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夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~

作者:佐行 院
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前書き
 どうしてパルライは「暴徒」を選んだのだろうか。 

 

-⑯ 業務提携における提案-

 大将・シューゴは不思議で仕方が無かった、どうして1国の王が拉麵屋を経営して自分の店と業務提携を結ぼうと考えたのだろうか。
 前者の疑問は本人の発言で解決したがどうして自分の店と?

パルライ「理由はシンプルですよ、プライベートで数回食べに来た時全てのメニューが美味しかったので。実は丁度、この国に支店を出したいと思っていたのですよ。」
シューゴ「お褒め頂き光栄でございます。」

 1国の王を前にどうしてもいつもの調子が出ず、腰を低くしてしまうシューゴ。しかも自分達の商品を素直に「美味しい」と言われた事が本当に嬉しくなっていた。その王が自ら業務提携の提案・・・、願ったり叶ったりだ。勿論、断る理由はない。

シューゴ「謹んでお受けいたします。」
パルライ「やめて下さいよ、これからは共同経営者、いや仲間ですよ。フランクにお願い致します。」
シューゴ「では、どういたしましょう・・・。」

 頭を抱えるシューゴ達の前に雑貨屋店長のリッチ・ゲオルが突然現れた、その姿に驚いていたのはどちらかと言えば王の方だ。

ゲオル「こんにちは、明かりがついてたので入ったのですが店やってますか?」
シューゴ「あ、ゲオ・・・。」
パルライ「師匠!!」

 ネクロマンサーであるパルライは偉大なリッチであるゲオルの魔力を受け、必死に魔法の修業をしていた身なのだ。

ゲオル「パルライじゃないか、何でここに・・・。どうやら俺いちゃ駄目な空気だね・・・。」

 その場の雰囲気を察した大魔法使いがすぐにその場を後にしたので2人は業務提携についての話し合いを続けた。

パルライ「えっと・・・、どこまで話しましたっけ?」
シューゴ「これから私達は共同経営者で、フランクに行こうとおうさ・・・、いやパルライさんが丁度仰って・・・。」
パルライ「ははは・・・、フランクになりきれていませんよ。もう私の事を王と思わないで下さい、良ければ呼び捨てでも構いませんよ。」
シューゴ「恐れ多いですが・・・、パルライ?」

 シューゴが試しに呼んでみると目の前の共同経営者はにこやかに笑った。

パルライ「うんうん、これからよろしくシューゴ。」

 それから暫くの間2人の話し合いは続き、いつの間にか2人は昼間から堂々と友達の様に朗らかに呑んでいた。2人共調理場で呑む立派なキッチンドランカーだ。
 提携するに当たってパルライから何点か提案があった。店名を合体させる事と、お互いの料理を各店舗で提供する事。酒の助けもあり、シューゴは即座に王の提案を採用した。
 
シューゴ「お前、準備良すぎねぇか?俺が断ったらどうするつもりだったんだよ!!」
パルライ「いやいや、俺はお前を信じていたからよ。やっぱり俺の目は間違っていなかったぜ。」

いつの間にか、シューゴは1国の王であるパルライと同様にお互いを「お前」と呼ぶほどになってしまっていた。
 パルライは勢いに任せ、魔力で店の内装をガラリと変えてしまった。危うく上の階層のマンションまで変えてしまいそうだったので急いで止めた。
 ただ、渚が設置した設備は基本的にそのままの状態で留めてあるのでシューゴは一先ず安心した。

シューゴ「はぁ・・・、お前いくら何でもやり過ぎになりかけてたぞ。」
パルライ「悪い悪い、たまに魔力を抑えきれない時があるんだよ。でもその代わり・・・。」
渚「ちょっと、いきなり屋台の柄や店名が変わっちまったんだが!!」

 そう、意外と行動が速いパルライが「暴徒」本店やバルファイ王国にある「龍の鱗」本店や2台の屋台までもガラリと変えてしまった。新たな店の名は「暴徒の鱗。」

パルライ「明日からお互いのメニューを教え合おうや、だって俺らこんなんだから。」

 そんな中、その裏でマンションの住人を対象とした従業員面接が進んでいた。
 
 

 
後書き
 良き従業員が見つかれば良いのだが。 
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