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仮面ライダーファイズ 小さな星の話

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第六章

「やっぱり生きていたんだね」
「お互いな」
 草加は激しい憎悪に満ちた目で彼を睨み据えていた。
「あの時のこと、忘れてると思っちゃいないよな」
「勿論さ」
 木場もそれに答える。
「なら話が早い。借りを返させてもらう」
 カイザのベルトを着ける。携帯のボタンを入れる。すると電子音がした。
「スタンディングバイ」
「変身」
 草加は携帯を前にかざす。持っているところをあえて見せて腰のベルトにセットした。
「コンプリート」
 また電子音がした。黄色の光の筋が数条身体を覆い変身した。カイザであった。
 木場の姿も変わっていく。ホースオルフェノクになった。
「さて」
 草加はまずは右手で首のネクタイを絞める動作をしてきた。
「行くか。一撃で仕留めてやるぜ」
「こちらも。因果は終わらせないといけない」
 木場も言う。
「だから」
「死ね」
 草加はいきなりブレイガンを放った。それで一気に撃ち抜こうとした。
 しかし木場は右に飛んでそれをかわす。そのまま剣と盾を手にカイザに向かう。
「うおおおおおっ!」
「甘いっていうのかな」
 草加はその動きを見て呟く。
「動きが見え見えなんだよ!」
 そう言ってブレイガンの剣で切ってきた。逆手で下から上に一閃させる。
 だが木場の動きも速かった。彼等は同時にお互いの胸に攻撃を受けてしまっていた。
「ぐわっ!」
「うおっ!」
 木場と草加は同時に声をあげる。しかし先に起き上がったのは草加であった。
「どうした?前より弱くなってるんじゃないかな」
「何?」
「この程度じゃカイザはやられない。覚悟するんだな」
「くっ!」
「じゃあケリをつけるぜ」
 脚にポインターを装着させてきた。
「これでな。トォッ!」
 跳んだ。空中でロックオンする。
 黄色の光が木場を捉えた。そのまま両足で蹴りを放つ。
「うおおおおおおおっ!」
「木場!」
「木場さん!」
 乾達はそれを見て声をあげる。だが木場は立ち上がっていた。
 そして反撃に転じる。剣を渾身の力で横に薙ぎ払う。
 攻撃は相打ちであった。草加も木場も大きく後ろへ弾き飛ばされた。その際カイザのベルトが外れ草加は下の姿に戻ったのであった。
「くっ、まだだ」
 しかし草加はすぐに起き上がる。やはり何かおかしかった。
「乾」
 三原が彼に声をかけてきた。
「どうした?」
「草加の身体能力があがっていないか」
 彼は言う。
「どう思う?」
「そういえば」
 乾もそれに気付いた。
「あいつ、前よりもずっと」
「それに耐久力も。前からかなり高かったけれど」
「まるで俺達みたいだ」
 彼はここで言った。
「そう、まるで」
「ここで御前は倒してやる!化け物が!」
 草加は激昂した。するとその顔が見る見るうちに変わり灰色の身体になっていく。何と彼もまたオルフェノクになってしまったのであった。
「何っ!?」
「草加さんが」
 乾と啓太郎が思わず声をあげた。
「何っ、オルフェノクの因子じゃなくてオルフェノクになっただと」
「馬鹿な、君がオルフェノクだと!?」
 木場も我を忘れて思わず声をあげる。
「そんな馬鹿な」
「クっ、こういうことだったのかよ」
 草加は己の禍々しい手を見て言う。見ればその姿は鮫のものであった。シャークオルフェノクとでも言おうか。尖った顔に鋭い無数の牙を持っている。
 
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