夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~
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㉒
前書き
各自の愛車に興奮する渚達。
-㉒ 写真撮影と調理開始-
2人が各々の車を並べ楽しそうに写真撮影している光景を羨ましそうに眺めていた光を見かけて渚が声を掛けた。
渚「何やってんだい、あんたも早く出しなね。」
光「いやあたしのは良いよ、軽だもん。」
渚「何言ってんのさ、軽でもあれは立派なスポーツカーじゃないか。」
光「じゃあ・・・、良いかな。」
促されるがままに『転送』で愛車のカフェラッテを並べた。
3人はスマホを構え太陽の光で輝く愛車達を連写していた。その光景を無免許の好美が1人ずっと指をくわえる様に眺めていた。
好美「いいなぁ・・・、楽しそうに・・・。車か・・・。」
渚「何言ってんの、好美ちゃんも早く入りな。」
渚はそう言うと好美を手招きし、4人で記念写真を撮ろうと提案した。即席でスマホ用の三脚を『作成』して設置するとセルフタイマーにして撮影を始めた。
念の為、撮影した写真を確認する。
渚「あれ?真っ暗だよ、やらかしたねぇ。」
光「母さん、インカメラになって無いじゃん。」
渚「あれらま、これは失礼。」
気を取り直してインカメラのセルフタイマーで撮影、楽しくなって来た4人は車もほったらかしてずっと撮っていた。いつの間にか三脚も自撮り棒に変わっている。
光「後半・・・、車関係なくなっちゃったね・・・。」
渚「いいじゃないか、思い出作りさね。」
好美「楽しかったな・・・、車か・・・。」
好美が免許取得を少しだけ検討し始めた頃、光はピューアのスルサーティーを眺めながら、そしてピューアは光のカフェラッテと渚のエボⅢを眺めながら何かを思い出していた。
光が渚に近付き、耳打ちで声を掛けると母は首を縦に振り娘の発言を肯定していた。その一方でピューアは思い出しきれないでいるらしい、一先ず4人は好美の15階へと向かう事にした。
各々の愛車を『アイテムボックス』と『転送』でその場から消すと、ビル1階のコンビニと拉麵屋の間を抜けてエレベーターへと向かった。
好美はエレベーターの指紋認証装置に親指を押し付け、行先ボタンで暗証番号を入力した。
電子音「認証しました、15階へと参ります。」
ピューア「初めて聞きました・・・。」
渚「そりゃ、本来大家の好美ちゃん以外は15階に行けないからね。」
光「そんな事言って『瞬間移動』で行ってるくせに。」
渚「ありゃ、バレてたかい。」
何気ない会話を交わしている間に好美の自宅(15階)に到着、エレベーターが開いた瞬間、好美の好みで造られた開放的な空間が広がった。
ピューア「凄すぎる・・・、私このマンションに住んで良いんですかね?」
好美「勿論、契約していますから。さて、こちらがキッチンです。良かったら私達にも手伝わせて下さい。」
キッチンへと移動すると、冷蔵庫から今朝捕れたばかりの魚介類の入った発泡スチロールを取り出し、そこから新鮮な鰹を取り出した。一般的な物は頭から尾に向けて体表に線が入っているが、この鰹は垂直に数本入っていて新鮮さを表している。
渚「綺麗な鰹じゃないか、これでどうするんだい?」
ピューア「少し準備に時間がかかるので先にたたきの準備をしようかと・・・。」
そう言うとその鰹を手早く3枚に卸し、半身の片方を皮を付けたまままた半分にした。もう片方は中骨辺りに包丁を入れ、そぎ取る様に皮から身を剥がす。
ピューアに頼まれた渚は皮を付けたままにしている方の半身の表面に塩をたっぷりと付けて冷蔵庫へと入れ、その傍らで光が冷え冷えの氷水を用意した。キンキンを保つため氷水にも食塩を少量加えている。
その横で皮を剥いだ方の半身をピューアが刺身にしていった、その横でピューアの指示通り好美が味付けとして醤油にマヨネーズと辣油を加えて混ぜる。
ピューア「鰹にはマヨネーズが合うので良かったらこれでお召し上がり下さい。」
後書き
実力は折り紙付きの様だ。
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