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新オズのカボチャ頭のジャック

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第七幕その六

「それでもだよ」
「緑だから」
「緑の密林の中にだよ」
「溶け込んでだね」
「物凄くわかりにくいのだよ」
「そうだね」
「だから白黒しか見えないことが悪いかというと」 
 このことはというのです。
「一概には言えないよ」
「そうなんだね」
「オズの国ではその方がいいからね」
「皆が色彩豊かな世界を楽しめるから」
「だからだよ」
 それでというのです。
「そうなっているのだよ」
「そうなんだね」
「いや、外の世界ではそうなんだね」
 ジャックはここまで聞いてしみじみとして言いました。
 そして蛙の声を聴きながらこう言いました。
「そういえば蛙って身体の色が変わるね」
「アマガエル等がそうだね」
「うん、カメレオンもそうだけれど」
「蛙にもそうした種類がいるよ」
「そうだよね」
「それもいいね」
「うん、凄くね」
 ジャックは雨音と混ざって聴こえるその鳴き声を聴きながら答えました。
「見ていていいと思うよ」
「私もだよ、ちなみにオズの国のアマガエルは自分の思うままに色を変えられるから」
 だからだというのです。
「赤や青にもだよ」
「色を変えられるんだ」
「そうだよ、自由にね」
「それはカメレオンと同じだね」
「如何にも」
 まさにというのです。
「それがオズの国のアマガエルだよ」
「成程ね」
「そう思うとアマガエルも面白いわね」
 オズマは彼等の声も聴きながら思いました。
「本当に」
「そうだよね」
 ジャックも応えます。
「色を好きに変えられるって」
「面白いでしょ」
「素敵だね」
 ジャックはオズマに応えました。
「心から思うよ」
「そうよね、それでアマガエルもね」
「今雨を喜んでだね」
「鳴いてるのよ」
「そうなんだね」
「清少納言さんって人もオズの国におられるけれど」
「枕草子の人だね」 
 教授はその人のお名前を聞いて言いました。
「そうだね」
「ええ、日本の人でね」
「平安時代の人でね」
「宮廷にお仕えしてね」
「枕草子を書いていたね」
「源氏物語は紫式部さんで」
 そしてというのだ。
「枕草子は清少納言さんで」
「その人が言っているね」
「ええ、夏は夜で」
 この時間が一番風情があってというのです。
「そして雨が降ってもね」
「いいと言っているね」
「そう、それでね」
「実際にだね」
「今雨が降っていてね」 
 そしてというのです。 
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