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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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復活

<レイアムランド>

ネクロゴンドの遙か南…ランシールの西に位置するレイアムランドには、伝説の不死鳥ラーミアの卵が奉られているという。
6つのオーブを集めたアルル達は、船にカンダタとモニカ等を警備の為残しレイアムランドの祠へとラミーアを求め辿り着いた。


祠の中には大きな卵を中心に、6台の台座が周囲を囲っている。
「うひゃぁ~…でっけー卵だな!目玉焼き何人分だろうか?」
「私はスクランブルエッグが好きですぅ!」
よく声の響く祠の中で、リュカとマリーがふざけた会話を繰り広げる。

「「ようこそいらっしゃいました勇者様」」
大きな卵の前で、2人の双子の美少女がこちらに振り返り、キレイにハモって歓迎を伝える。
「うぉ、双子だよ!ザ・ピーナッツ!!」
「お父さん、古い…もしかして、そのころ全盛期?」
「ちょ、失礼な娘だなぁ!知識として知っているだけだよ!だって昭和の名曲を数多く歌ってるじゃん!溜息が出る様な…」
「まぁ…『恋のバカンス』ね!」

「じゃぁ、マナ・カナって言えば合格点?」
「う~ん…まぁいいでしょ!ギリセーフで…」
他の者には全く理解出来ない会話をする父娘(おやこ)
「ビアンカさん…2人の会話を理解出来てます?」
「…いえ、シャクだけど全然!」
またも2人の伴侶が、悔しそうに相談し始める…

「「あの…話を進めても宜しいでしょうか?」」
困惑している双子の美少女が、声を揃えて尋ねてくる。
「あ?あぁ…ごめんごめん!双子が珍しくて、つい…」
自分の子供も双子なのだが、全然似てない(性格面が)ので思わず話題を広げてしまったリュカ。
「「私達は待ち続けてきました。世界を救う勇者様が、各地よりオーブを集め訪れる事を!」」
双子の美少女は台詞だけでなく、身振り手振りもキレイに揃えアルルの来訪を歓迎している。
「うわぁ~…ユニゾン…」
これはマリーの呟きである。

「「さぁ勇者様…6つのオーブを6つの台へと奉って下さい」」
「あ、はい!」
アルルは言われるがままに、オーブを1つずつ台の上へと置いて行く。
最後の台座にオーブが置かれた瞬間、6つのオーブが共鳴し輝き出す!
そしてオーブの輝きは、中央の卵へと移り飛ぶ!

「「私達、この日をどんなに待ち望んだでしょう!さぁ祈りましょう!時は来たれり…今こそ目覚める時!大空はお前の物…舞い上がれ空高く!!」」
眩く輝く卵は、双子の祈りの言葉に呼応する様に振動する。
次第に振動は大きくなり、それが表面にヒビを走らせる。
ヒビは広がり卵は割れ、中から白く大きな鳥が現れ、祠の外へと羽ばたき出た!
「「伝説の不死鳥ラーミアは蘇りました。ラーミアは神のしもべ…心正しき者だけが、その背に乗る事を許されるのです。さぁラーミアが外で、あなた達を待っています」」


アルル達は、促されるままラーミアの後を追いかけ外に出る。
するとそこには、美しい白い羽を纏った大きな鳥が、こちらを見つめ佇んでいる。
「うわぁー!でっかい鳥ー!!ちょ~可愛い!」
ラーミアを見た途端、リュカが飛び付きはしゃぎ出す。

「君のお名前は?………そう、ラミーアって言うの!う~ん可愛い!!ねぇねぇビアンカー!この子可愛いよぉ!連れて行こうよぉ!!」
ラーミアの大きな首に抱き付き、撫で回すリュカ…
ラーミアも心地よいらしく、目を細めで擦り寄っている。
「あの…リュカさん…ラー「ちょっとリュカ!そんな大きな子を飼う余裕はありません!食費が凄そうじゃないのよ!」
アルルがリュカへ、ラーミアと共に旅する為に、オーブを探し回った事を告げようとした時、ビアンカが大声で遮った!
リュカに抱き付き、アルル等の元まで戻ると、ペットを飼う事に反対したのだ!
しかし、実際はラーミアに嫉妬してしまっただけなのだが…

「え~……こんなに可愛いのにぃ~!」
「ダメよ!プックルを始め、他にも色々居るでしょ!」
「変化の杖で人間に化ければ、食費はかからなくなるかもね」
あまり深く考えずに言った台詞だった…
両親のアホなやり取りが楽しくて、思わず煽ってみただけだった…
だがマリーは、この両親の事を全て把握してはいないのだ。
「なるほど!マリーちゃんナイスアイデア!」
パチンと指を鳴らし、格好良くマリーを指差し褒めるリュカ…
そして再度ラーミアの元へ赴くと、変化の杖をくわえさせ話しかける。
「人間の姿を想像して、この杖を振ってごらん」
ラーミアはクェーと一鳴きすると、杖を加え豪快に振り回す。

すると瞬く間にラーミアの姿は変わり、幼い女の子の姿へと変化した…マリーよりも少し幼い少女へと。
「はわぁ!?ホントだ、ラーミア人間になったよ!リュカ、ラーミア人間になれたよ!」
「うわ…本当になれたよ…流石ファンタジー…」
少女の姿になったラーミアは、リュカに抱き付き喜びながら報告する…しかし冗談半分だったリュカは、流石に引き気味だ。

「あ~ぁ…リュカ、責任取りなさいよ!」
後ろではジト目で睨むビアンカが…
「リュカ!ラーミア、リュカ好き!ラーミア、リュカの為頑張る!」
いきなりラーミアに抱き付き、撫で回した事に絶大な効果があった様で、ラーミアはリュカにベッタリの様子だ。

「…では、ラーミアの事はリュカさんに一任する事にします。異存はありますか?」
「「「「「……………」」」」」
アルルがリュカに、ラーミアの世話を押し付ける…皆もそれに同意した。
首に少女ラーミアをぶら下げて、途方に暮れるリュカ…
すると双子の美少女が、祠から伸縮性のある大きなバンドを持ち出し、少女ラーミアの肩に斜めにかける。
そして変化の杖をバンドに括り付け、何時でも使える様にしてくれた。
この時、変化の杖はラーミア専用のアイテムになったのだ。
鳥の姿へ戻ると、首から変化の杖をぶら下げる形になる…



 
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