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新オズのカボチャ頭のジャック

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第九幕その十一

「何かね」
「子供の頃は気持ち悪いって言われて」
「畑を荒らすとか言われてね」 
 そうしてというのです。
「嫌われていて」
「大人になったらなのね」
「奇麗とか言われて愛されるなんて」
「おかしいっていうのね」
「だって同じ命だよ」
 ジャックは丁度目の前を通ったモンシロチョウを見つつ恵梨香にお話しました、その蝶々もとても奇麗です。
「僕達とね。それに子供が大人になった」
「それだけよね」
「全く同じなのに」
 それなのにというのです。
「子供の頃は嫌われて」
「大人になったら愛されるって」
「外見だけの違いじゃない」
「青虫も蝶々もね」
「子供が大人になった」 
 まさにというのです。
「それだけなのにね」
「子供の頃は外見だけで嫌われるのは」
「おかしいよ、畑を荒らすって言っても」
「キャベツの葉を食べてね」
「それもその生きものが食べる為で」
 その為でといいうのです。
「そんなにね」
「その生きものにとっては」
「悪いことじゃないのね」
「そうだよ、まだ畑を荒らすならわかるけれど」
「外見だけで嫌うことは」
「おかしいよ」
 このことはというのです。
「同じ命でしかも子供か大人かの違いだけなのに」
「嫌ったり愛することは」
「おかしいよ、蝶々が好きなら」 
「青虫もよね」
「愛さないとね」 
 そうしないと、というのです。
「駄目だよ」
「そうね、ジャックの言う通りね」
 恵梨香はジャックの言葉に頷きました、その間も皆お仕事をしています。
「蝶々の時だけ愛さないで」
「蝶々を愛するのなら」
「青虫もだよ」
「ちゃんとなのね」
「そうだよ」
 まさにというのです。
「本当にね」
「愛さないと駄目なのね」
「逆に子供の頃が可愛いと思って」
「大人になったら可愛くないということも」
「よくないよ」 
 こちらもというのです。
「その生きものを好きなら」
「子供でも大人でも」
「ずっと愛情を注いで」
「大事にしないと駄目なのね」
「僕はそう思うよ、あと数が増えても」 
 その場合もというのです。
「ちゃんとね」
「最初からいる子も」
「公平にだよ」
「愛情を注ぐべきね」
「そうだよ、贔屓とかしたらね」
「されない子が可哀想ね」
「そう思うよ」
 ジャックは言いました。 
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