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新オズのカボチャ頭のジャック

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第十幕その四

「最初は何もなかったでしょ」
「そうだったね」
「街も村もね」
「田畑も牧場もね」
「工場も湊もね」
「本当に何もなかったんだったね」
「それがよ」
 その状況がというのです。
「皆が頑張ってね」
「全てが備わったんだね」
「今お話しているものがね」
「だからこそ」
「私達もよ」
「何もない場所でも」
「頑張れば」
 そうすればというのです。
「凄いものがね」
「実るんだね」
「そうよ」
 まさにというのです。
「だからね」
「農業をしてもだね」
「とても豊かなのよ」
「どんなものもかなり実るんだね」
「作物一つ一つがとても大きくて」
 今度は作物自体のお話をします。
「美味いいのよ」
「南瓜にしてもだね」
「その中身がどっしりとしていてね」
 それ位あってというのです。
「そしてね」
「そのうえでね」
「そう、本当にね」
「食べても美味しいんだね」
「貴方の頭にするにしてもね」
 ジャックの頭を見てお話します、彼の南瓜のそれを。
「そうしてもよ」
「いい頭になるんだね」
「そうよ、それにね」
「それに?」
「以前より南瓜の質がよくなったでしょ」
「あっ、確かにね」 
 実際にとです、南瓜も答えました。
「言われてみれば」
「そうでしょ」
「僕が生まれた頃と比べたら」
 それこそというのです。
「今はね」
「昔よりもでしょ」
「ずっと出来がよくなっているよ」
「大きくなって中身が詰まっていて」
「これは食べてもね」
 そうしてもというのです。
「かなりね」
「美味しそうでしょ」
「そうだね」
 ジャック自身も思うことでした。
「食べてもね」
「美味しいのよ」
「そうなんだね」
「ただ沢山採れて土地もいいままなだけじゃなくて」
「作物自体もだね」
「質がよくしかもね」
 それだけでなくというのです。
「どんどんね」
「よくなっているんだね」
「オズの国ではね」
「成程ね」
「オズの国は果てしなくよくなっていく国でもあるのだよ」
 教授は自分達の国について誇らしげに言いました。
「常にね」
「今のままでも充分凄くてもだね」
「左様、そこからだよ」 
 ジャックにお話しました。 
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