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プロパンガス爆発リア充しろ【完結】

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「結婚という名の墓場」

ジャンルはホラーで、よろしくお願い致します! 『――さて』
突然に声が聞こえて。
気づけば目の前で何かを見ていた。
そこに居るはずがない。
絶対に、居るはずはない存在。
それが何故か、眼前に存在する。
しかも、自分を見つめてくるのだ。それは何時の間に現れたのか、何処からやってきたのか。
それすら分からない状況の中、それでも理解したのは、その存在が何であるか。
それは恐らく――人外であろう、という事だけだった。
そして、自分は死んだのだという事も、同時に自覚した。
だからだろうか、疑問を口にする事もなく、ただぼんやりとその人物を見上げるしかなかった。
『あなたは、どうしてここに来たの?』
少女は首を傾げると、自分に問い掛けてきた。その少女の姿には見覚えがある。けれど名前が思い出せない。
そんな不思議な感覚に陥りながらも、答えなければならないという思いが込み上げてきて、自分がここにやって来た理由を述べるべく口を開こうとするが、やはり名前は出てこない。それでも何とか言葉を絞り出そうとするも、何も出てこなかった。
どうやら自分は記憶を失くしてしまったらしい、と思い至った瞬間、少女の顔が泣き顔へと変わっていく。悲しげに瞳を伏せて、そのまま俯いてしまうと小さく「ごめんなさい」という言葉を呟き始めた。その姿に、胸が酷く痛むが、一体何故そんなにも落ち込んでしまうのかと不思議に思っていると、
『……わたしの所為ですよね。本当に申し訳ありませんでした』
いつの間に傍にいたのか、そんな女性の謝る言葉が耳に飛び込んできたのだった。

* * *
ジャンル:異世界。
第一章完結です! お読みいただきありがとうございます。
また宜しくお願いいたします!! m(_ _)m
※誤字脱字は気が向きました時にご報告下さい。
※作品内容に対する苦情は受けられませんので予めご了承の上閲覧して下さい。
2Xxx年 春。

「あ、今日は入学式ですね~」私はいつものように、朝ご飯の支度をしながら旦那さんに声をかけた。

「あぁそうだね、早いものだねぇ。ついこの間まで、寒い寒~いって言ってたのに、今となってはもうこんなに暖かいんだもんな」

「はい。」そういいつつ、私はトーストとハムエッグ、野菜のスープ、そして牛乳をテーブルに置いた。「じゃあ、いってらっしゃいなんですよ!」

そう、この旦那さんの職業は探偵さんである。

「ん?まだ七時半じゃないか。こんな時間に出て行って、遅刻でもしたらシャレにならないぞ。」そう言われ時計を見ると八時過ぎであった。「わっ、いけない。すぐ着替えるんですよー!!」

「へいへい、んじゃいってきま」そう言うと彼は出て行った。そして、すぐに帰ってきた。

「おそい」

「わりぃ。これ、忘れてな」そう言いながら手渡してきたのは鍵と名刺入れだった。「ほれ。お前も仕事に行くなら持っとけ」私は何も言わずに受け取った。

「それじゃ、行ってくるぜ」

そしてまた、彼が出かけていった。今度は私一人だけが残った家の中に私の声が響く。

「いって、しゃいん、しゅぎょう……」
*
「あ」と彼は驚きの声を漏らした。妻と思っていた人物は、目の前にいる姿が全く異なっていたからだ。彼は振り返り、そこにいるのは確かに妻の姿だった。

「うむ」と何となく納得すると、再び前を向いた。しかし、そこに広がるのはまるで地獄のような風景だった。周りは火に包まれ、煙が充満していた。

「ううむ」と嘆息し、どうすべきか考えをめぐらせるが、答えは出ないままだった。「おい、あんた無事か!」と男に問いかけられた。彼は「むう」と答えた。「ああ、大丈夫だ。しかし何が起きたのかわからない」と男が返答した。それを聞いて、彼はこの惨状が爆発によるものであることを納得した。

「それでどうするんだ。このままいると焼け死んじまうぞ」と男が言うと、周りの人々も同じ考えに至った。「よし、俺は逃げる」と誰かが言うと、皆が一斉に逃げ出した。

自分も逃げようとすると、「待ってくれ!」と一人の女性に呼び止められた。振り向くと、そこには少女と呼ぶにふさわしい子が立っていた。そして、「これを」と手渡してくる。彼に渡されたのは、何かが入った筒と一枚のカードのようなものだった。筒の中には英語で『E』と書かれた文字が入っていた。

「早く」と少女が言うと、男は彼女の後を追い、その場を離れた。「はやく、いそごう」と少女が言うので、男はさらにペースを上げたが、足がもう動かなくなってきた。しかし、彼らはようやく外に出口が見えてきた。「もう少しで外だ!」と男は言った。そして、少女は後ろからついてくる。だが、彼の体力はもう尽きかけ、走れなくなっていた。 
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