夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~
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㊵
前書き
夜勤初日から遅刻しかける好美。
-㊵ 夜勤初日-
内線電話を切った瞬間に現れた好美の姿を見たデルアは焦っていた、悪いのは好美なのだが。
デルア「いくら何でも早すぎるよ、まだ弁当箱も取り出していないのに!!」
好美「ごめんごめん、焦り過ぎた。」
未だ焦っている様子の好美を見かけたイャンダが気を利かせてお冷を手渡した。
イャンダ「好美ちゃん、ちょっとは落ち着きなよ。でないと初日から印象悪くなるよ。」
好美「ごめんごめん、助かる。」
受け取ったお冷を一口飲んでやっと落ち着いた好美を見かけたイェットが咄嗟に声を掛けて来た。
イェット「こっちも余っていたら渡すべきだったね、契約上売れ残ったら結局オーナーの好美ちゃんが買い取る事になるから。ただ今日は全部売り切れになっちゃったよ、ごめんなさいね。」
好美「ちゃんと売れた事は嬉しい知らせだから私は嬉しいですよ、明日もお願いします。」
デルア「ほら、これでいいか?」
そうこうしている内にデルアが色々詰め込んだ数段の弁当箱を持って来た、醤油ダレで煮込まれた叉焼と豚キムチ、そして白飯の香りがたまらなくて好美は持って行かずに今すぐ食べたいと思ってしまった。
好美「ありがとう、行ってきます!!」
女性「ちょっと待った!!」
夜が更けて真っ暗になった街中へと消えようとした好美を聞き覚えのある女性声が引き止めた、先程までの弁当の香りをかき消す様に芳しい匂いがそこら中を包んだ。
声のする方向へと振り替えると鍋の入った袋を持った光がそこにいた。
光「ごめんね、これをニコフさんに渡しておいてくれる?「いつものお供え物」って言えば分かると思うから。」
好美「分かりましたけど、鍋が「お供え物」ですか?」
光「本人に渡せば分かるって。」
光から袋を受け取った好美は弁当と一緒に『アイテムボックス』へと入れ、王宮手前まで『瞬間移動』した。
突然現れた好美の姿を見るや否や、金の鎧に身を纏う守衛の大隊長が怪しい者を見る目で好美を睨みつけた。
守衛「貴様、誰だ!!」
好美「私、こういう者です!!」
昼間の守衛の者とは違う人間だったので、咄嗟に入場許可証を提示する好美。一応、許可証は偽装不可能なはずなのだが。
守衛「待て、アポはあるか。それとギルドカードか身分証明書を出せ。」
すると男性の声が守衛の向こうから聞こえた。
男性「お前ら何をやっているんだ。その方は今日からここで働く方だ、身分は私が確認しているから通せ。」
守衛「これは将軍長(アーク・ジェネラル)、申し訳ありません!!」
奥から出てきたのは先日のニコフ・デランド将軍長、その人だった。
ニコフ「おはようございます、好美さん。驚かせて申し訳ありません、早速こちらへどうぞ。」
好美「おはようございます、将軍長・・・、さん・・・。」
ニコフ「ふふふ・・・、ニコフで構いませんよ。」
松明片手に笑みを浮かべるニコフに『アイテムボックス』から光に託された「お供え物」を出して手渡した。
ニコフ「あの・・・、これは?」
好美「ダルラン光さんから「いつものお供え物」だそうです。」
ニコフ「吉村さんからね、助かります。これが無いとあの方が深夜に大泣きするんです。」
好美「あの方?大泣き・・・、ですか?」
後書き
鍋の中身とは。
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