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ドリトル先生と山椒魚

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第八幕その八

「実際は四国にも鳥はいるし」
「そこでその言葉を鵜呑みにして」
「四国に鳥はいない」
「そう思って研究するとね」
「駄目ってことだね」
「そうだよ、学問に決め付けや偏見は禁物だよ」
 絶対に駄目だというのです。
「そうして考えて研究していかないとね」
「駄目だね」
「本当にそうだね」
「そうすると間違える」
「そういうことね」
「そうだよ、よく覚えておいてね」
 こう言うのでした。
「このことは」
「うん、わかったよ」
「僕達も覚えておくわね」
「そのこともね」
「ちゃんとね」
「だから僕は未確認動物も否定しないし」
 それにというのです。
「魔術や錬金術、オカルトもね」
「否定しないよね」
「物凄く熱心に研究しているよね」
「実際に」
「そうだよ、科学が万能でもないしね」
 先生はこのお考えもお話しました。
「決してね」
「そうだよね」
「この世に万能のものもないしね」
「それこそ神様以外にね」
「そうだからね」
「そうしたものはないと思って決め付けて」
 そうしてというのです。
「考えから排除したら駄目だよ」
「オカルトにしてもそうで」
「他のこともだね」
「学問の中で排除しない」
「そうしないと駄目だね」
「だって月に人はいたね」
 先生は皆にかつて月に行った時のことをお話しました。
「そうだったね」
「あれは驚いたよ」 
 ジップも言うことでした。
「まさか月から人が来て」
「そうそう、僕達が月に行ってね」
 チーチーも言います。
「そこでお仕事をするとかね」
「しかも月から地球に帰るなんてね」
 ダブダブも言いました。
「夢みたいなことだよ」
「けれど夢じゃなくて」
 それでと言うホワイティでした。
「本当のことだったしね」
「何しろ起きても月にいたんだから」
 それでとです、老馬も言います。
「夢じゃなかったよ」
「そうしたこともあったし」
「月に人がいたから」
 オシツオサレツはこの時も二つの頭で言います。
「どんなことも否定出来ないね」
「有り得ないと思っていることでも」
「いや、あの時の不思議な体験ときたら」
 ガブガブも月から人が来て月に行って帰って来るまでのことを思い出しています。
「絶対に忘れられないわ」
「他にも僕達は色々と不思議なことを経験してきたし」 
 トートーも言います。
「有り得ないとか決め付けて偏見を持つと駄目だね」
「実経験として言えるね」
「そうよね」
 チープサイドの家族もお話します。
「学問においては禁物で」
「他のことでもそうだね」
「あらゆる可能性を考える」
 ポリネシアの言葉はとても理知的なものでした。 
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