プロパンガス爆発リア充しろ【完結】
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「仲人の罠:政府のパートナー計画に陥る」
「なんだよ一体!何で僕だけ触れないんだ!それにさ、君の格好さ、明らかに変だよ!」真崎が抗議すると、「はあ、それはですね……」と、溜め息混じりに、少女は真崎の方に近づき始める。そして、ある程度近づいた瞬間、少女の全身に電流のようなモノが走ったのが見て取れた 真崎は慌てて後ずさりして離れようとするが、今度は後ろの壁まで後退してしまい、これ以上下がることが出来なくなってしまった。それどころか先程よりもさらに強い電気のようなものが体に走る
「痛い!」真崎が思わずそう叫ぶと、「当たり前です。これは一種のスタンガンなのですから、痛みが無い方がおかしいというものです」
と言いながら再びゆっくりと少女は真崎に近づいていく。「うわああ!」という叫びを上げ、壁伝いで少女から離れるがすぐに少女が回り込んでしまうので意味がない。真崎の背中にひんやりと冷気を感じる。少女がすぐ真後ろまで来てしまったのが分かった。少女はそのまま後ろから抱きつくと、そのまま体を捻る いわゆるベアハッグに近い体制だが、腕をしっかりと回して固定しているため逃れることはもちろん、身動きを取ることすら困難になってしまう
「ぐ、ぐうう」苦悶の喘ぎを漏らしながらも真崎は必死に逃れようともがくが、「無駄なことはやめた方がいいですよ。下手に抵抗をしても怪我をするだけで得をすることはありませんし」と言う少女の声は淡々としていた。そして真崎は、徐々に薄れ行く意識の中「誰か、た、すけ」と、力なくつぶやくのが精一杯だったが、すでに遅かった
「だから言ったでしょう。無駄だって」
そして、真崎は気絶してしまった。
「全く手間をかけさせないで下さいよ。でもまあいいんですけど」と、少し寂しげに言う少女。「う、うーん」と、気絶している真崎が目を覚ます。
どうやら、椅子に縛られているようであった 周りはコンクリートで覆われていてとても薄暗い、どこかの地下室のように見える 部屋の大きさは20畳ぐらいあり、天井が異常に高い 床を見るとそこには赤黒い染みがあった。まだ乾き切ってはいない。つまりは、そういうことだろう…… するとそこに、「おはようございます、真崎さん。気分の方はいかがですか?」と、後ろを振り返ると、そこに立っていたのは先程の女の子、小鳥遊であった 服装は変わっておらず、白いブラウスに青いネクタイに膝上の紺色のスカートを穿いていた
「なんでこんなところに居るか分かりませんが、とりあえず、降ろしてもらえると有り難いのですが……」「嫌です」と、真崎の言葉はバッサリ切り捨てられてしまう
「それより質問にお答えいただけないでしょうか?体調はいかがですか?」「最悪です。こんな状態で体調が良い訳ないじゃないですか」と、ふてくされながらも真崎が答える
「あらあら、ご機嫌を損ねてしまいましたか、申し訳ありません」と言いつつも真崎の拘束を解く気配はまるで感じられなかった
「別に、怒っちゃいないさ。ただこの状況が理解出来ないだけだ」
すると小鳥遊は嬉しそうな笑みを見せると「やっぱり優しいのですね」と、言いつつ真崎の頬を撫でる
「っ!?」突然の出来事に動揺する真崎に「フフッ、かわいい反応をされるのですね」と、いたずらっぽく笑う
「えっと、そろそろこの縄を解いてもらえないか?」と、真崎が頼むと「嫌です」と、またしても即答されてしまう
「あのさ、君の目的は何なんだ?」と、尋ねると、しばらく沈黙が続く
「目的、ですか。そうですね、あえて言えば真崎さんの事が知りたい、というところでしょうか」「僕の事を知りたいって、どういうことだ?」と、真崎が聞き返すと「それは内緒です。それよりも、もっと楽しい話をしましょう」と、微笑む
「君は捕縛趣味のある変質者か何かか?そんなに人を縛りたいなら自分で首を吊ればいいだろう!いい加減にしろ!」と、怒鳴るが「そんなに声を荒げなくても大丈夫ですよ。私は真崎さんに危害を加えるつもりはありませんから」と、あくまで冷静だった
「じゃあ何のために僕をこんな目に遭わせるんだ!」と、怒りに任せて叫ぶと「さっきも言いましたが、真崎さんの事を知るため、そして真崎さんに私の事を分かってもらう為です。その為には、まずお互いをよく知る必要があると思いまして。私達、友達になりましょう!」と、満面の笑顔で手を差し出す
「誰がお前なんかと友達に」と、ガブリと指先に噛みついた。歯形から血が出た。しかし、それでも真崎の口元は緩んでいた
「痛いじゃないですか。酷い人。真崎さんは本当に意地悪なんですから。そんな悪い子にはおしおきが必要ですね」と、スカートの中に手を入れると、パンツを脱いだ
「な、何やってんだよ!」
縛られたまま上体をひねり頭突きをお見舞いする。「きゃっ」と、よろけると、真崎の口元を覆っていた布を外した
「何考えてるんだ!」
「何って、おしおきですよ。真崎さんがいけないんですよ。そんなに可愛い顔してるのに」
「うるさいうるさい!」真崎は相手の腕を噛んだ。そして小指を力任せに嚙み千切ってやった。「あぁ、真崎さんったら。なんて乱暴なんでしょう」と、痛みを感じていないのか、それとも演技なのか、平然としていた
「真崎さん、真崎さん」と、名前を連呼しながら真崎の身体をまさぐる。そして「ここ、…」
その時、真崎は壁のフックを発見した。傘か靴ベラでも掛ける場所だろう。ちょうど相手の後頭部と同じ高さにある。
身もだえするふりをして真崎は思いっきり相手の顔面を蹴飛ばした。ぐしゃっと何かが割れる音がした。壁のフックは深々と相手のうなじに突き刺さっている。ちょうど大動脈を破ってしまったらしく鮮血がぴゅうと噴き出した。「おい、どうした。しっかりしろ!」
返事はない。代わりに口から泡を吹き始めた。
「うわあああっ!!」
真崎は叫んだ。そして、その勢いでドアノブを捻ると、廊下に飛び出た。そして、そのまま走り続けた。
「はあ、はあ、はあ」
息が切れて立ち止まると、壁に背中を預けて呼吸を整えた。
「はあ、はあ、はあ、はあ」
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