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その小さな女の子のことが気になってしまったんだが、どう接していけばいいんだろう

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 そんな感じで冬を迎えていたが、今年は、ななのの受験も控えていたので、特別に誕生日だからといって集まることもしなかった。そして、年も越して、2月にななのちゃんの受験があった。推薦入学で特進クラスを目指していた。そして、発表があった時、公衆電話からだったけど、多分、ななのからだろうと

「シュウ 受かったよ 合格だって」

「そうか やったなぁー 偉いよ ななの」

 そして、部屋に帰るとななのが来ていて

「シュウ ごめんね」と、涙ぐんでいた。

「どうしたんだよー 受かったんだろー? なんで、泣いている?」

「あのね 久々にシュウにご飯作ろうと思って、買い物したんだけど・・買ったもののレシート 探しても見つかんないんだよね 落っことしたみたい 私 浮かれてたみたい」

「なんだよ そんなことで泣いているの? そんなの落としても、どうってことないじゃぁないか」

「だってさー 家計簿 ちゃんとつけれないじゃぁない お嫁さん 失格だよ」

「・・・ななのがいつも几帳面につけてくれてるのって知ってるよ だけど、レシート失くしたからって・・ いいよー 泣くことじゃぁないと思うけどな そんなこと気にするって・・真面目すぎるぅ」

「・・・ 私って おかしい?」

 あんまり、しょげているので、僕は、ななのちゃんの顔をあげさせて

「わかったよー じゃぁ 又、明日から ちゃんと始めてくれ わかったか それより、合格おめでとう なんか お祝いしなきゃぁーな」

「うん 明日からは、ちゃんとやるね でも、お祝いなんて・・・シュウが喜んでくれれば良いの」と、長いまつ毛を濡らしていたようで、見上げてきて眼を閉じるようにしてきた。誘っているようなしぐさだけど だけど

「もちろん うれしいよ お母さんには報告したの?」と、僕はそらすように言っていた。

「ううん まだ 多分 お仕事中だから・・ 帰ってきてから・・ あっ そうだ 少し遅いけど これっ バレンタインのチョコ だけど・・・なんで、あそこにチョコがあるんよー」

「あぁ ・・・つばきちゃんから・・」

「うぅー つばきちゃん? 貰うのはええんやけど なんで あんな眼につくとこに・・ 私っていう者が居ながらぁー」

「あっ すまん 食べきれてないねん」つばきちゃんのは、明らかに義理チョコみたいなのだったけど、ななのちゃんのは手作り風だった。

「まぁ ええワー もらうのって 断れへんもんなぁー ただの 儀式や! でも、私のはちゃうでー ちゃんと手造りしたからなっ 私は負けへんでー ねえ 私 ご飯作るね 今日は チンジャオロースよ」

 そして、肉を切ったりしながら

「私って シュウにとっては 魅力ないのかなー 色気足りないのカナー」と、僕に向かって言っているのか、独り言なのかわからないような言い方をしていた。なので、僕は聞こえない振りをして無視することにしていたのだ。 
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