夜勤族の妄想物語 4.異世界ほのぼの日記2~異世界でも夜勤になったので堂々と昼呑みします~
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④
前書き
思った以上に住みやすい世界にて。
-④ 便利な世界で働く、そして無かった物を作る-
1京円に驚きつつ、この世界の通貨が日本と同じ「円」である事、そしてキャッシュカードやクレジットカードが使える事を知った好美。ただ大金持ちは狙われやすいのでこの世界でも働くべきだと2人に勧められた。
案内されるがままに冒険者ギルドへと向かい、奥の受付カウンターへと歩を進めた。おどおどしている好美をこのギルドの受付嬢でアーク・エルフのドーラ林田が迎えた。
好美「私、冒険者になるつもりは・・・。」
光「この世界ではこれがルールなの、郷に入っては郷に従えって言うでしょ。」
好美「私エルフと話した事なんか・・・、言葉・・・。」
ドーラ「あの・・・、どうかされました?」
人間と同じ言葉を平気で話す目の前のエルフに驚きを隠せない好美、数秒かけて落ち着きを取り戻すと手続きを始めた。
難無く手続きを終え、ギルドカードを手に入れた好美は早速仕事を探し始めた。
好美「王宮の見回り?私に出来るかな・・・。」
本当に偶々なのだが、ギルドにいたネフェテルサ国王のエラノダが自ら面接を始めた。ただ相も変わらず私服で抜け出しての御忍びなので好美は目の前の人物が国王と気付いてはいなかった。
エラノダ「えっと・・・、倉下好美さんね。見回りのお仕事のご経験は?」
好美「初めてなんですけど、私でも出来ますかね?」
エラノダ「大丈夫ですよ、簡単なお仕事ですし王国軍の者に丁寧に教える様申し伝えておきますね。」
好美「あ、ありがとうございます。」
エラノダ「因みにですが、いつからシフトは入れますか?」
転生するきっかけとなった「あの夜勤」の翌日に日本でいた頃は合コンの予定があったが、今はこっちの世界に来てしまったので全くもって関係なくなってしまっている。
好美「いつでも・・・、大丈夫です。」
エラノダ「分かりました、では採用等についてのご連絡の為に好美さんのお電話番号をお願いします。」
好美はまだこの世界に家を持っていないのでスマホの番号をそのまま伝えた。次は家探しだ、早速3人で不動産屋に出かけようとしたら好美のスマホに未登録の番号から着信があった。好美はこの世界での初めての電話に恐る恐る出た。
好美「も・・・、もしもし。」
男性(電話)「もしもし。倉下好美さんの番号で御間違えないでしょうか。」
好美「はい、そうですが。」
男性(電話)「よかった、突然のお電話失礼致します。私ネフェテルサ王国軍のニコフと申します、今回の採用についてご連絡をと。」
電話の相手はネフェテルサ王国軍のニコフ・デランド将軍、今は昇進して将軍長(アーク・ジェネラル)になっている。
流石にこの世界での仕事だ、通常の日勤に戻り昼夜逆転生活ともおさらば出来るだろうとワクワクしていた。
ニコフ(電話)「えっとですね、初出勤は来週の火曜日です。22時から7時で週3日の採用となりましたのでよろしくお願いします。」
好美「深夜での勤務ですか・・・?」
ニコフ(電話)「はい、常夜勤でお願い致します。ご都合は大丈夫ですか?」
好美「大丈夫です、問題ありません。」
ニコフ(電話)「では詳細については当日ご説明させて頂きますのでそのおつもりで、では失礼致します。」
通話を終わらせた好美は顔が少し蒼白していた、また日本に続き夜勤での仕事となってしまった。また昼夜逆転生活が続くのか・・・。そう思いながら不動産屋へと向かった。
3人で街を歩く、ちらほらと辺りを見回したがやはりこの世界には24時間営業の店が無い。せめてコンビニだけでもあればなと助かるのだが。
渚「コンビニか・・・、無いならあんたが作っちまいなよ。」
光「そうだよ、1京円あるんだからコンビニを作って2階部分を家にすれば良いじゃない。」
好美「良さそうですね、やってみようかな。」
そうと決まれば次に行くべき場所は不動産屋ではなく商人兼商業者ギルドだ、早速3人は登録の為珠洲田自動車へと向かった。
後書き
順々とここでの新生活の準備をする好美。
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