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X ーthe another storyー

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第十六話 交流その九

「時々です」
「そうしていますね」
「最初はお互い警戒もして」
 その時のことも話した。
「尖っていましたが」
「今はですね」
「落ち着いてです」
 お互いそうなってというのだ。
「穏やかにです」
「お話出来ていますね」
「はい」
 そうだというのだ。
「有り難いことに」
「それは本当にいいことですね」
「僕もそう思います」
「穏やかならです」
 征一狼も笑顔で述べた。
「それに越したことはありません」
「そうですよね」
「先程の麒飼さんと同じで」
「穏やかならですね」
「いいです、それで神威君は」
「僕は来て欲しいと思います」
 こう征一狼に述べた。
「彼には」
「来るかどうかではないですか」
「そのことはわからないので」
「だからですか」
「こう言いました」
 征一狼に笑顔で話した。
「僕としては」
「そうですか」
「駄目でしょうか」
「いえ、構いません」
 征一狼はいつもの優しい笑顔で答えた。
「運命は人にはわかりにくいものですから」
「だからですか」
「それが夢見でおわかりになられるからです」
 それ故にというのだ。
「丁様は素晴らしいのですから」
「運命がわかるからこそ」
「僕達ではです」
 到底という口調での言葉だった。
「わからないのもです」
「当然ですか」
「考えてみますと、ただ予想は出来るので」
「僕の予想をですか」
「お聞きしようと思いまして」
「僕は予想もです」
 運命を見ることだけでなくというのだ。
「出来ないので」
「それで、ですか」
「はい」 
 それでというのだ。
「こうです」
「言われますか」
「はい、来て欲しいです」
「僕達の方に」
「そうすれば非常に頼りになる」
「そうした人になってくれますね」
「ただ天の龍としてだけでなく」
 征一狼に澄んだ目で話した。
「人としても」
「そうですね、彼が来てくれたら」
「有り難いですね」
「そう思います」
「本当に。ただ」
 ここでだ、玳透は。
 ふと考える顔になってだ、征一狼に言った。 
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