挟んでいるこの州のというのだ。 
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