夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~
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⑪
前書き
光様様で進行する歓迎会。
-⑪ シューゴの新たな戦略-
光の万舟券による柔らかな肉と家庭菜園で採れた野菜を、100%光のお陰で楽しむ一行の下に仕事を終えた林田署長が家族を連れやって来た。
全員の両手には光の牛肉に負けない位の美味さを誇る豚肉を抱えている。どうやらどれもブランド豚の物らしく、全員期待に胸を膨らませていた。
光「警部さん来てくれたんですか?」
林田「光さん嫌だな、今の僕は署長ですよ。」
光「忘れてました、ごめんなさい。」
すると横から同行してきた男女が割り込んできた、男性はハーフ・ドワーフで女性はアーク・エルフらしい。そう、署長の息子である林田利通とドーラ林田だ。
好美「あれ?ギルドのお姉さんだ。」
ドーラ「あら、覚えててくれたのね。私林田家に嫁入りしたのよ、それにいつもは受付嬢してるけど本当はネフェテルサ警察の警部補なのよ。」
利通「そして俺が夫で警部の利通、よろしくね。」
夫婦が自己紹介をしている間に光が厚めに切った豚ロース肉を塩コショウでシンプルに味付けして焼いていた、そしてまた良い香りが辺りを包んでいた。
網目状に焦げ目が付いた豚肉に齧り付くと甘い脂が食欲をそそった。飽きが来ない様に味変として用意した味噌マヨネーズも好評で林田家が持って来たロース肉はすぐに無くなってしまったので次は肩ロースに移る事にした。市販のタレに漬け込んで生姜焼きにしていく。一緒に持って来ていたバラ肉は塩で味付けして釜を作り替えた燻製器へと入れ、ベーコンを作る事にした。
因みにご飯はお櫃に入れて保管している。
そんな中、光の真後ろから男性の声が聞こえたので驚きを隠せずにいた。
男性「おや、今回は魚介類が無いようですね。ちょっと買って来ます。」
光「誰?・・・、ってあれ?いない。」
声の正体はすぐに消えてしまい、光は誰が来たのかを確認が出来ずにいた。しかしすぐにどうでも良くなり、再び肉に集中した。しかし口の中が脂っぽくなって来たので家庭菜園からレタスを持って来ると洗ってすぐに齧りついた。横でその光景を見ていた渚が少し引いていた。
渚「あんた・・・、切らないでよく食べれるね。女捨てたんじゃない?」
光「レタスは金属を嫌うからこれが一番良いの。」
渚「あ、さいですか。」
その瞬間、先程の男性がビニール袋を手に戻って来た。どうやら正体は雑貨屋の店長でリッチのゲオルだ。
ゲオル「今日は敢えて干物にしてみました、鯵とホッケの開きです。焼いた時の脂がたまらないですよね、ご飯ってまだありますか?」
光はお櫃を確認すると白飯は空っぽになっている上に、釜は今燻製を作っているから使えない。
一先ず光は同じ米という事で日本酒を勧める事にした、その間に炊飯器で急いで炊いて渡せば大丈夫だろうと思ったからだ。光は今までに無い位の勢いで米を洗うと一気に炊き始めた。本当は30分程つけ置きしておきたかったが致し方無い。
一方、いつも夜勤で昼夜逆転生活をする好美にとって就寝する時間帯となっていたが楽しすぎて関係なくなってしまっていた。それもそのはず、好美が試しにと『状態異常無効』のスキルを『作成』していたからだ。好美は改めて『作成』を授けてくれた神様に感謝した。
生姜焼きや干物の焼ける良い匂いが食欲を誘い始めた時、家から炊飯終了を知らせるアラームが鳴った。
光「ちょうど良かった・・・。」
そう呟くと炊き立ての白飯をゲオルに渡し事なきを得た。丁度その頃ベーコンが出来上がり、燻したての物を網の上で焼くと上質な脂が浮かびまた食欲をそそった。好美はここにいるだけでかなりの幸せ者になった様だ。最高の歓迎会は深夜まで続いたという。
次の日の朝、渚は楽しかった思い出の余韻に浸りながらシューゴの店へと向かった。
渚「大将、おはよう。話ってなんだい?」
シューゴ「おはよう、実はこの店の深夜営業を始めようと思っていてね。ウチって基本的に屋台も合わせて全部朝から昼か夜までの営業じゃん?最近「深夜にも食べたい」っていうお客さんの意見が多くてね、どうしようか渚さんに相談しようと思っていたんだよ。」
後書き
シフトはどうするつもりなのだろうか。
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