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神々の塔

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第十四話 白波五人男その四

「戦ってる」
「そういうことか」
「我等の傘はこれだけではないぞ」 
 駄右衛門が笑って言ってきた。
「今そこの忍の者が言ったが」
「攻撃を撥ね返すか」
「それも出来る」 
 このことも言うのだった。
「我等の傘はな」
「攻撃をしてか」
「左様、その傘に術をだ」
 これもというのだ。
「使う者が五人いや五柱、覚えておくのだ」
「そういうことか」
 トウェインは駄右衛門の言葉に目の光を強くさせて述べた。
「五人男の戦い方は」
「この神様達は一柱も強いが」
 また芥川が言ってきた。
「勢揃いするとな」
「本領発揮や」
「そうやねん」
「あれか、特撮か」 
 メルヴィルはそちらの話を出した。
「要するに」
「そや、戦隊と一緒や」 
 芥川はメルヴィルのその指摘に答えた。
「要するにな」
「そういうことやな」
「そや、一柱ずつでも結構以上に強いが」
「揃うとか」
「四霊獣と同じでな」
 それでというのだ。
「本領発揮や」
「そういうことやな」
「これでわかるな」
「ああ、戦い方もな」
 メルヴィルは芥川のその言葉に頷いて応えた、この塔に入ってすぐにあの神々との戦を思い出しながら。
「そういうことやな」
「僕等もチームプレイやったらな」
「相手もチームプレイか」
「そうした戦い方もあるんや」
「そういうことやな」
「それでや」
 芥川は強い声で話した。
「これからな」
「戦やな」
「ああ、やるで」
 五人男を見据えて告げた、そして。
 十人は五人男との戦に入った、五人男は術にだった。
 それぞれの手に持っている傘を使って戦う、その傘がだった。
 攻撃そして防御になる、施は落日弓から攻撃を放ったが。
「おっと、危ねえ危ねえ」
「くっ、あかんか」
 弁天小僧に開いた傘で攻撃をかわされて歯噛みした。
「やるって思ったがな」
「いい攻撃だよ」 
 弁天小僧もそれは認めた。
「充分以上にな、しかしな」
「それでもか」
「おいら達の傘にはな」
 広げた傘を閉じてから言った。
「そうは上手くいかねえぜ」
「そういうことか」
「確かにな、あの傘は凄い」
 リーもそれは言った。
「攻撃も強いが」
「守りとしてもやな」
「強い、まさに攻防共のな」 
 そうしたというのだ。
「見事な傘や」
「そやな、今の自分の攻撃をかわすとはな」
「ああ、しかしや」
 リーはそれでもという口調で話した。 
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