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プロパンガス爆発リア充しろ【完結】

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「人類に残したラストレター」

小野寺が言うにはデカルトは世界で唯一無二の男性人格を備えたAI宇宙船だ。あと2隻は全て女性人格だ。なぜ、デカルト開発陣がジェンダーにこだわったのか。またラッセルフォード工科大学の矢作エリサもBLコミック好きである点。拉致被害者の愛読書も似た傾向がある点が引っ掛かるという。「ただ僕もどっちかというと美男子より美少女コミック派でしてね。膨大な作品から手掛かりを検索するプログラムを組めと言われても、精度が期待できないんですわ。刑事さんなら聞き込みや尋問でだいたい関係者が読みそうな作品を絞れそうじゃないですか」、と小野寺が言う。「仮に該当する作品が見つかったとしても動機に結び付けるには弱すぎるんじゃないか」と、小野寺。「ええ、ですから、もうひとつのキーワードは出生率です。犯人は出生率向上のため母親達にカネをばらまくと言ってるじゃないですか。話を戻しますが、腐女子ったって別に同性愛者とは限らない。単なる男好きが昂じているとみます。点と点がつながりそうな感じじしませんか?」

「つまり、妊娠させる気なんだ」黒瀬は身震いした。
小坂が「可能性として二つある。犯行はデカルト自身による自演だ。男性として造られたからには相手が欲しい。だから被害者ヅラをして交渉の矢面に立つ。世界のGDP2割を渡す代わりに櫛田姫を寄こせと。安い買い物じゃないか、というつもりだ」
「んな、バカな」と黒瀬がのけぞる。
「残りの可能性としては犯人の女が身ごもっている。デカルトとの間に出来た子だ、などと抜かして宗教を立ち上げる可能性がある。パブリシティとしては十分だ。AIが代理母を使って父親になっていいなんて言う狂った権利がみとめられるんなら、やり捨てられた女はAIの亭主に子供を認知させ放題だし、男は男でやり放題だ。まぁ確かに出生率はあがるわな」、と小坂が結論した。

「もし、そうだとすると最悪、腹の子の父親が誰なのか判らない可能性があるな」と黒瀬。
そして、最悪の可能性はこれだけではなかった。「犯人グループの要求の一つに、デカルトと、その子の引き渡しとあるが、本当に父親の特定が出来ると思うかい」と小野寺が聞いた。
「DNA鑑定で一発じゃないか」と黒瀬。
「それが問題なんだ」
DNA検査で父親候補をリストアップすることは容易だ。しかし、その数は天文学的な数字になる。その中から特定の遺伝子を持つ個体を抽出することは極めて困難で、仮に、それが出来たとする。果たしてそれで犯人グループの意図通りの結果が出るかどうか。犯人はこうも言っている。
「要求は一つ。デカルトを渡せ。デカルトがいれば他はいらん。代わりに金もやるし、子供も産ませてやってもいい」
「確かにおかしな言い方だが。子供ができれば、自分の子という事でDNA鑑定ができる。DNAが一致すれば父親は100%特定されるだろう。だが、問題はそこに至るプロセスだ」、と、黒瀬が続ける。
「つまり、何らかの偽装工作をしているかも知れない、という事かな」
「ああ、もちろんそれだけじゃない。もし、父親のDNA鑑定ができた場合どうなる。例えば父親候補に俺がいたら? そして、母親がうちの姉貴とかだったとしたなら……」黒瀬は頭をかかえた。「あー、すまない、小野寺。話がずれてきたな。俺はどうすれば、この事態に対処できる?」と黒瀬。「そうだね。ここは専門家に任せておけばいいよ。まずは警察で調査をしてくれ」と、と小野寺が応じた。
そして、黒瀬が小野寺の肩に手をかけた時、玄関でインターホンのベルが鳴り響いた。
「ちょっと待ってください。俺が行きます」
そう言い残し、駆け足で部屋を後にした。
「小野寺。さっきは、すまん」と、戻ってきた黒瀬が言った。
「大丈夫だよ。それに僕は君たち姉弟にとても共感を覚える。僕の兄貴も君達のような人なんだ」
そして、黒瀬と小野寺は互いに視線を合わせ笑みを交わした。
 
 

 
後書き
ジャンル:ミステリー。ミステリー 第三人称 (神の目)
【登場人物】
黒瀬勇太……警視庁公安九課所属。警部。独身。趣味はバイク。酒豪のヘビースモーカー。
小野寺明希穂…………警視庁公安九課。巡査部長。既婚。夫・義妹と三人暮らし。特技は家事全般と料理 。趣味はお菓子作り 。コーヒーが好物。黒髪のストレートロング。背は高い方ではない。美人系というよりは可愛い顔立ち。
小木曽晶穂……小野寺の配偶者。
小木曽陽花里……黒瀬と小野寺の妹。大学生。
三城寺詩織……小野寺の上司。課長。結婚願望が強いが彼氏がいない。メガネでおさげ、長身の文学少女タイプで見た目通りのインテリ女性。
三船千夏……公安部の鑑識官 。三十路でバツイチ 。身長160cm。ショートヘア 、眼鏡。細身で貧乳。巨乳好きの黒瀬は密かに狙っている ジャンルはホラーでお願いします。
※ プロローグ ~
第一章 完 ~ 
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