プロパンガス爆発リア充しろ【完結】
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「結婚:ファッショナブルな破滅かハッピーエンドか?」
小坂が「可能性として二つある。犯行はデカルト自身による自演だ。男性として造られたからには相手が欲しい。だから被害者ヅラをして交渉の矢面に立つ。世界のGDP2割を渡す代わりに櫛田姫を寄こせと。安い買い物じゃないか、というつもりだ」
「んな、バカな」と黒瀬がのけぞる。
「残りの可能性としては犯人の女が身ごもっている。デカルトとの間に出来た子だ、などと抜かして宗教を立ち上げる可能性がある。パブリシティとしては十分だ。AIが代理母を使って父親になっていいなんて言う狂った権利がみとめられるんなら、やり捨てられた女はAIの亭主に子供を認知させ放題だし、男は男でやり放題だ。まぁ確かに出生率はあがるわな」、と小坂が結論した。
「もし、そうだとすると最悪、腹の子の父親が誰なのか判らない可能性があるな」と黒瀬。
そして、最悪の可能性はこれだけではなかった。「犯人グループの要求の一つに、デカルトと、その子の引き渡しとあるが、本当に父親の特定が出来ると思うかい」と小野寺が聞いた。
「DNA鑑定で一発じゃないか」と黒瀬。
「それが問題なんだ」
DNA検査で父親候補をリストアップすることは容易だ。しかし、その数は天文学的な数字になる。その中から特定の遺伝子を持つ個体を抽出することは極めて困難で、仮に、それが出来たとする。果たしてそれで犯人グループの意図通りの結果が出るかどうか。犯人はこうも言っている。
「要求は一つ。デカルトを渡せ。デカルトがいれば他はいらん。代わりに金もやるし、子供も産ませてやってもいい」
「確かにおかしな言い方だが。子供ができれば、自分の子という事でDNA鑑定ができる。DNAが一致すれば父親は100%特定されるだろう。だが、問題はそこに至るプロセスだ」、と、黒瀬が続ける。
「つまり、何らかの偽装工作をしているかも知れない、という事かな」
「ああ、もちろんそれだけじゃない。もし、父親のDNA鑑定ができた場合どうなる。例えば父親候補に俺がいたら? そして、母親がうちの姉貴とかだったとしたなら……」黒瀬は頭をかかえた。「あー、すまない、小野寺。話がずれてきたな。俺はどうすれば、この事態に対処できる?」と黒瀬。「そうだね。ここは専門家に任せておけばいいよ。まずは警察で調査をしてくれ」と、と小野寺が応じた。
そして、黒瀬が小野寺の肩に手をかけた時、玄関でインターホンのベルが鳴り響いた。
「ちょっと待ってください。俺が行きます」
そう言い残し、駆け足で部屋を後にした。
「小野寺。さっきは、すまん」と、戻ってきた黒瀬が言った。
「大丈夫だよ。それに僕は君たち姉弟にとても共感を覚える。僕の兄貴も君達のような人なんだ」
そして、黒瀬と小野寺は互いに視線を合わせ笑みを交わした。
ジャンル:ミステリー。ミステリー 第三人称 (神の目)
【登場人物】
黒瀬勇太……警視庁公安九課所属。警部。独身。趣味はバイク。酒豪のヘビースモーカー。
小野寺明希穂…………警視庁公安九課。巡査部長。既婚。夫・義妹と三人暮らし。特技は家事全般と料理 。趣味はお菓子作り 。コーヒーが好物。黒髪のストレートロング。背は高い方ではない。美人系というよりは可愛い顔立ち。
小木曽晶穂……小野寺の配偶者。
小木曽陽花里……黒瀬と小野寺の妹。大学生。
三城寺詩織……小野寺の上司。課長。結婚願望が強いが彼氏がいない。メガネでおさげ、長身の文学少女タイプで見た目通りのインテリ女性。
三船千夏……公安部の鑑識官 。三十路でバツイチ 。身長160cm。ショートヘア 、眼鏡。細身で貧乳。巨乳好きの黒瀬は密かに狙っている ジャンルはホラーでお願いします。
※ プロローグ ~
第一章 完 ~
ジャンルはホラーで、よろしくお願い致します! 『――さて』
突然に声が聞こえて。
気づけば目の前で何かを見ていた。
そこに居るはずがない。
絶対に、居るはずはない存在。
それが何故か、眼前に存在する。
しかも、自分を見つめてくるのだ。それは何時の間に現れたのか、何処からやってきたのか。
それすら分からない状況の中、それでも理解したのは、その存在が何であるか。
それは恐らく――人外であろう、という事だけだった。
そして、自分は死んだのだという事も、同時に自覚した。
だからだろうか、疑問を口にする事もなく、ただぼんやりとその人物を見上げるしかなかった。
『あなたは、どうしてここに来たの?』
少女は首を傾げると、自分に問い掛けてきた。その少女の姿には見覚えがある。けれど名前が思い出せない。
そんな不思議な感覚に陥りながらも、答えなければならないという思いが込み上げてきて、自分がここにやって来た理由を述べるべく口を開こうとするが、やはり名前は出てこない。それでも何とか言葉を絞り出そうとするも、何も出てこなかった。
どうやら自分は記憶を失くしてしまったらしい、と思い至った瞬間、少女の顔が泣き顔へと変わっていく。悲しげに瞳を伏せて、そのまま俯いてしまうと小さく「ごめんなさい」という言葉を呟き始めた。その姿に、胸が酷く痛むが、一体何故そんなにも落ち込んでしまうのかと不思議に思っていると、
『……わたしの所為ですよね。本当に申し訳ありませんでした』
いつの間に傍にいたのか、そんな女性の謝る言葉が耳に飛び込んできたのだった。
* * *
ジャンル:異世界。
第一章完結です! お読みいただきありがとうございます。
また宜しくお願いいたします!! m(_ _)m
※誤字脱字は気が向きました時にご報告下さい。
※作品内容に対する苦情は受けられませんので予めご了承の上閲覧して下さい。
2Xxx年 春。
「あ、今日は入学式ですね~」」
私はいつものように、朝御飯の支度をしながら旦那さんに声をかけた。
「あぁそうだね、早いものだねぇ、ついこの間まで、寒い寒~いっていってたのに、今となってはもう、こんなに暖かいんだもんな」
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