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新オズのカボチャ頭のジャック

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第十幕その七

「そんなことを言って」
「自分は努力をしないままね」
「だからこんな人達は人に偉そうなことを言っても」
 そえでもというのです。
「大したことはないよ、すぐにね」
「そう、ボロが出るものだよ」
 教授も言いました。
「努力していない結果なんてハリボテだからね」
「全くだね」 
 ガンプは教授の言葉に頷きました。
「知識だってそうだよね」
「学問はまさにだよ」
「努力の積み重ねだね」
「ただその部分を観るだけでなく」
 教授はガンプに学問のお話をしました。
「そこに至るまでのだよ」
「読書やフィールドワークがだね」
「人のお話を聞いてね」
「授業とかだね」
「そうしてこそだよ」
「いいんだね」
「その部分を観るだけで知識を得ても」
 例えそうしてもというのです。
「けれどね」
「それでもだね」
「それは表面だけのことに過ぎないのだよ」
「大事なのは中身だね」
「そうなのだよ」
 教授はガンプに強い声でお話しました。
「本を何冊も確かに読んで」
「そうしてだね」
「フィールドワークで足を運んで」
「その目で観て」
「学んでこそだよ」
「本当の学問だね」
「中身が大事でね」
 まさにというのです。
「それがない学問なんてね」
「何でもない」
「その通りだよ」
「モーツァルトさんなんか凄いね」
 かかしはオズの国にもいるこの人のお話をしました。
「本当に」
「そうそう、あの人は天才って言うけれど」
 樵が応えました。
「才能以前にね」
「いつも作曲していてね」
「ピアノに向かって楽譜を書いてね」
「作曲していないと苦しい」
「そうまで言う人でね」
「オズの国に来てからも」
「ずっと作曲しているね」
 二人でその人のお話をするのでした。
「エジソンさんもだね」
「発明王と言われたあの人も」
「一パーセントの閃きがないと駄目というけれど」
「同時に九十九パーセントの努力もないとね」
「どうしようもないって言ってるから」
「結果だけを言う人はね」
「九十九パーセントを観ない人だよ」
 そうだというのです。
「ものごとのまさに表面だけ」
「それだけを観ていてね」
「何にもならないよ」
「そうだよね」
 かかしは樵の言葉に頷きました。
「本当に」
「その時は上手くいけても」
「やがて行き詰まるよ」
「何しろ中身がないからね」
「蓄積されたものがないから」
「そうなるね」
「間違いなくね」 
 かかしはまた言いました。
「そうなっていくよ」
「オズの国でも努力したらね」
「無限によくなっていって」
「何処までも上がっていけるけれど」
「それがね」 
「努力がないとね」
「上がられないよ」
 どうしてもというのです、そしてです。 
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