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ドリトル先生と山椒魚

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第十幕その四

「今の先生の年齢だとね」
「けれど今だとだよ」
 トートーも先生に言います。
「先生の年齢でも充分に結婚出来るし」
「全然遅くないから」
 それでとです、ホワイティも先生に言いました。
「真剣に考えてね」
「あのね先生、世の中先生より遥かに酷い人物凄く多いんだよ」
「人間の屑と言うしかない手合いも多いのよ」
 チープサイドの家族も言うことです。
「そんな人でも結婚してるのに」
「それで色々酷いお話になってるのに」
「先生みたいないい人が結婚しないでどうするのか」
 ジップは強い声で言いました。
「本当にね」
「もてないとか言うけれど」
「先生はそこで思考停止しているんだ」
 こう言ったのはオシツオサレツでした。
「何かとね」
「そこがよくないよ」
「もてないんじゃなくてもてると思う」
 こう言ったのはガブガブでした。
「自分は凄いからって」
「そう思ったらどうかしら」
 ポリネシアは先生に提案しました。
「ほんの少しでもね」
「先生ってどうしてもそうしたことは考えないけれど」
 チーチーもわかっていることです。
「そこも努力してね」
「そもそも外見や運動神経だけで判断するとか」
 もてないとです、ダブダブも思うことでした。
「僕が見てもよくないよ」
「皆そう言うけれど僕は本当に今で満足しているし」
 論文を書いて紅茶を飲みつつです、先生は微笑んでお話するのでした。本当にこうしたことでは変わりません。
「もてないんだから」
「やれやれだよ」
「まあそうした人だってわかってるし」
「それじゃあね」
「僕達も気長にいくよ」
「腰を据えてね」
「そうするんだ、何をどうするかわからないけれど」
 先生だけはそうでした。
「頑張ってね」
「そうするからね」
「何時か先生を今以上に幸せにするから」
「楽しみにしていてね」
「きっとだよ」
「そうするね」
 こう返す先生でした、そしてです。
 一休みしてインターネットでニュースをチェックしてこう言いました。
「阪神今年も強いね」
「二位に十ゲーム差以上つけてるね」
「今年も優勝間違いなしよ」
「本当に強いね」
「嬉しいことよ」
「投打が嚙み合っているからね」
 それ故にです、先生は笑顔でお話しました。
「だからだね」
「そうだよね」
「投手陣は抜群の安定感だし」
「しかも打線は絶好調だし」
「ダイナマイト打線がね」
「最下位巨人の倍以上はだよ」
 それだけはというのです。
「得点を上げているからね」
「巨人は本当に打たないからね」
「打率も二割台で」
「物凄い貧打線だからね」
「そこの倍以上得点していてもよ」
「おかしくないよ」
「球界の盟主と勝手に名乗って」
 先生は巨人についても言いました。 
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