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ドリトル先生と山椒魚

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第六幕その八

「それこそね」
「昆虫とか小さな生きものだと特にね」
「海だってちょっと深いところに入ったら」
 どうかとです、ガブガブは言いました。
「まだ未発見の生きものがいても不思議じゃないわね」
「元々数が少ない生きものだっているしね」
 ジップはガブガブの言葉に頷きました。
「本当に山や深海なんてわからないよ」
「というか日本欧州の各国と比べたら国土広いから」 
 ダブダブはこの現実を指摘しました。
「世界的にも領土広い方だしね」
「それでそこの七割を占める山と周りを囲んでいる海なんて」
 トートーは冷静に言いました。
「まだまだわかっていなくて当然だよ」
「しかも日本って街や村に人がうんと集まるから」
「山の中にあまり人はいないし」
 オシツオサレツも言います。
「海も深いところまではね」
「そうそう行けないから」
「まだまだ調査するところはあるね」
 老馬も言います。
「生物学としても」
「まだ全くわかっていない」
 ポリネシアは言いました。
「むしろこう思うべきかしらね」
「そうだよ、まだ何もわかっていないってね」
 先生は梅酒を飲んで皆に答えました。
「思うべきだよ」
「本当にそうだね」
「まだまだこれからだよ」
「日本の生きものの調査は」
「そう思って」
「それでやっていくべきだね」
「発見されても殆どわかっていない生きものもいるしね」
 そうした生きものもというのです。
「オオサンショウウオだって結構そうだし海だとリュウグウノツカイなんてね」
「そのお魚のこと全然わかってないよね」
「先生もそのお魚とお話したことないよね」
「だから全くわかっていない」
「ほとんど何も」
「こうした生きものもいるのに」
 それなのにというのです。
「何でもわかっているかというと」
「とても言えないよね」
「本当に」
「そんな大それたことはね」
「とてもね」
「それが現実だよ」
 先生はこう言うのでした、そしてです。
 ふとです、先生は冷奴を食べ終えたその時にトミーが出したカップ焼きそばを見てまたにこりとなりました、もうちゃんと作られています。
「これもいいよね」
「先生あまりインスタント召し上がられないですが」
「冷凍食品もね、けれどね」
「お嫌いではないですが」
「結構好きだよ」
 こうトミーに答えました。
「そうしたものもね」
「そうなんですね」
「インスタントラーメンもね」
「お好きですか」
「これは偉大な発明だよ」
 梅酒をまた飲んで、でした。
 冷奴の次に焼きそばを一口食べてまた言いました。
「本当にね」
「保存食でもありますしね」
「いざという時あったら困らないね」
「それで一食にもなりますし」
「だからね」
 それでというのです。 
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