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【魔法少女リリカルなのは】魔導師を辞めた高町家の男

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第五話 あれから、何年?それと、息子いたの?

 
前書き
今回はとくに言う事はない(キリッ by作者


何もないが、始まります。 

 
 俺はリンディの言葉に耳を疑った。
 
 あのクライドが亡くなった?ありえない。あんな優秀な魔導師がそう簡単に死ぬはずが……。


「ロストロギア『闇の書』は知ってるわよね?」

「あぁ、忘れもしないさ。そいつは一番たちが悪い」


 闇の書。俺はそのロストロギアは書類でしか見た事はないが、情報によるととんでもない魔力を持った魔導書で主人を選び、主人の言葉に忠実なんだ。
 
 更に、厄介なのが人からリンカーコアを吸収するというのも判明している。

 闇の書一つで世界がどれほど消えたか数えきれないほどある。


「クライドは、闇の書の護送中に闇の書の『防衛プログラム』が暴走したことによって、護送船を乗っ取られて、他のクルーはみんな避難したけどクライドは最後まで残り、アルカンシェルで闇の書と蒸発したわ」


 クライドの最期を話すリンディの目には光がなく、弱く悲しそうな目をしている。
 
 それで先程、大事な宝物を失ったらどうすればいいのか、聞いたのか。

 俺の知らない所でまたいろんな人が死んでしまったんだな。
 もし、俺が管理局を辞めていなかったら、魔導師として戦っていれば、リンディの大切な人を守る事が出来ていたのかもしれない。

 その場所には、クライドではなく、俺がいて死んでいた。いや、俺なら必ずそうしていた。
 
 クライドは、最後まで自分に与えれられた使命を守り続けた。
 

「……悪いな。今の俺が、何か言う資格はないだろう。だが、これだけは言わせてくれ」

「……」

「クライドは最後の最後までやり遂げたんだ。なら、お前はどうする?」

「…………私は」


 次第にリンディの目から涙が零れてくる。
 俺は、リンディの頭に手を伸ばし頭を撫でる。

 今の俺が何かの力になるのは無理だろう。
 だが、勇気と元気を与えてやるくらいはできる。できなきゃいけない。


「リンディなら、出来るだろう。クライドの分も」

「えぇ、やってみせるわ。あの人の分も私が世界を守ってみせる!大切な家族と一緒に」

「おう、お前ならできる!だから、元気出せ」


 そう言って、リンディの頭を優しく叩く。気合い注入ってやつだ。


「ありがとう、隼人。今の私なら何でも出来そうな気がしてきたわ」


 その言葉を聞いて、俺はすぐにリンディにデコピンする。

 ピチンと音が鳴り、リンディはデコピンされた個所を摩り、涙目で此方を睨む。
 
 おぉ、怖い怖い。


「無理だけはするなよ。ま、俺が言っても何の説得力がないか」


 無理したから、こんな厄介なケガをしたのだからな。
 みんなに迷惑をかけてしまったし。

 無理をすれば、どれだけ周りを救えようが、必ず心配する人が周りに出てくる。
 その人たちを悲しませない為にも、一人ではなく、みんなで協力してやる方が良いんだ。

 立った一人の独断行動で周りに被害をだす馬鹿は俺だけで良い。


「何よ、自分が一番無理してた癖に」

「あぁ」

「自分が倒れた時、どれだけ心配したと思ってるのよ」

「……え?」


 そこでリンディは急にハッとし、顔を俺から反らせた。
 俺が目を合わそうとしても合わせてくれない。すぐに何処かへと向いてしまう。

 
「まぁ、いいや」


 そこで話を切り、違う話題へと変更する。

 そうだな、あれでも聞いてみるか。


「リンディって子供いた?」

「え、いるわよ。一人」

「男?女?」

「男よ。名前はクロノって言うの」


 ほぉ、クロノ君かぁ。良い名前でないか。
 俺の予想、だいぶ魔導師の素質があってすごい真面目そうな子だろうな。

 結構なイケメンだろうな。クライドの息子ならあり得そうだ。


「隼人はどうなの?」

「え、俺?」

「えぇ」


 俺の家族と言えば、なのはが一人だな。

 そう思って、ふと思い出した。

 店の壁に飾ってある時計を見てみる。
 時刻は既に4時を過ぎていた。

 不味い、なのはを向かえに行かないと。


「悪い、ちょっと用事を思い出した」

「え?どうしたのよ、いきなり慌てだして」


 急いで、カウンターを片づけて、店の外に置いてある看板を中に入れてから「準備中」の看板を外に出したままにしておく。

 また店に入り、扉の鍵を閉めて、急いで厨房へ入り階段をダッシュで登って2階のリビングから車のキーを取ってきてからエプロンを脱いで注文カウンターに置く。

 これまで放置していたリンディの事を思い出すと、このままにしておくのも悪いのでご同行願う。


「リンディも来る?」

「どこに?」

「幼稚園にいる娘のお迎えに」

「ええぇ!!隼人って娘いたの!?」

「はぁ!?何だよその反応は!俺にだって一人くらい娘がいったって良いだろうが!!」


 兎に角、リンディの手を引っ張って裏口から出て車に乗り込み、エンジンを掛けてアクセルを踏む。






「で、ここが隼人の娘がいる幼稚園?」

「うむ、そうだが」

「子供が多いわね……」

「当たり前だろう、ここの幼稚園は結構多い方らしいからな」


 とりあえず、車を降りて幼稚園の玄関まで向かう。
 足を五歩くらい前に出すと一度立ち止まる。

 理由は簡単。


「別にお前までこなくて良いんだぞ?」

「別に良いじゃない。せっかくだし隼人の娘さんにご挨拶したいし」


 まぁ、いいか。と声に出してから再び足を前に出す。
 歩いてると俺の横にリンディが来て、偉くニコニコしながら歩いていた。

 玄関の中へと入り、下駄箱の所までやってくると先生が出てくる。


「あら、高町さん、こんにちわ」

「こんにちわ、なのはいます?」

「はい、今連れてきますのでそこで待っておいてください」


 礼を言ってから先生がなのはを呼びに教室まで行くのを見送る。


「なのはちゃんって言うの?」

「あぁ、それがどうした?」

「ふふふ、可愛いって思ってね」

「そりゃ、どうも」

 
 士郎さーん!桃子姉ぇぇ!あんたらが必死で考えた名前、褒めて貰えたぞおお!

 何処か遠くの国へと心の中で叫ぶ。


「パパぁ!!」


 すると、ずっと前から聞いている声が聞こえてきた。
 そちらの方を見ると、カバンに紙やらハンカチを入れながら走って来るなのはの姿があった。

 肩にぶら下げていた水筒が床に落ちて、それに足を引っ掛けてしまったなのはが盛大に転んだ。


「あちゃー」

「あらら、大変」


 俺とリンディは倒れているなのはの下へと来ると、腰を下ろし、手を伸ばし指でなのはの頭を突く。

 生存確認の一種だと思ってくれればいい。


「もしもーし、なのはさん生きてますかぁ?」

「……」

「ただの しかばねの ようだ。 」

「生きてるの!!それに酷いの!」

「くっ、なのはがゾンビになってしまった!!許せなのは、一撃で楽にしてやる」


 目に嘘の涙を溜めて拳を強く握り、思い切りなのはに突きだす。


「ふぇぇっ!?だから、生きてるのぉー」


 寸止めで、なのはの顔の前でやめる。

 
「ちっ、生きてたのか。…………くそっ」

「ちょっと!!どうしてそんなに悔しそうにするの!?パパでも流石に怒るよ!?」

「で、大丈夫か。ケガとかしてないか?」

「いきなり優しくなったの。もう、知らないの」


 大丈夫そうでよかったよ。
 
 兎に角、なのはに水筒とカバンをちゃんと持たせて、手を繋いで一緒に幼稚園から出ていく。


「先生さようならなのー」

「なのはちゃん、また来週ね♪」


 ぺこりと頭を下げて、車へと歩いて行く。


「あ、忘れてた」

「何を忘れたの?パパ」


 後ろを向いて、下駄箱で固まっているリンディを見る。


「リンディ、置いてくぞぉ」


 正気に戻ったリンディが素早く此方へと戻って来る。
 どうしたんだ、こいつ。


「何、固まってんだよ」

「貴方達の遊びに着いて行けなかっただけよ」

「クロノ君とはやってないのか?」

「普通はあまりしないと思うわよ?あれ」


 はっはっは、と笑いながら歩いてく俺と、恥ずかしそうにチラチラと周りを見るリンディと、だれ?この女の人っていう目をしているなのはと共に歩いて行く。

 車に乗って、すぐに我が家へと向かった。




 喫茶店はもう閉めて、店の中をなのはと一緒に掃除してから晩御飯の支度をする。

 どうやら、三日間の休暇を貰って初日からここにいるリンディは行く宛がないとの事で今日は泊まって行くらしい。
 
 クロノ君は良いのか?と聞くと、クロノ君は管理局の訓練校の寮にいるから大丈夫らしい。


「って、隼人ってばまた料理上手くなってる」

「いつも、栄養を考えて作ってきた甲斐があったものさ」

「そう言えば、昔から貴方って料理上手かったわね。いつも、私が負けてたわ」

「あの時は料理が唯一の取り柄だったからなぁ」


 昔の懐かしい、話をしていると良い想いでばかりが頭の中に蘇って来る。

 そう言えば、俺が作ったアップルパイ、リンディは大好物って言ってくれてたな。
 この休みの間に作っておいてやるか……。


「ねぇねぇ、何の話してるの?」

「ふふ、私とパパが若い頃の話よ」

「俺は今でも若いぞ、お前は老けたけどな」

 
 ていうか、誤解を招くような事を話すなよ。リンディがパパっていうとなのはが何を思うか。
 ちらっと、なのはを見ると「良いなぁ、私もパパの若い頃の事知りた~い」と言っているので一安心。

 いや、安心している場合ではない。

 背中がゾクッと冷たい何かが伝わってきた。
 これは良く知っている。管理局にいた頃に良く浴びた気配。それは、殺気だ。

 後ろを振り向くと、漆黒のオーラを出しながら不気味に笑うリンディ様がいた。


「何か言い残す事は?」

 
 俺は冷や汗をだらだらと流しながら言葉を考える。


「セーラー服を一度でも良いから着てみたかった」

 
 どうやら、俺の思考は大変な事になっているらしい。誰か助けて。
 なのはの方を見ると、先にテーブルに並べて置いた料理に夢中になっていた。


「誰が老けてるってぇ?」

 
 リンディ様。


「正直に言ってみなさい」


 リンディ様。


「死刑」

「ええええええ!?どうしてええええ!?」

「若干、念話で聞こえてるのよ!!わざとでしょ!!」


 しまったあああ、念話をオフにするの忘れてたあああああ。

 益々、黒いオーラがリンディの身体中から溢れてきている。
 
 くっ、デバイスさえあれば!!


「アルカンシェルより強力な魔力で葬ってあげるわ」


 すると、リンディの背中から半透明の黄色い羽根が四枚生えた。

 って、おいこら!!ここは家の中でなのはもいるんだぞ!!

 そう思って、一気にリンディへと飛びかかる。


「抵抗するのね、公務執行妨害だわ」


 今、休暇中でしょ?関係なくね?

 あ、やばい。リンディの右手が水色の魔力光で光ってきている。
 あれは、魔法で身体強化しているようだ。

 本気で殺す気みたいだな。


「うおおおおおおお!!」


 俺がリンディへと手を伸ばすと同時に、普通なら目では見えない速度でリンディの右ストレートが飛んできた。
 
 だが、元管理局員ナメンナと言う事で、簡単にそれを受け流しリンディに飛びかかる。
 リンディはバランスを崩し、背中から床に倒れていく、俺もそれにつられて倒れていく。


「あっ……」


 リンディがそう声を出した。

 今の状況は、俺がリンディを押し倒し、リンディの上に乗っかっている状態だ。
 やばい、早くどかねえと。

 急いで体制を元に戻し、リンディから離れる。


「えっと、すいませんでした。ごめんなさい、もう言いません」

 
 兎に角、謝った。

 リンディの方を見てみると、目を回して気絶しているリンディが居た。


「い~けないんだ~いけないんだ~」

 
 なのはのそんな声が聞こえると、俺は正気に戻り、リンディを俺の部屋まで運び、ベットに寝かした。


 はぁ、一応はなのはにさっきのはバレてはいなさそうでよかった。
 
 今日は、いろんな意味で疲れた……。


 
 

 
後書き
仕事仲間に殴られた!!でも、良いもん!

俺が、部長を放置して帰ってきちゃったもん!忘れてただけだもん!

お読みいただき、ありがとうございました。 
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