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夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~

作者:佐行 院
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前書き
 さぁ、開店だ!! 

 

-㊴ 開店-

 いよいよ2店舗が開店するという噂が噂を呼び、ネフェテルサ王国の中心地にある好美所有のビルの前には24時間営業の物珍しさに人々が集まっていた。
 各々の店の開店時間10分前、混雑を予想した好美はマンションの住人の為の出入口の確保を確認した。流石にやっとの思いで迎えたこの日に住人からクレームが出てしまうと元も子もない。住人には悪いが暫くは裏側の出入口のみを使って貰う様に協力を要請した、ただその代わりと言っては何だが開店から数日間は月極の駐車場代をこっそり無料にしておいて納得して貰った。これは住人と好美だけの秘密なので「月極」の表示はそのままにしてある、でないと住民でもない客が勝手に止めようとするからだ。因みに住人にはパスカードを渡してあり、ゲート横の機械にカードを通さないと駐車場と外を出入り出来なくなっているので一応対策は万全なのだが。
 駐車場を利用していない住人や魔学校の学生にはバス代等の無料券を渡している、ただ気軽に開店したばかりの2店舗を利用して欲しいという気持ちからクーポン券をも渡しておいた。
 一応、学生等のアルバイトの募集はしていたのだが、採用していた者の中には魔学校の授業の時間割などの関係上において仕事に出る事が出来ない者も出て来ていて十分な人員を確保できなくなっていた。なので暫くの間は24時間営業はせずに各々の店長、副店長、そしてナイトマネージャーが開店時間を絞って集中的に接客等の対応を行っていた。
勿論、深夜の利用を考えていたお客さんもいただろうから今回は「予めご了承ください」とオープンを告げるポスターに書いておいたのだが・・・、効果はあったのだろうか。
オープンセールに集中すべく、「暴徒の鱗」の2台の屋台や各々の旧店舗は暫く休業にして全従業員が新店オープンに集中出来る体制を取った。
また「コノミーマート」ではゲオルやパルライ、そしてレーゼが魔力による『人造』で臨時の従業員を作り出して接客等に当たる事にした。『人造』による従業員は両方の店舗で十分な対応を出来る様に作られているので何があっても安心だ。

好美「でもどうしてここまで?」

 と好美が聞くと、ゲオルは流通ルート確保への交換条件としての2店舗で出た利益の数パーセントの支払いで、弟子であるパルライは業務提携への協力へのお礼で、レーゼはバイト時代のナルリスに楽しませて貰ったお礼、そしてカフェの商品における契約へのお礼としてだそうだ。ただそれ以上に何よりと言う勢いで3人は口を揃えて。

3人「他でもないダルラン夫妻に頼まれると断れない、これから散々世話になる好美に対しても胡麻を擦っておかないと。」

 と冗談交じりの笑顔で答えたので好美は安心してクスリと笑った。
 
そして11:00、2店舗の開店を迎えた。

予想通り2店舗に大量のお客さんが流れ込みだしたので両方とも多忙となったが、在庫は十分に確保していた上に手慣れた従業員による接客や調理等の作業により大したクレームが出る事無く時が過ぎていった。
一時的にマンション内側の出入口を締切にして正解だった、でないと好美を含む住人たちが自由に行き来出来ない。
一時的な閉店時間と設定している21:00を迎えるとそこにいた全員がへとへとになりながら売り上げや利益の計算をした後、皆で食事を摂った。オーナーである好美へは限りなく分かりやすい様に書類を纏め、翌朝に報告をする事になった。
その頃、2店舗のオーナーである好美はスマホのアラーム音と同時に目を覚ました。

好美「そっか・・・、遂に今日からか・・・。」

 そう一言呟いてベッドから起きると以前、深夜時間帯の入場許可証を取得するために王宮に行った時、アーク・ジェネラルであるニコフに渡された書類を見ながら必要な準備物を確認していった。

好美「服装は支給されるから私服での通勤が可能ね・・・。入場許可証と・・・、流石に武器は必要無いか。携行用魔力灯火・・・?懐中電灯で良いのかな、後はスマホに休憩用の弁当!!」

 弁当以外の準備を済ませると、好美は急ぎ内線で1階にいるデルアへと連絡した。

デルア(内線)「はいもしもし、1階「暴徒の鱗」です。」
好美「もしもしデル?!急なんだけど何か材料残ってない?!」
デルア(内線)「その声は好美ちゃん?!どうしたそんなに慌てて。」
好美「今日から夜勤の仕事なんだけどさ、弁当がいるのを忘れてて。余り物何か詰めてくんない?!」
デルア(内線)「本当に急だな・・・、でも任せとけ!!」

 その言葉を聞いた好美は『瞬間移動』で1階へと移動した。
 
 

 
後書き
 オーナーらしくない好美。 
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