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星河の覇皇

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第八十三部第五章 謎の兵器の正体その十九

「階級は国家元首であられたのですから」
「かなり高いものですね」
「そちらを提供することになりますね」
「その時は」
「元帥です」
 八条は連合軍における最高の階級を提示した。
「やはり」
「元国家元首ともなると」
「その階級となりますか」
「大将どころか」
「それ以上ですか」
「今義勇軍の元帥はお一人です」
 義勇軍にも元帥は存在している、これは正規軍だけのことではないのだ。
「義勇軍総司令官ですが」
「その総司令官になって頂く」
「連合に来られたなら」
「閣下はそうお考えですか」
「そうも考えています、今の方も素晴らしい方ですが」
 それでもというのだ。
「そろそろご高齢で」
「後任者のお話が出ていますね」
「そのこともあってですか」
「若しアッディーン大統領が連合に来られたら」
「そして義勇軍に入隊されたら」
「その時はです」
 まさにというのだ。
「義勇軍総司令官、元帥にです」
「その役職、階級に就いてもらい」
「軍務に励んでもらいますか」
「その時は」
「はい、しかし戦争はです」
 アッディーンはこれまでその中で生きてきた、だがそれでもというのだ。
「連合ではです」
「起こる可能性は低いですね」
「それも極めて」
「辺境地域の賊やテロリストも掃討しました」
「領内のそうした勢力も」
「そしてエウロパとも今は衝突の可能性はほぼ零です」
「それならば」 
 技術部の将官達も言うことだった。
「今の連合は、ですね」
「戦争に至る可能性は極めて低いですね」
「ほぼないと言っていいですね」
「これからは」
「私もそう思います、ですから」
 それ故にというのだ。
「アッディーン大統領が連合に来られたなら」
「戦争に参加されることはなく」
「平和に生きられますか」
「軍人として」
「そうなりますか」
「そうかと。軍人といえど」
 戦場に出る職業でもというのだ。
「戦争がないに越したことはないですね」
「その通りです」
「それなら我々は命を賭ける必要はありません」
「規律を守り訓練を行い研究を続けていく」
「市民の方々とも交流を進めていく」
「災害派遣等はありますが」
「それでもですね」
 八条はまた言った。
「戦場に出ないことは大きいですね」
「若し戦場に出れば」
「確実に生命の危機を迎えます」
「それが戦争というものです」
「それがないのなら」
 軍人としてもというのだ。
「本音で申し上げますと有り難いです」
「まことに」
「やはり戦争がないに越したことはありません」
「それ以上のことはないです」
「そうですね、ですからあの御仁も」
 アッディーン、彼もというのだ。 
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