夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~
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⑮
前書き
転生者が故に思いついた作戦とは。
-⑮要人との業務提携-
渚は考えた結果『複製』というスペルを『作成』してみた、朝シューゴや一秀からその日の醤油ダレを受け取り必要に応じて『複製』する。これなら醬油ダレのレシピは門外不出のままを保てる。キムチ等の材料も揃えると、渚のアイデアで生まれた人気メニューの「特製・辛辛焼きそば」も無事に作れそうだ。
そんな中、シューゴの電話が鳴った。本人曰く見た事の無い番号の様で、新店の従業員面接の連絡かなとスピーカーに切り替え電話に出てみる事にした。
シューゴ「もしもし、シューゴです。」
男性(電話)「もしもし、突然のお電話失礼致します。拉麺「暴徒」様のご主人様でしょうか。」
シューゴ「はい、そうですけど。」
通話を聞きながら屋台の2号車に乗る女将が冷や汗をかいて呟いた。
渚「今更だけど何て店名だい、まぁ本人がバーサーカーだから仕方ないか。」
一「性格は全く「暴徒」っぽくはないけどな。」
横から声を挟んだ一に驚く渚。
渚「あんたいたのかい!!」
一「最初からいたわ!!」
そんな2人を横目に通話を続ける大将、どうやら面接以上に大変重要そうな電話らしい。選択を誤れば騒動が起こる可能性がある。
それを察したのは『瞬間移動』してきた光だった。
男性(電話)「すみません、突然のお電話失礼致しました。私「龍の鱗」という拉麺屋をやっておりますパルライと申しまして今回「暴徒」様と業務提携をさせて頂けたらなと思いまして。」
シューゴ「パルライさん・・・、どっかで聞いた事があるな・・・。ただね、今業務提携どこ・・・。」
光「大将、ちょっと待って!!電話保留して!!(念話)パルライさんお久しぶりです、光です。今「暴徒」のご主人と電話されているのってパルライさんご本人ですか?」
パルライ(念話)「お久しぶりです、勿論私本人ですけど。どうされました?」
光(念話)「いや、それが分かれば大丈夫です。」
電話を保留させてから目の前で沈黙を続ける光に業を煮やした渚が声を掛けた。
渚「光、何をやっているんだい。ずっと黙ってて。」
光「ごめん母さん、この電話ただ事じゃないと思ってね。大将、これ提携しないと大騒動になります。理由は後で説明しますから早く!!」
シューゴ「わ、分かりました。大変お待たせしました、喜んで業務提携させて頂きます!!詳細は後日・・・。」
パルライ(電話)「ありがとうございます、またお店にお伺いさせて頂きますので宜しくお願い致します。」
光はパルライの心の広さに感謝していた、隣国の王をずっと待たせていたのだ。正直、失礼極まりない。
光の言動の訳が分かっていない渚が説明を求めた。
渚「あんた、そろそろ私達にも分かる様に状況を言わんかい。何で別の拉麵屋との業務提携を勧めたんだい?」
光「母さん達・・・、まだ分からないの?今の相手のパルライさんは隣国・バルファイ王国の国王様だよ、もし「提携しない」って言ってたら「王命に背く」って言う事だからこの先どうなっていたか・・・。」
光の言葉により事の重大さをやっと理解した渚達、数秒程沈黙すると全員顔を蒼白させていた。
渚「危なかったね・・・、それにしても何で1国の王様が拉麵屋なんてしているんだい?」
光「それはね・・・。」
光の言葉を声に覚えのある男性が遮った。
男性「普段は王政を分身の鎧で行い、派手な事が苦手な自分は身を隠していますので。」
光「パルライさん、びっくりしたじゃないですか!!」
渚「普段は例の鎧でのお姿しかお見かけしたことが無かったけど、この方が・・・。」
シューゴ「バルファイ国王・・・。」
パルライ「あはは・・・、どうも・・・。」
後書き
突然の王の登場に焦る一同。
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