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星河の覇皇

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第八十三部第四章 戦線崩壊その四十四

「使っていく」
「そうされますか」
「そしてだ」
 アッディーンはさらに話した。
「サハラ北方に何かあればな」
「この基地帯を使いますね」
「そうしていく、そしてサハラ北方となると」
「エウロパですか」
「エウロパとは実際にサハラ北方で長い間戦争をしてきた」
 エウロパのサハラ侵攻だ、人口増加とそれに伴う許容人口の限界に苦慮したこの国がサハラへの侵攻と移住を決定してのことだ。
「その為多くの難民も生じてきたな」
「先のエウロパ戦役でエウロパ人達は全て去りましたが」
「しかも無血でな」
「幸いなことに」
「だが百年の間戦ってきた」
「その過去を見れば」
「やはり脅威だ」
 サハラから見てそれに他ならないというのだ。
「やはりな」
「だからですね」
「私としてはな」
「あの国にはですね」
「常に備えを置くべきと考えていてな」
「その備えの一つがですね」
「ここになる、エウロパにしてみれば」 
 ここでだ、アッディーンはまた言った。
「連合との条約でモントローズ要塞を軍事的に使用出来なくなっているな」
「あの要塞があの国のサハラへの侵略拠点でしたが」
「それが使用出来なくなっている」
「そしてサハラとの国境近辺は非武装地帯化されている」
「そうだな、だからだ」
「それで、ですね」
「あの国の脅威はなくこちらはどの国ともそうした条約は結んでいない」
 アッディーンはこのことも話した。
「有り難いことにな」
「エウロパ側に防衛施設をもうけられますね」
「それも可能だ、そこを第一にしてだ」
「北方の防衛の軸はですね」
「サマルカンド星系にしたいが」
「そのサマルカンド星系と帝都となるバグダート星系の中継基地として」
「この基地帯は使える、だからだ」
 それ故にというのだ。
「ここはだ」
「是非ですね」
「整えていく」 
 国家戦略についての長期的視野に基づいてというのだ。
「いいな」
「それでは」
「ただサハラは今後はな」
「そのエウロパとはですか」
「あの国とも、だな」
「友好関係を築いてきますか」
「そう考えていく、敵対するとだ」
 どうしてもというのだ。
「その分余計に力を向けてだ」
「消費していきますね」
「そうなるよりはな」
「友好関係を築いてですね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「平和にことを進めていく方が楽だ」
「特にサハラは建国当初は」
「創業の土台作りに専念したい」
「だからですね」
「敵は少ない方がいい、マウリアとはこれまで通りだ」
「友好関係を築き」
「連合とはこれまでの相互無関心でもいいが」
「中立関係ですね」
「それでことを進めてだ」
 そしてというのだ。 
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