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夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~

作者:佐行 院
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前書き
 商売はやはり難しい。 

 

-⑦ 交換条件と住民-

 結愛の交換条件が気になる好美は少しドキドキしていた、この交渉次第では数億円単位の金が動いていくはずだ。好美は慣れない念話で話し続けた。

好美(念話)「条件・・・、ですか?」
結愛(念話)「2点ほどあるのですが、少々お待ち頂けますか?」
好美(念話)「え?まさか・・・。」
結愛「そのまさかですよ、好美さん。」
好美「えっ?!」

 話の流れで『瞬間移動』して現れた結愛に驚く好美、この世界でも車は必要ないなと改めて思いつつ一先ず話を進める事にした。

結愛「この通路ですか・・・、これがバルファイ王国に繋がる訳ですね?」
好美「車が通れるように少し広めに作っているのでスクールバスでもご利用いただけるかと。」

 少し考えた結愛は深く頷き好美に例の「交換条件」を伝えた。

結愛「では好美さん、気になっておられる条件なのですが、①この通路に魔学校直通のルートを追加する事と②2階~5階部分を魔学校の学生寮や貝塚財閥の従業員が使用する社宅として提供する事です、勿論その分の家賃はお支払いいたします。いかがでしょうか?」

 物凄い好条件、断る理由などない。

好美「分かりました、勿論大丈夫です!!」
結愛「ではそれでお願い致します。」

 結愛と強く握手を交わした好美は、早速不動産屋に連絡して2階~5階についての事情を説明した。

不動産屋(電話)「貝塚財閥が絡むとなると断る訳には行きませんね、了解しました。」

 そう言って不動産屋は事情を理解してくれ、好美もポスターに「6階以上の部分」と書き加え募集を始めた。
 すると1時間もしない内にまた不動産屋から連絡が来た、何と今の時間で全部屋が埋まってしまったという。流石は街の中心地だ、その人気を舐めてはいけない。結愛から聞いたのだが寮や社宅の部分も全て埋まってしまったという、満員御礼といったところか。
 次はコンビニの従業員だ、オーナーは勿論好美だが正直経営に関しての知識が無い。そこで入居予定の者から募集する事にした、すると過去バルファイ王国で経営学を学んでいたという4人が現れたので雇う事に。面談はまたおいおい。
 実は好美がこの世界に転生する数年前からなのだが、知能が高く人化して人語を話せるなら上級でなくとも自由な入国が許可されるようになっており、それにより今回の入居者の殆どが出稼ぎでの移住を希望していた獣人族や鳥獣人族、そして人化できる魔獣となっていた。
 不動産屋から入居者のリストを貰い、全くもって覚えきれないがゆっくりと目を通していった。そうこうしているうちに時間が経過してもう午後3時、ぐっと疲れが来てそろそろ日本にいた時の昼夜逆転生活での「あのお楽しみ」がしたくなってきた。
 まだ自らの店は開店していないのでゲオルの店へと足を運ぶ、この世界での初めての昼吞み。惣菜はどんな物かとワクワクしていた、やはり洋風の者が多いのかと思っていたら天婦羅や唐揚げなどもあり意外と酒好きにも嬉しいラインナップだ。
 一先ず呑みたいだけ缶ビールを買い込み、惣菜売り場で数種類ある揚げ物メニューを購入した。
 ルンルンとした気分で自ら決めた暗証番号を打ち込んで15階へと上がる、着いた先である好美のプライベートスペースにはもう既に日本での家財道具が『転送』されていた。まだ必要な物があるならと光が『転送』スキルも『付与』してくれていたので助かっている。
屋上の露天風呂付近にテーブルや冷蔵庫を設置していたので、今日はそこで呑むことにした。これから始まる異世界生活への希望を胸に体を上へと伸ばして深呼吸した。

好美「さてと・・・。」

 テーブルに買って来た揚げ物を並べ缶ビールを開けて一気に煽った。

好美「ああああああ、最高!!たまんないわ!!あっ、そうだ!!」

 好美はバスタオルを用意して服を脱ぎ露天風呂に飛び込んだ、横にあるスイッチを捻るとジャグジーで泡が発生した。疲弊した体を解しながらビールをまた煽る。
 好美が大好きな昼呑みを楽しんでいると後ろから女性の声がした。

女性「あら、先にやってたのかい?ジャグジーで昼呑みなんて贅沢じゃないか。」
 
 

 
後書き
 侵入者の正体は。 
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