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X ーthe another storyー

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第十六話 交流その十一

「いただきます」
「そうされますね」
「はい、そして」
 入浴を楽しんでというのだ。
「そのうえで、です」
「後はなのね」
「はい、お話もしましょう」
「テレビも観て」
「家族三人で」
 こう話してそうしてだった。
 征一狼は実際にだった、娘と一緒に入浴してだった。
 一家団欒の時を過ごした、彼にとってはそれがだった。
 何よりも代え難くだ、リビングに妻に話した。
「今日も楽しいです」
「そうなのね」
「こうしてです」
 妻にここでも優しい笑顔で話した。
「一緒に過ごせて」
「そう言ってくれるのね」
「はい、何度でも申し上げます」
 妻に笑顔で言葉を返した。
「このことは」
「私もよ。ではこれからも」
「ずっと一緒にいましょう」
 こう言うのだった、征一狼は家族との団欒に最高の幸せを見ていた。そしてその中で生きようと誓うのだった。
 火煉は焼肉を食べた後で教会に入った、そこで神父に言った。
「戻りました」
「はい、ではですね」
「今日お仕事はまだありますか」
「いえ、終わりました」
 神父は優しい声で答えた。
「ですから」
「ではお家に戻ります」
「そうされて下さい、ただ」
「はい、今はまだです」
 火煉は神父に答えた。
「戦いはなく」
「穏やかにですか」
「過ごせています」
「それは何よりです、ですが」
「ですが、とは」
「戦いがはじまろうとも」
 それでもとだ、神父は火煉に話した。
「貴女は死んではいけません」
「何があってもですか」
「はい」
 そうだというのだ。
「生きて帰って戦いの後で」
「幸せにですか」
「暮らして下さい」
「そうしていいのですね」
「ここは貴女の居場所です」
 やはりだ、神父の声は優しかった。ここでもそうだった。
「ですからここでそうして下さい」
「そうですか。私は神父様に出会えてよかったです」
 神父の心そこにある心に優しい笑顔で応えてだ、火煉は述べた。
「まことに」
「そう言ってくれますか」
「はい」
 まさにというのだ。
「あの時。母が亡くなり」
「貴女はこの教会に来られましたね」
「私の力を見ても悪魔と言われませんでした」
「貴女は悪魔ではありません」
 決してとだ、神父は火煉の今の言葉を否定した。
「あの時も申し上げましたね」
「目がですか」
「悪魔はあの時の貴女の様に悲しい目はしておらず」
 神父は火煉にさらに話した。
「今の様に澄んだ目はしていません」
「そうですか」
「ですから」
 それでというのだ。 
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