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要望が多かったので

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第二章

「水道局にいたから水道で」
「ずっとここで教育受けていて」
「そっちもだけれど」
「片親の家庭のフォローは」
「要望が多かったんだ」
「そうなんだ」
 これがとだ、泊里は話した。
「最近ね」
「そうだったの」
「最近この市でもね」
「片親の人がなのね」
「困窮したりしていて」 
 それでというのだ。
「そのことを見た人達やご本人さん達からね」
「市の行政としてなのね」
「何とかして欲しいってね」
 その様にというのだ。
「要望がね」
「来ていたの」
「結構ね、要望が来たら」 
 市の者達からというのだ。
「それに応えるのがね」
「市会議員ね」
「政治家だからね」
「逆に要望がないと」
「気付かないこともあるからね」
 妻に難しい顔で話した。
「政治家も」
「そうなのね」
「自分で気付いて動くこともあるけれど」
「気付かないこともね」
「どうしてもあるからね」
「人間ってそうよね」
「言われて」
 この場合は市の者達の要望があってだ。
「それでだよ」
「気付くわね」
「そうなるものだから」
「あなたも気付いたのね」
「そうだよ、声をあげるつまり」
「議員さんに要望を出すこともなのね」
「政治、民主政治なんだよ」
 こう言うのだった。
「そのことも実感しているよ」
「あなたにしても」
「議員になって実感しているよ」 
 こうも言うのだった。
「水道局に務めていて」
「街の水道の問題に気付いて」
「支援者の人達もいてくれてね」
 自分の言うことにだ。
「当選してね」
「実際にそちらのことで動いて結果を出したし」
「教育でも。それで堤防や橋でもね」
「結果出しているわね」
「けれどね」 
 それでもというのだ。
「片親の人達のことはね」
「要望があって気付いて」
「これはしないといけない、それにね」
 泊里はこうも言った。
「そうしないと選挙でもね」
「そうした人って思われてね」
「票が入らなくなってね」
 そうしてというのだ。 
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