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転生!DORAGONBALL THE WORLD!!

作者:山葵。
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ナメック星編
  第八話 戦闘民族の闘志

 
前書き
前回の話を書いてるときに本文が6000文字と表示されていてこんなに頑張ったんだなと思っていたら、バクかなんかで3分の一がコピーされて同じ内容が二回出ているだけでした~
チックショー!!

お詫び
操作ミスで1時間ほどこの作品の未完成の第九話が投稿されていました。今後は気を付けます。 

 
長いようで短い修業が終わり、俺たちはナメック星の地面に降り立っていた。

「ここがナメック星かぁ~どこもかしこも緑だな。」

悟空はそんなことを言っているがそうのんきにはしていられない。おそらく今悟飯やクリリン、ベジータがフリーザと戦っているはずだ。

「悟空、クリリンたちの気を探れるか?」
もちろん俺も気を探ることはできるが悟空の方が精度がいいので悟空に尋ねる。

「分かった。ちょっと待ってくれ。」
悟空は自分の額に人差し指と中指を当て気を探る。

「あっちの方角だ。」悟空は宇宙船から見て左の方を指さす。

「悟飯たちもまだやられてねぇみてぇだ。だが悟飯達より大きい気を持った奴が近くにいる。」

「戦闘力は22000だ。俺たち一人だけでも余裕で倒せる。」
今の間にバーダックは戦闘服からスカウターを取り出しはかったようだ。
細かい戦闘力を計測するのはスカウターの方が正確だ。まあ大きすぎると木っ端みじんになるのが玉に瑕だけどな。

いや、そうじゃない。戦闘力22000はフリーザではない。今の奴は気をコントロールすることができないはずだ。この戦闘力は奴の取り巻きの…ドドリアといったところか。

何かがきっかけでストーリーが変わっている?
いや、考えている暇はない。

「悟空、バーダック。作戦会議だ。すぐに終わらせる。聞いてくれ。」

そうして俺は作戦を説明した。
「まず悟空とバーダックは悟飯たちの元に急行してもらう。そして俺は悪いが一時離脱させてもらう、やらないといけないことがあるんだ。」

「分かった。オラたちは悟飯らのもとに行けばいいんだな?」

「頼んだ。」

「ちょっと待て、なぜお前だけ別のところに行く?」
バーダックは不審に思ったようだ。

「悪いがそれは言えないな。」

「そうか、なら俺も好きにやらせてもらう。」

「ちょっと待てよ。バーダック。おめぇまで別のところに行くなんてずるいぞ。」
悟空は若干引き留める理由が違う気もするがそこは気にしないでおこう。

「わかったぞ。フリーザのところに行くつもりなんだな?オラも一緒に行くぞ。そいつとんでもなくつぇえんだろ?」
やはり悟空というべきだろうか、恐怖心が一切ない。

「フリーザは俺が一人で倒す。お前たちの出る幕はない。」
バーダックは冷徹にそういい告げる。

「いいか、お前らついてくるんじゃねぇぞ。もしついてきたら…先にお前たちから殺してやる。」

「でもよ…バーダック」

「悟空、悪いがその辺にしておいてくれ。」
これ以上ややこしくなると俺の手に負えなくなる、いや、そもそも状況すべてを理解しようとしているのが間違いなのかもしれないが、ただでさえ俺とバーダックという原作において”バグ”のような存在がいるのに悟空の行動まで変わってしまうとフリーザで全滅とかいう最悪の展開になる可能性もある。もちろん秘策もあるのだが、安心材料は大量に欲しい。それほど敵は強大だ。

「バーダック。どうせ何言っても聞かないんだろうからこれだけ渡しておく。それと悟空にも。」
そういって俺は一粒ずつ豆を投げる。

「仙豆だ、一人一粒。どうにでも使ってくれ。じゃあ俺も行くぞ。バーダック、悟空。死ぬなよ。」


「ありがたく受け取っておくぜ。」

「サンキュー!じゃ、またあとでな。」

そうして俺たちは3方向へと分かれていった。


ークリリンsideー

「悟飯!もっと飛ばすぞ!」

「はい!」
クリリンはフリーザの手下、ドドリアに追われていた。

(やばいな…アイツのスピードが速すぎる。これじゃすぐに追いつかれちまう…)

そこでクリリンは一か八かの賭けに出た。
「悟飯!少しスピードを落とすんだ。俺に考えがある。」

「分かりました。クリリンさん。」
悟飯もクリリンの言うことを聞き、飛ぶスピードを遅くした。」

「へっへっへ…スタミナ切れか?」

クリリンたちを追いかけながらドドリアは不敵に笑う。

(もっと引き付けるんだ…そうじゃないと太陽拳は当たらない…)

ギリギリまでドドリアを引き寄せた。チャンスは今しかない。奴は完全に油断をしている。

クリリンは急に後ろを振り向いた。

「何⁉」

ドドリアは急に振り向いた敵に困惑した。

「太陽拳!!」

技名をいうとクリリンの額が急激に発光する。
光はあたり一帯を包んだ。
「うぎゃぁぁぁぁ!!」

激しい光は敵の視力を一時的に奪う。この声を聞く限り無事に命中したようだ。

数秒後光が収まった。

「よし!悟飯。今のうちに逃げる…ぞ?」

光が晴れドドリアのいた場所に目を向けたクリリンだったがそこにいた相手に心底驚いた。

「ごごごごご…悟空⁉」

「お…お父さん⁉」

そこにはなぜか手で目を覆っている悟空の姿があった。

「ひ…ひでぇよクリリン…せっかくオラ急いで駆けつけてきたのによ…」

「そ…そんなこと言ったってちょうどいま来るとは思っていなかったからよ…」

彼は運悪く太陽拳を食らう方向から来てしまったようだ。

「な…なんだかよくわかんねぇがどうやらお仲間に技を当てちまったようだなぁ。」

悟空のちょうど背中側にいたドドリアは少しまぶしかったものの失明することはなかったようだ。

「残念だったな。俺は優しいんだ。痛みなく一瞬で3人ともあの世へ送ってやるぜ。」

「やばいぞ。悟空!逃げろ!」

「お前らの運のなさをあの世で後悔するんだな!」

悟空の背後からドドリアの力を込めた一撃が迫る。

しかし悟空は後ろを振り向くことも、目を開けることもなく背後の拳をとらえ、掴んだ。

「な…なんなんだお前は…」

「殺気が駄々洩れだったかんな。目を開けずとも全然わかるぞ。」
悟空は淡々とドドリアに言ってのける。

「は…はは…そうだ!今のはまぐれだ!この俺がこんな下級サイヤ人に目をつぶったまま防がれるわけがないぜ。」

「偶然は二度も起きねぇぞ!!」

ドドリアはスカウターを持っていなかった。先ほどナメック星の原住民に壊されてしまったからだ。なので愚かなことに自分と相手の力量すら理解することができなかった。

悟空はドドリアの拳が当たる前に相手の位置を読んで腹部に強烈なパンチを入れた。
ドドリアは何が起きたか知る前に前のめりに倒れた。

「す…すげぇよ悟空!!あんな強いやつを一撃で倒しちまうなんてよ!」

「ここに来るまでに必死に修行してきたからな。お、やっと視力が戻ったぞ。」

悟空は目を慣らしながらそう言った。

しかしその瞬間、その場に一つの爆音が響いた。

爆音のなった方を見るとさっきまでいたはずのドドリアが消し炭になっていた。

「相変わらず甘い奴らだな。」

気が放たれた方を向くとそこにはベジータがいた。

「ベジータ…あいつもこの星に来ていたのか…」

「ああ…そうみてぇだな。」
クリリンはあの時に辛勝を思い出し苦い顔をしたが、それに対し悟空は顔が笑っていた。

「悟飯…クリリン…離れていてくれ。あいつはオラ一人で戦いたい。」

「はぁ~そうだよな。何を言っても無駄なことはわかってる。だけど悟空。死ぬなよ。」

「お父さん。頑張って!」

「ああ。」

そういって悟飯たちは戦いに影響しないところまで避難した。

「馬鹿な奴らだ。3人まとめてかかってくればいいものを。」

「それだと、フェアじゃねぇかんな。」

「どうやら、俺がこの前から何も進歩していないと思っているな?この俺様がなんの戦略もなく貴様の前に出てくるわけがないだろう。今の俺は貴様を大幅に超えている。」

「それは…お互い様じゃねぇのか?」

「戦えばわかることだ。」

そうして両者は構えをとった。それは奇しくも地球での一戦と同じ構図であった。

辺りは静寂に包まれた。刹那。両者が地を蹴った。

先手はベジータが取った。悟空の目の前から消え、それを意識した瞬間には背後からの奇襲が迫る。悟空は上体をひねって躱し、反撃に転じようとするがその隙を与えずに守りかおろそかになった下半身へ足払いをし悟空を宙へと浮かす。
そして流れるように相手との位置を整え顎にアッパーを入れた。
その衝撃に一瞬昏倒しかけたが、無理やり意識を保ち追撃に備える。

闘いの舞台はそのまま空中へと移動した。

悟空とベジータは空中で何度も拳を交える。空中には衝撃波が同時に何か所も発生し、爆発的な風圧が大地を震わし、地割れを起こした。その衝撃は離れたところにいるはずのクリリンや悟飯、そして気を読めるワサビやバーダックにも伝わった。

ここで悟空が一技仕掛けた。
「界王拳!!2倍だ!」

悟空は紅の気を纏いベジータに直行する。
ベジータはこの技の恐ろしさを地球での戦いで経験しているので集中し捌こうとするが100倍の重力下で修業した悟空のスピードはとてつもなく速く相手の場所を読むことができなかった。

悟空は武空術を利用したスピードで全身でタックルをしベジータを吹き飛ばす。

「まだまだ行くぞ!!」
再び気を開放しベジータの後ろに回り込み飛んできたベジータを蹴り飛ばす。

ドカッ!バキッ!  悟空はベジータでラリーをしトドメに片足で踏みつけ地に落とし、追い打ちをかけるように片足を突き出し急降下する。

流石のベジータもこれ以上ダメージを受けると致命傷だ。ここはいったん距離を取るべく5回ほどバク転し距離をとった。

「クソッタレェェェ‼」

ベジータが気弾を乱射する。

それは地球で放った時よりも密度が濃く、そして弾数も増え、一発あたりに込められた気、すなわち一発一発のダメージも大きく膨れ上がっていた。

悟空はこの後の戦いも見越したのか界王拳を一度解除し、弾をよけるため高く上へと飛び上がった。密度こそ多い気弾のラッシュだが敵を追いかけるスピードは速くなく、通常の武空術でもよけれることができた。

しかし次に予想外の一手をベジータが放った。

気弾を乱射しつつ全身に気をためていたベジータは身体から青白い光線を放った。

その弾速はとても速く当たることこそなかったものの悟空の道着をかすった。

だが大事なのはそこではない。ベジータが放った光線は気弾から悟空が逃げている方向に放たれていた。そのせいで悟空は動きを止め、気弾の雨が悟空に降り注ぐ。

悟空は必死に逃げようとするがそこにベジータの予想外の攻撃の二手目が襲う。

なんとベジータはさっきまでいた場所に気を残し、そこから気弾を発射し本体は気弾の爆風の影に隠れながら悟空へと奇襲したのであった。

気弾を乱射されているところにベジータがいるという先入観が、油断を生み大きな隙を晒した。
ベジータはこの短時間で新たな技を作っていたのだ。
名づけるとするならば、〝フェイクブレイカー″といったところか。

それを逃すほどベジータは甘くない。悟空を殴り飛ばし岩盤にぶつけ、先ほどの気弾を悟空にぶつける。そしてベジータは両手を重ね気を溜める。ギャリック砲の構えだ。

「くたばりやがれ!ギャリック砲‼」

渾身の必殺技が悟空に命中した。しかしベジータは攻撃を緩めない。ベジータは確信をしていた。この程度ではカカロットは死なない。気を最大限まで爆発させ放出する。

「オラ、ちょっと油断してたみてぇだ。」

そんな声が響き渡る。

「悪いな、ベジータ。オラこの先の戦いを見越して気を制御してたんだ。でもそれじゃ全力でやってるおめぇに悪いよな。でもこっから先はオラも全力だ。さぁ第二ラウンド。はじめっか!」

「界王拳5倍だ‼」

悟空は戦闘力を5倍まで引き上げる。地球でベジータと戦っていた時はこの倍率は最後の最後の奥の手だったが、修行のおかげで無理なく使えるようになった。

悟空は界王拳で高めた気の圧でギャリック砲を防ぐ。もちろんすべてを防げるわけではないがダメージはぐっと抑えられる。

そのまま気を掌に集める。
目には目を。歯には歯を。光線には光線を。
「か…め…は…め…」

限界ギリギリまで気を凝縮させる。
「波ぁぁぁぁぁぁ!」 ビシュゥゥゥゥン!!

悟空のかめはめ波はベジータのギャリック砲を押し返した。

「この俺様が…負けるかぁぁ‼」

ベジータも気のコントロールで得た技術を使い気を爆発させる。
さらに先ほどのフェイクブレイカーも合わせギャリック砲の左右から気弾も放つ。

悟空は次々に来る気弾に体力を奪われていた。
(これを打破するにはもっと界王拳の倍率を上げるしかねぇ。)

長期戦ではベジータが圧倒的に有利だ。なので短期決戦に持ち込むしかない。

「界王拳10倍だ‼」

悟空の筋肉がより膨張し、気があふれ出る。

ギャリック砲に押され気味だったかめはめ波は息を吹き返したように勢いを増し。ギャリック砲を押し返した。

勢いは止まることなくギャリック砲を貫きベジータに直撃する。
その莫大なエネルギーは地をえぐり100mほどのクレーターを作った。

悟空は息を切らしながら界王拳を解除し、膝をついた。

そこにクリリンや悟飯が駆け寄ってきた。
「悟空。お疲れ様。たった一人であいつに勝っちまうなんてよ。もう俺たち要らねぇんじゃねぇか?」 クリリンは笑いながら悟空にそう言った。

「お父さん。ベジータさんはどうなったんですか?」

悟飯はその優しい性格から敵であるベジータの安否を悟空に聞いていた。

「よくわかんねぇけどよ。あいつはあの程度ではやられない気がするんだ。」

「じゃあまだ生きてるってことですか?」

「おいおい、悟空。流石にあのかめはめ波で死んでなかったら相当のバケモンだぜ?」

「オラもそう思うんだけどな。」

「今のはさすがの俺様も死ぬかと思ったぜ。」

今の会話がフラグであったのか、ベジータは再び悟空達の元へと現れた。
その姿は上の戦闘服がなくなっていて、命がけで回避したのだろうと想像できる。

「今のは手ごたえがあったんだけどな。」
悟空は少し悔しそうだったが、まだ戦える嬉しさの方が顔にあらわれていた。

今ので戦闘力はお互いに半分以下になっただろうか。
再び悟空とベジータは死闘を繰り広げた。



ーバーダックsideー

ワサビや悟空と別れて数分したころ、ちょうど悟空とベジータが再開したころ、バーダックはフリーザを探し飛び回っていた。
再びこの世に戻ってこれたこと、これは奴を倒せる最後のチャンスだとバーダックは確信していた。フリーザの手下に倒された仲間たちの仇。そして非情な性格で残虐なフリーザを許さねぇ。
そんな気持ちがバーダックを駆り立てた。

ふと下の方に目を向けると、何やら爆発しているものが見えた。
バーダックは長年の勘でフリーザがそこにいるような気がし、スピードを上げそこへ向かった。

「ドラゴンボールをお出しなさい。」
何やら奇怪な乗り物に乗った宇宙人、フリーザは冷徹に、そして威厳を出しながらナメック星の原住民。ナメック星人に命令する。

「断る!ドラゴンボールはお前みたいな悪党のために作られたものではない!とっととこの星から帰れ!」
ナメック星人はドラゴンボールをこの悪党に渡さないように必死に抵抗する。

「頭の固い人たちですねぇ。仕方がありません。少々手荒くいきましょうか。ザーボンさん。痛めつけてやりなさい。」

「はっ!フリーザ様。」

フリーザは側近のザーボンに命令をし、ザーボンは指先から光線をナメック星人へと放つ。

しかし何者かがザーボンの前に飛び出してきて手を払い光線を別の方向へと跳ね返した。
彼らはナメック星人のなかでも「戦士タイプ」と呼ばれるタイプで3人の戦士タイプのナメック星人は気のコントロールで戦闘力を3000前後まで上げた。

「長老様。下がっていてください。ここは我々が食い止めます。」

「頼んだぞ。」

そうして三人のナメック星人がフリーザたちに反抗する。

しかし戦闘力差は絶望だ。一気に2人のナメック星人が殺され、最後の戦士も2人のスカウターを破壊するというナメック星人の意地を見せたが、それはフリーザたちの怒りに触れただけで最後の戦士も殺されてしまった。

「さてと、邪魔なものは片付きましたね。とっととドラゴンボールのありかを答えなければここにいるもの全員を殺しますよ。」

「わかった。ドラゴンボールがどこにあるか話そう。だからここにいる子供たちは見逃してくれ。」
長老は苦渋の決断をし、せめて若者だけでも生き残らそうとした。

「初めからそうすればよかったですよ。」

しかし正義感を持った子供のナメック星人がフリーザに反抗する。

「じいちゃん!こんな奴の命令に従っちゃだめだ!」

「カルゴ!黙って隠れてなさい!」
長老は必死に説得する。

「うるさいハエですね。」

フリーザはうっとおしそうにその子供に向けて光線を放つ。
さっきから邪魔ばかりされて正直フリーザは苛ついていた。
しかし先ほどの長老が子供を庇い光線を受け死んでしまった。

「カルゴ…早く逃げるんだ。」
だが、その子は恐怖で動くことができなかった。

「手が滑って殺してしまいましたか。まあいいでしょう。この村にドラゴンボールがあることは分かったので手分けして探しましょう。」

そうして残った子供にフリーザが手をかけようとしたその瞬間。
ある声が響き渡った。

「フリーザァァァァァァ!!」

その声の主は目で追えないようなスピードでフリーザに迫り思いっきり殴り飛ばした。

不意の攻撃に反応ができずにフリーザは吹き飛ばされ、乗り物から落ちた。

「フッ…フリーザさま⁉」

「急に殴るとは…随分と手洗い歓迎ですね。」
ダメージはそこまでなかったもののフリーザは怒りを覚えた。

だがその殴ってきたやつを見ると、心底驚いた。

「き…貴様はあの時の…」

そう、そいつは愚かにもたった一人で自分に歯向かってきて惑星を爆発させるほどの気をもった巨大気弾に飲まれ死んだはずのサイヤ人だったからだ。

「まだサイヤ人が生き残っていたとは…いや。その前に貴様。どうやって生き延びた?」
フリーザは淡い記憶だが確かに殺した奴が再び現れて困惑していた。

「誰が教えるか、てめぇなんかによ。」
バーダックはフリーザを挑発する。

「まぁ…いいでしょう。ですがこの私に再び歯向かってくるとは、とんだ話ですね。死んでも戦闘力の差が理解できないなんて。実に滑稽です。」

「あの時の俺とは違うことぐらい理解できるだろ?」

「それでも貴方は私の戦闘力の足元にも及びません。」

「ほざきやがれ。俺はお前に勝つ。」

「ザーボンさん、あなたは下がっておきなさい。万が一ですが彼があなたの戦闘力を上回っているかもしてません。」

そうして本当なら起きるはずがなかった、フリーザVSバーダックの戦いが歴史を、時代を超えて始まった。

「フリーザ‼俺は貴様が…許せねぇ‼」
バーダックは荒っぽく、我武者羅にだけども的確に隙や急所を狙い乱打を叩き込む、対するフリーザも手や足、そして尻尾をうまく使いバーダックの攻撃を防いでいく。

「やはりその程度でしたか。まったく、身の程をわきまえなさい。」
今の一瞬で相手の強さを判断したフリーザはバーダックを尻尾で絞め拘束する。

「ぐぎぎぎ…」
バーダックは離れようともがくがフリーザの拘束する力はとても強く逃げ出せないでいた。

「さぁ。話してもらいましょうか。あなたがなぜこの場にいるのかをね。」
フリーザは淡々とした態度で話す。

「誰が貴様の命令なんて聞くか…」

「相変わらず強情な奴ですね。少しイライラしてきましたよ。」
そう言いフリーザはより力を込める。

バーダックもただ拘束されているわけではなかった。
多少自由に動く左手に気をため、それをフリーザに押し当て爆発させた。
その爆風により尻尾の拘束は緩みその隙にバーダックは尻尾を蹴り上げ脱出する。

「ほう。あそこから逃げ出すとは。あの時より多少は力が増しているようですね。」

(ちっ…やはり単純な戦闘力では奴の方が上だ。どうにかして瞬間的に奴の気を上回らなけりゃあ一瞬で殺される。)

「はぁぁぁぁ!!」
バーダックは気のコントロールで気を最大以上に開放しフリーザとの戦闘力差を一気に縮めた。

(なるほど…実際の値はわかりませんがどうやら気を自在に操る術を手に入れたようですね。これは少々厄介です。)

「ですが、それでもまだ私には及びませんよ!」

今度はフリーザが詰め寄ってくる。
蹴りや殴り、一発一発の威力は凄まじく。防御をしていてもダメージが通っていた。

「そこだ‼」
バーダックは急に相手の動きが視え拳を前へと突き出した。

「なんだと⁉」

フリーザは寸でのところで回避し後ずさりをした。

「俺たち戦闘民族サイヤ人は戦いの中で成長するんだ。うかうかしてると、すぐに追い越しちまうぜ?」

「ふん…いいでしょう。私も少し本気を出して差し上げます。」

「キェェェェェイ‼」

フリーザの蹴りが横腹に入った。しかしバーダックはそのまま足を掴み地面にたたきつける。
バーダックはフリーザを蹴り上げようとするが躱され、そのまま横に薙ぎ払われる。

バーダックは横向きで吹き飛ばされるが、体制を整え岩壁を足場にして蹴り、フリーザに向かっていく。

「リベリオンスピア‼」
バーダックは金色の気を纏いフリーザへ突進をする。

「遅い‼」
だがバーダックの攻撃は空しく躱されてしまった。

「死になさい。デスウェーブ‼」
フリーザは斬撃性の高い気をリベリオンスピア後で硬直しているバーダックに向けて放つ。
幸い角度が良く顔を避けるだけで躱せたが、その頬には傷がついていた。
バーダックはその血を拭うと、再びフリーザへと視線を向ける。

「死にぞこないの亡霊が‼とっとと仲間の元へ行きなさい!」
フリーザはこのしつこさが頭にきたらしく人差し指をバーダックへと向ける。
その指には気がとてつもなく凝縮されていた。

「デスビーム‼」
極太の光線がバーダックを襲う。

バーダックは両手を使い光線を押し返そうとするが、その気はすさまじく地に向かってどんどんと押されていく。

「だぁぁぁぁぁぁ‼」
バーダックは気を開放するが、それでも届かない。

「ちくしょぉぉぉぉ‼がぁぁぁぁぁ‼」
声を上げ力を込めようとするが今のバーダックではこれ以上気をあげれなかった。

その時、バーダックには幻覚が視えた。正確に言うととそれは未来予知なのだが。
あの戦いの後、ドラゴンボールでよみがえってからは一切視ることはなかった未来予知だが、このタイミングでそれは発動した。

その未来はあの時も視た悟空とフリーザが戦っている様子であった。

悟空は20倍界王拳を使っており、フリーザは今とは違う姿で戦っている。
そのフリーザの姿が何なのかはわからなかったが。一つだけわかることはあった。

(俺がここで死んでも…誰かが…いや、案外俺のガキかもしんねぇな。そいつらがフリーザを倒す。だけどな…ここであいつらの…仇をとれるのはカカロットじゃねぇ。この俺だ‼)

バーダックはあの惨状を思い返した。トーマ、セリパ、パンプーキン、トテッポ。仲間たちがフリーザの手下に倒され、血まみれになった戦場後を。そして、頭に巻いているバンダナ。それは奴らの、サイヤ人の誇りだということを。

(俺がここで諦めるわけにはいかねぇ…あいつらの仇をとってやる…サイヤ人の誇りを…サイヤ人を…)

「サイヤ人を、舐めるなぁぁ‼」

バーダックの底力、サイヤ人の誇りの力はフリーザのデスビームを跳ね返した。

フリーザは自分で打ったデスビームを食らいダメージを受ける。

「おのれ…‼」

「ハァァァァァ…ダァァ‼」

バーダックは全身からあふれる気を、戦闘民族の闘志を燃え上がらせた。

「これで…終わりにしてやる…」

バーダックは強く地を蹴りフリーザの眼前まで迫り腹部に強烈なアッパーを入れる。
そして後ろに下がり右手に今残っている気全てを使い気弾を作る。

「くたばりやがれ‼」 青白い気弾がフリーザへ牙をむく。

フリーザは両手で受け止めようとした。

「はぁぁぁぁぁ‼」「キェェェイ‼」
両者の声がその場を震わせる。

そしてその気弾はフリーザに直撃し、爆発した。

「へ…へへ。」
バーダックはフリーザに気弾が命中したのを確認すると、気を失いその場に倒れてしまった。

 
 

 
後書き
・ベジータの青白い光線
 ナッパを葬るときに使ったアレです。

・フェイクブレイカー
 ベジータがいるところとは別のところから気弾を連射する技です。この小説のオリジナルの技となっております。
初めはフェイクブラストにしようと思ったんですが、調べると三神龍の技名とかぶっていてややこしくなるので泣く泣く変えました。
めっちゃわかりやすいたとえをするとスプラトゥーン3の5.1chメガホンレーザーです。

・ナメック星の長老
 これはわかる人は分かったと思うんですけどムーリ長老の村での出来事です。一応説明です。

戦闘力一覧

悟空:12万→界王拳 2倍:24万 5倍:60万 10倍:120万

ベジータ:15万→ギャリック砲時70万

バーダック:15万→戦闘民族の闘志開放:35万→リベリオントリガー時:50万以上

フリーザ:530000です

となっております。 
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