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夢幻水滸伝

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第二百九十六話 アメリカのバイキングその十二

「非道はせんことや、軍隊は賊とちゃう」
「そうですね、だからこそですね」
「乱暴狼藉はしない」
「戦いはしても」
「それでもですね」
「そこは守る、むしろ警察とな」
 治安を守るこの組織と、というのだ。
「同じ様なもんや」
「軍隊はそうですね」
「その実はですね」
「そう意識してですね」
「そうしたことはしないことですね」
「警官が悪事働いたらこんな恥ずかしいことはない」
 ホーソーンは言い切った、このことについても。
「それはな」
「軍隊も然り」
「軍人である我々も」
「悪事は働くな」
「むしろ正しいことをしろですね」
「恰好悪いことしたいか」 
 今度は将兵達にこのことを問うた。
「自分等」
「いえ、まさか」
「それは断じてです」
「したくありません」
「絶対に」
 将兵達も強い顔と声で答えた、はっきりとした否定であった。
「軍隊は恰好をつけるのも仕事です」
「それが誇りになります」
「だから軍服のデザインも意識します」
「武具や兵器についても」
「そうでありますから」
「恰好悪いことは悪です」
「そやな、わいも同じ考えや」
 自分自身もとだ、ホーソーンは答えた。事実彼はそうした考えでありそれで今将兵達に対しても言っているのだ。
「そやからな」
「恰好はつける」
「その為にもですね」
「乱暴狼藉はしない」
「絶対に」
「むしろ武器を持たない人達は守る」
 こうもだ、ホーソーンは言った。
「その考えで戦ってくで」
「わかりました」
「ではこれからもですね」
「そうした考えで戦っていきますね」
「我々は」
「そや、それでいくで」
 将兵達に戦の後で確かに話すこともした、そしてだった。
 ホーソーンは戦も行いつつ勢力を拡大させていった、そのうえで賊やモンスターも退けていったが。
 自ら海に出てモンスターを倒した時にだ、彼は右手に持っているトライデントを見てこんなことを言った。
「いや、海やとな」
「尚更ですね」
「トライデントの威力が凄いですね」
「川や湖でもそうですが」
「かなりのものですね」
「そやな、これが神具か」
 水軍の者達に軍艦の甲板の上で話した。
「凄いな」
「それ一つで戦局が変わりますね」
「モンスターの一群も一撃で倒しますし」
「凄まじい力です」
「艦隊すら倒しますし」
「ああ、海賊や川賊の艦隊もな」
 その彼等もというのだ、川賊とはそちらに出て来る賊で、海賊が淡水で活動するものと言っていい。
「津波や渦潮を起こしてな」
「一撃ですね」
「まさにそれで倒しますからね」
「船ごと」
「戦闘に使っても強いですし」
「陸でも強いが」
 こちらでも津波や激しい水流を出せるのだ。
「しかしな」
「それでもですね」
「やはりその神具は水ですね」
「そちらで使えばですね」
「最も力を発揮しますね」
「そうした神具やな、これは間違って使ったら」
 ホーソーンはこの場合のことも考えた、そのうえでの言葉だった。 
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