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仮面ライダーAP

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北欧編 仮面ライダーRC&レジスタンスガールズ 第17話


「ゴ、ゴオォオッ……!」
「……はぁあぁあーッ!」

 ケージ、オルバス、ターボ、USA。彼らのパンチとキックが絶えず唸り、防御に徹するRCの装甲を歪ませて行く。その歪みがさらなる「計算の狂い」に繋がり――それがまた、予期せぬ跳弾によるダメージへと連鎖する。

「いっ、けぇえぇえーッ!」

 ニッテ達も弾薬が尽きるまで、自分達が倒れるまで、恐れることなく引き金を引き続けていた。輸送車からの機銃掃射が、遮蔽物から覗いている彼女達の肌を掠めて行く。
 それでも、戦乙女達は怯まない。諦めない。信じると決めた仮面ライダー達に応えるために、彼女達は恐怖に屈することなく撃ち続けて行く。

「……ヴィクトリア、レン! 所定の位置に走りたまえ! 今こそ僕達の『秘密兵器』を使う時だッ!」
「ラングニル……! ……そうだな、行くぞレン! 仮面ライダー達にばかり良い格好はさせてはおれんッ!」
「えぇ……分かっていますッ!」

 その中の1人であるラングニルが、LVF RL-6Al12を構えながら吼える。スケルトンストックを押し当てた箇所からも伝わって来る銃撃の振動が、彼女の桃尻をぷるぷると揺らしていた。
 そんな彼女の言葉に深く頷くヴィクトリアとレオナは、乳房と巨尻をぶるんぶるんと揺らしながら、一気に遮蔽物から飛び出すように走り出す。その動きに反応した輸送車のM2機関銃が、2人に狙いを定めようとしていた。

「やらせるかぁああッ!」

 そうはさせじと物陰から顔を出したリリエラが、輸送車目掛けてM4カービンを連射する。白く瑞々しい肉体はじっとりと汗ばみ、歳不相応に実ったEカップの乳房と桃尻が、発砲の反動でぷるんぷるんと弾んでいた。
 通じるとは思っていない。2人を「所定の位置」に活かせるための時間稼ぎだ。そんな彼女の陽動に乗せられたLEPは標的を変更し、機関銃の照準をリリエラに向ける。

 だが、その銃口は――火を噴かない。リリエラをロックオンした機関銃は、これまでの苛烈な乱射が嘘のように静まり返っている。
 当のリリエラを含む解放戦線の面々が困惑する中、RCは新世代ライダー達と激しく殴り合いながら、眼鏡を掛けた1人の美少女を一瞥していた。

「……『No.1(エインヘリアル)』の遺伝情報を確認。攻撃を一時停止」

 14歳という若さからは想像もつかないボディラインを描き、雄の情欲を掻き立てるリリエラ・ヤマシロの扇情的な肉体。その内側に流れている「血」が、反射的に銃撃を止めていたのだ。
 始祖怪人達の現統率者(ビッグボス)、「エインヘリアル」こと山城一(やましろはじめ)。その遺伝情報を受け継いだ「曽孫」であるリリエラの正体に気付いたLEPは、彼女に対して引き金を引けなかったのである。

「……!? 見て、奴の動きが止まったよ! 何をするつもりなんだろう……!」
「油断するな! 次の一手を計算している最中なのかも知れん。奴に何もさせるな! 私達の弾幕で抑え込むんだッ!」
「最初っからそのつもりですよぉおッ!」
「誰にも手出しはさせないよぉっ! オ〜ララァァ〜っ!!」

 リリエラ自身でさえも知らないその理由を、解放戦線のメンバー達が知る由などない。だが、輸送車からの攻撃が一時的に停止していることだけは確かだった。
 ならば、反撃を躊躇う理由も時間も無い。カミラのサコーM75フィンライト。朔夜のステアーAUG。リリエラのM4カービン。そして、スフルの音撃管・烈風。彼女達の愛銃が一斉に火を噴き、輸送車とRCに弾雨を浴びせて行く。

 その間に、ラングニルが示した「所定の位置」である廃墟の裏に駆け込んでいたヴィクトリアとレオナは、そこに隠されていた1台のバイクに乗り込もうとしていた。車体を覆い隠していたボロ布を2人が勢いよく剥ぎ取ると、その全貌が露わになる。

 レオナの実父が遺した「形見」である、サイドカー付きの大型バイク。レオナの眼の色のような真紅に塗装されたその車体には、銃器まで装備されている。ラングニルとスフルが共同開発していた「秘密兵器(とっておき)」が、ついにお披露目となるのだ。
 こことは異なる世界の仮面ライダーが乗り回している「サイドバッシャー」に近しい形状を持つ「秘密兵器」は、この廃墟内で主人達を待ち侘びていたのだろう。その力を存分に引き出そうと頷き合うヴィクトリアとレオナは、即座に「準備」に取り掛かる。

「よしっ……!」

 バイク部分に素早く跨り、たわわに実った巨乳と安産型の桃尻をぶるんっと揺らしたレオナがエンジンを掛け始める中。サイドカー部分に乗り込んだヴィクトリアは、そこに積み込まれていた「機銃」の三脚架を組み立てていた。
 それは明らかに戦闘機の類に搭載されているような大型のものであり、彼女は三脚架をサイドカーの上に立て、発射準備を整えている。取り付けられた長い給弾ベルトが、その殺意の高さを物語っていた。

「んっ……!」

 さらにヴィクトリアは戦闘員から奪った野戦服をバッと脱ぎ捨て、その白く豊穣な柔肌を全て露わにしてしまう。もしこの場に1人でも男性が居れば、生涯忘れることのない「絶景」を拝むことが出来ていただろう。凛々しく気高い貌で野戦服を脱ぎ去りつつも、純白の裸身を露わにしたヴィクトリアは、その頬を桃色に染めていた。
 110cmという超弩級の爆乳と99cmの爆尻がどたぷんっと弾み、その透き通るような白い肌から濃厚な女のフェロモンがぶわっと匂い立つ。「最後の砦(ニプレス)」だけを残して一糸纏わぬ全裸となった彼女は、サイドカー内に隠されていた「新装備」に手を伸ばしていた。

「ふぅっ、んっ……!」

 そこに有ったのは、漆黒の強化外骨格。装着者の肉体にぴっちりと張り付く仕様となっている、ラングニルお手製のパワードスーツだった。
 各部位には関節を保護するプロテクターが設けられているのだが、身体全体を覆うスーツの大部分は、肢体に隙間なく密着するボディスーツのような構造なのだ。そのため野戦服の上から着ることは出来ず、下着を破られている状態(ノーパン&ノーブラ)のヴィクトリアは、一度生まれたままの裸体を晒すことになってしまったのである。ヴィクトリアはその外骨格に袖を通して行く中で、暴力的な肉体にみっちりと張り付いて来るスーツの感触に甘い息を漏らす。

「んっ、く、ぅうっ……! ふ、うぅっ……!」

 白く優美な爪先をピンと立ててスーツに両脚を通し、そこからパンティを穿く要領で一気にくびれた腰へと引き上げる。特大の爆尻に引っ掛かったところで一度深く息を吐き、その純白の尻肉を持ち上げるスーツの特殊繊維を強引に持ち上げると、穿き終えた弾みで臀部(ヒップ)全体がどたぷんっと躍動する。

「あっ、んんっ……! くぅ、ふぅうんっ……!」

 それと同じ要領で、ぶるるんっと豪快に弾む110cmの超弩級爆乳も、力任せにスーツの内側に押し込んで行く。肉体に完全にフィットさせるための特殊繊維が白く豊穣な乳房をむにゅりと持ち上げ、ボリュームたっぷりな乳肉に食い込む。そこからさらに力尽くでスーツを引き上げ、やっとの思いで爆乳を繊維の内側に収めた瞬間、持ち上げられていた特大の果実がばるるんっと上下に弾んでいた。

「んっ……はぁあぁっ……!」

 その苦難を経て、ようやくヴィクトリアは黒い外骨格の装着を終えたのだが――今の自分の格好を見下ろしている彼女の貌は、羞恥の桃色に染まっていた。扇情的なボディラインをくっきりと浮き立たせているその姿は、ヴィクトリア自身にとっては裸よりも恥ずかしい格好なのだから。

(ラ、ラングニルめぇ……! 動きやすいからと言って、よくもこんな破廉恥な仕様にっ……んんっ! い、いかん……この肌触り、良くない「クセ」になってしまいそうだっ……!)

 身動ぎするたびに大きく弾む特大の爆乳と爆尻が、そこから漂う匂いと共にスーツの内側へと閉じ込められて行く。ヴィクトリアの極上ボディにぴっちりと張り付いた外骨格は、彼女の肉体が描く扇情的なラインをありのままに浮き立たせていた。
 もしニプレスが無かったら、余計に際どいデザインになっていたことだろう。爆尻と鼠蹊部にキツく食い込んでいる繊維の感覚も、彼女の羞恥を煽っている。レオナが履いていたショートパンツも彼女の扇情的なヒップラインをむっちりと強調し、鼠蹊部にもきゅっと深く食い込んでいたのだが、このスーツの密着具合はそれ以上だ。

 そのあまりに蠱惑的なデザインに対する羞恥心から、頬を染めるヴィクトリアは製作者であるラングニルに対して静かな怒りを燃やしていた――が。単に恥ずかしいと思うこと以外にも「感じるもの」があったのか、彼女は無意識のうちに自分の豊満な肉体をスリスリと撫で回している。

 男なら誰もが喉を鳴らす極上のボディラインを、ヴィクトリアの可憐な指先がなぞっていた。もしここにラングニルが居たなら、その様子をニヤニヤと見守りながら写真に収めていただろう。もちろんその直後には、ヴィクトリアに白衣の襟を摘まれて、悪さをした猫のように吊るされていたのだろうが。

「よし……行けるっ! じゅ……準備は良いですか、ヴィクトリア!」
「……っ!? あ、あぁ、いいぞ! レン、すぐに出せッ!」

 レオナの方も、奪い取った野戦服の下が生まれたままの姿(ノーパン&ノーブラ)であるためか普段の落ち着きがなく、頬が赤い。そんな彼女に背後から声を掛けられて我に返ったヴィクトリアも、目を剥いて耳まで真っ赤にしながら背筋を正していた。特殊繊維を内側から押し上げる爆乳と爆尻が、その弾みでたぷんと揺れる。

「行きましょうヴィクトリア、皆を守るためにッ!」
「……あぁ! 行こう、レンッ!」

 戦闘機用の大型機銃と、その組み立てを終えたヴィクトリアをサイドカーに乗せて。レオナがハンドルを握る大型バイクがエンジンを唸らせ、急発進する。
 真紅のバイクが廃墟の壁を突き破り、猛スピードで戦場に馳せ参じたのはその直後だった。バイク自体もさることながら、そのサイドカーに積まれた「機銃」は解放戦線の装備の中でも一際威圧感溢れる代物であり、メンバー達の注目を大いに集めている。

「これが生まれ変わった父さんの形見、『コマンドバッシャー』と……!」
「我がファルツ家の象徴……『九九式二十粍二号航空機銃五型』だッ!」

 そんな仲間達の視線を肌で感じながら、レオナとヴィクトリアは揃って声を張り上げるのだった。彼女達2人を乗せた戦闘用バイク「コマンドバッシャー」はますます加速し、瓦礫の破片が散乱する不安定な路面を難なく走破して行く。

(……これで良かったんだよね、父さん。私は信じるよ。皆を守るために……父さんのバイクで、この戦いを乗り切る。それがきっと、正しいことなんだって!)

 実の父親が遺した形見を「兵器」に改造してしまった苦しみを乗り越え、レオナはハンドルを握り締めて真っ直ぐに前を見据える。彼女と同じ葛藤を抱えながら機銃を構えるヴィクトリアも、口をきゅっと結んでいた。

 ――古くから軍の名門として、この某国の歴史にその名を残して来たファルツ家。
 その名家を率いていた当時の当主は第2次世界大戦時、連合国側に属していた某国政府の方針に従い、高貴なる武官としての「然るべき務め」を果たしていた。それが、ヴィクトリアの曽祖父だったのである。

 彼は戦後、旧日本軍の戦闘機に積まれるはずだった機銃を接収。戦利品として持ち帰り、ファルツ家の勝利と栄光を讃える「家宝」とした。それが今、ヴィクトリアが構えている「九九式二十粍二号航空機銃五型」なのだ。
 彼女はかけがえのない仲間達を救うため、断腸の思いで偉大なる曽祖父の遺産を「改造」し、コマンドバッシャーに機銃として積み込む判断を下したのである。

 そんな彼女の重い決断と覚悟を汲み取ったラングニルとスフルは、歴史あるファルツ家の象徴とも言うべき「家宝」を改造し、ノバシェードに対抗するための「兵器」として現代に甦らせたのだ。
 ヴィクトリアの身体にぴっちりと張り付いているラングニル製の外骨格も、戦闘機用の大型機銃を取り回すことになる彼女の負担を軽減させ、その身体を保護するためのもの。些か扇情的過ぎるそのデザインも、危険な代物を扱うことになるヴィクトリア自身の動きが、万に一つも阻害されないように……という「機能美」を追求した結果に過ぎない。

 共に勝利を誓った解放戦線の仲間として、オーファンズヘブン最高の天才達がその叡智を結集して完成させた、友情の結晶。それがコマンドバッシャーと、サイドカーに乗せられた九九式二十粍二号航空機銃五型なのである。

(……ファルツ家の武人たるもの、何を置いても民の幸せを護るためにその力を尽くさねばならない。私も……そう在ります!)

 幼い頃、何度も聞かせてもらった当時の武勇伝。その数々を語っていた晩年の曽祖父の顔が、何度もヴィクトリアの脳裏を過ぎる。

 後悔などない。後悔などしてはならない。この国を、この国の人々を守るためならば、きっと曽祖父も許して下さるはず。
 そう信じると決めた以上、今はただこの引き金を引くしかない。その悲壮な信念が、ヴィクトリアを突き動かしている。

(……父さんの想いも乗せたこのコマンドバッシャーで、必ず皆を守り抜いて見せる。だからどうか……天国から見守っていてください!)

 それは実父の遺品を兵器にしてしまったレオナも同じであり、彼女達は各々の葛藤に苛まれながらも、仲間達のために前だけを見つめていた。きっとそれが、「今」を生きている者の務めなのだと信じて。
 
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