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宇宙人のハリマオ漬け

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「奇妙な宇宙人とのやり取り」

(前回に引き続き中編を読んでから読まれることを推奨します。読まないと多分意味不明だと思う……)

* * *
突然、目の前に真っ白な物体が現れた。わたしと麻衣子は驚きすぎて何も言えなかった。ただ呆然とその物体を見つめていた。すると、物体の中から一人の可愛らしい少女が現れた。年齢は十代前半ぐらいだろうか。

「う〜ん……あ〜……あれぇ?」と少女が言いながら目を覚ました。彼女はわたしを見て不思議そうな顔をした。そして麻衣子を見ると、さらに不思議そうな表情を浮かべて首を傾げた。しばらく二人で見つめ合っていた。

すると、物体は消え去り、先ほどの男性が姿を現した。

「やあ、待たせたね」と男性が言った。

「あ、いえ……」

「う〜ん……」と少女が言って目をこすりながら起き上がった。そして再びわたしの方を見るなり、

「あー!!」と叫んで指を差してきた。

「え?」

「あー!!あー!!あー!!!」と彼女が叫びながら、わたしの体をペタペタ触り始めた。

「ちょ、ちょっと……」と困惑していると、彼女が急に抱きついてきた。

「ああーーーーーーーー!!!!」彼女は大絶叫していた。彼女はいったい何をしたいのだろう?彼女は誰なんだろうか?考えているうちに彼女はわたしから離れ、今度は麻衣子に抱きついた。

「う〜〜〜〜〜」と言いながら彼女は麻衣子を強く抱きしめている。彼女はどうやら感動しているようだ。

「大丈夫だった?どこか痛くない?」わたしは彼女に言った。しかし彼女はまだ興奮冷めやらぬ感じで「うん」とか「うぅん」とか言い続けている。

ふと横を見ると、そこに先ほどの幽霊の姿があった。その姿を見た時、なぜかホッとした自分がいた。

「ごめんなさいね、いきなり変なところに連れてきて」と少女は言った。彼女の名前は【M】と言った。
彼女によれば、ここは学校の中にある部屋で、本来は部室として使って良い部屋ではないのだが特別許可をもらっているらしい。彼女はわたし達に説明をしながら歩き出した。
「ここなら、落ち着いて話が聞けるでしょう?」
「あぁ……」
「ところであなたの名前は?あたしは三谷真希です」
「俺は、高梨勇太だ」
「ふーん。で、そっちの人は?」
わたしは彼女の視線を避けようとしたが
「あぁ、この子は俺の恋人だよ」
と彼が答える。すると、彼女は大きく目を見開いて驚いた顔をしてみせた。
「なんですって!恋人だって!」
彼女は大声をあげると、こちらを睨んできた。わたしは、思わず目をそらしてしまう。
「どういうことよ!説明してちょうだい!!」
どうやら彼女は、怒っているようだ。しかしわたしは困ってしまった。わたしにもわからないのだ。ただ、彼とわたしの間には何かがあったということだけは確かだった。
「あのね……」
わたしは彼女に、今までのことを簡単に説明することにした。
わたし達が付き合い
「なんでよっ!!!」
彼女は大きな声で叫ぶと、机を思いっきり叩いた。あまりの音の大きさに、教室中が静まり返った。彼女はそのまま立ち上がって叫んだ。
「どうして、こんな奴を選ぶの?あなた、騙されてるわ!!こいつはあなたのことが好きなんじゃ無いのよ!ただ遊びたいだけなのよ!!」彼女は怒りのままに叫び続けた。それを聞いたわたしは悲しかった。涙が溢れそうになったが我慢した。
麻衣子は俯いて黙っているだけだった。彼女もきっと悲しいのだろう……そう思った時だった……どこからか笑い声が聞こえてきたのだ……そして笑い声はだんだん大きくなり、ついにはクラス中が爆笑し始めたのだ。彼らは全員腹を抱えて笑っていた……そして口々に悪口を言い出した。やれキモいだのキモくないだの……死ねだとか消えろとか殺すぞとか言っているような奴らもいた……麻衣子は泣いているようだった……わたしも泣きたかったが我慢して堪えていた……そんな中、一人の生徒が近づいてきてこう言ったのだ……あんたなんか死んじゃえばいいのにと……
その言葉を聞いた瞬間、頭の中が真っ白になった。気がつくと私は立ち上がりそいつをぶん殴っていた。相手は倒れたが私は構わず馬乗りになって殴り続けた。周りから悲鳴が聞こえたような気がしたがそんなことはどうでもよかった……私は無我夢中で殴りつけていたのだ。気がつけば辺りは血まみれになっていた……そして、それを見て私は思ったのだ……ああ、またやってしまったと……
****
***
私は自分のしたことを思い出してゾッとした。まさか本当に殺してしまうなんて……相手が憎かったとはいえ、やりすぎたかもしれないと感じた。自分の手を見つめながらそんなことを考えていると、突然後ろから誰かに抱きつかれたような感触があった。驚いて振り返ると、そこに彼女が立っていた。
 
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