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弱い巨人最高

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第三章

「あの国にだけは生まれたくないな」
「この学校世界中から人来てるけど」
「八条学園ってな」
「保育所からそうだけれどな」
「それでもな」
「北朝鮮だけはないしな」
「他にも大変な国はあるけれどね」
 寿は北朝鮮以外の国の話もした。
「スーダンとかね」
「アフリカの国ってそうした国あるよな」
「コンゴとかナイジェリアとか」
「本当に大変らしいな」
「そうした国と同じ位ね」 
 まさにとだ、寿は話した。
「あの国は酷くて」
「大変だよな、生まれたら」
「その時点で」
「本当にな」
「そうだよな」
「そして巨人はその北朝鮮だよ」
 日本のとだ、寿は言うのだった。
「まさに」
「本当にそうだな」
「日本の北朝鮮だよ」
「独裁体制でやりたい放題の」
「極悪チームだよ」
「そんな極悪チームをやっつけないと」
 寿は言った。
「駄目だよ」
「全くだな」
「そう思うと昨日の負けは駄目だな」
「西さん普段通りに投げて欲しかったな」
「それにスリーランは余計だったな」
「巨人相手には完全試合して」
 寿は自身の希望を語った。
「十点以上取って勝ちたいね」
「全くだな」
「僕もそう思うよ」
「巨人相手には圧勝してもらいたいよ」
「野球なんて知らなかったらよかったって相手が思う位」
「そこまで勝って欲しいよ」
「あのチームには」
「そう思うよ、しかしね」 
 ここでだ、寿は急にだった。
 笑顔になって瘴気を消して目も普段のものに戻してだ、こんなことを言った。
「最下位だからね、今の巨人」
「同率でな」
「中日がもっと頑張ってくれたら」
「巨人単独最下位だな」
「それが見えて来るな」
「その状況はいいよ」
 巨人が最下位であることはというのだ。
「本当に]
「全くその通りだな」
「巨人は弱くていい」
「万年最下位が一番だ」
「というかそうなれ」
「何が球界の盟主だ」
「何時まで盟主のつもりなんだか」 
 こうした言葉も出た。
「そんなの最初からないよ」
「だからそれ自称だろ」
「巨人が勝手に言ってただけだよ」
「強かった時期に」
「過去の栄光だよ」
「それにしがみついてるだけだよ」
「僕もそう思うよ、というか確信してるよ」
 寿はそうだった。 
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