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小さい頃は可愛かった

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第一章

                小さい頃は可愛かった
 大空麗眼鏡をかけて卵型の顔でやや吊り目のロングヘアの顔で茶色がかった髪の毛をロングヘアにしている外見であるが孫娘の満里奈丸い顔で垂れ目で優しい感じの唇で黒髪をショートにした彼女に一枚の写真を見せて言った。
「これがよ」
「澄花大叔母さん?」
「この娘よ」
 茶色がかった波立った髪の毛を腰まで伸ばし切れ長の垂れ目で紅の大き目の唇と卵型の顔に豊かな胸の五十代に入ったばかりの女性を見つつ話した。
「そうなのよ」
「そうだったの」
「子供の頃は可愛かったのよ」
 見れば写真には五歳位の天使の様な少女が笑顔でいる。
「本当にね」
「大叔母さん凄く奇麗なのに?」
「それでね」 
 祖母は孫娘に答えずだった。
 もう一枚の写真を見せた、そして今度は赤毛を短くしてやはり卵型の顔で明るく大きな目で微笑んだ感じの唇と見事なスタイルの三十代になったばかりの女性を見て話した。
「この娘があんたの叔母さんよ」
「直美叔母さん?」
「そうよ」
 今度は活発な感じの可愛さの五歳位の少女がいた。
「可愛いでしょ」
「凄くね」
「全く。二人共ね」
 麗は溜息を出して言った。
「子供の頃は物凄く可愛がったのね」
「お姉ちゃんいつもこう言うのよね」
「お母さんの悪い癖よ」
 言われた二人は憮然として応えた。
「子供の頃は可愛い可愛いだったのに」
「今はこう言うのよね」
「大人になったらこうよ」
「私達が二十歳になったらね」
「大叔母さんも叔母さんも奇麗よ」
 澄花は小学校四年生だがこう言った。
「それなのに?」
「奇麗と可愛いは別よ」
 麗は憮然として答えた。
「お祖母ちゃんは可愛いのが好きなの」
「そうなの」
「全く。二人共子供の頃は可愛かったのに」
「奇麗になったって言ってもね」
「残念そうなのよねお母さん」
 また二人で麗に言った、特に直美が言った。
「お兄ちゃんには普通に接するのに」
「男の子は普通でいいの、公平に育ててたでしょ」
「それはそうだけれどね」
 直美も否定しなかった。
「それ自体はね、けれど私は子供の頃可愛いで嬉しそうで」
「大人になったら奇麗で残念そうっていうのがなのね」
「私何これって思ったわ」
「お姉ちゃんって私が子供の頃からこうなのよね」
 澄花も言った。
「十歳離れた私を随分可愛がってくれたのに」
「奇麗は正義、可愛いは大正義よ」
 麗は妹に腕を組んで断言して返した。
「わかったわね」
「そうかしら」
「私としてはね」
「それで昔からなのよね」
 直美は母の膝元見た、見れば。 
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