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神々の塔

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第十三話 塔の中の時その二

「むしろ逆にな」
「こっちでどれだけ過ごしてもか」
「外の世界じゃほんの少ししかな」
「経ってへんねんな」
「そうだよ、だからな」
「外の世界に戻っても」
「安心しろ、浦島さんみたいにはな」 
 武松はまったこの神霊の話を出して言うのだった。
「ならないからな」
「ああ、ほな安心して」
「踏破しりよ」
「そうさせてもらうな」
「わし等を倒したんだ」
 それならというのだ。
「先の健闘を祈るな」
「そう言ってくれるか」
「ああ、わし等はお前さん達を嫌ってないんだよ」
「むしろ応援してるか」
「この世界を救うんだろ」
 星の者達の使命についても話した。
「あんた達とその仲間は」
「その為にこの世界に来てる」
 メルヴィルは武松に強い声で答えた。
「寝たらな」
「そうだろ。だったらな」
「それならか」
「是非な」 
 まさにというのだ。
「勝っていってな」
「踏破をか」
「してくれよ」
 こう言うのだった。
「いいな」
「ああ、応援してくれるんやったらな」
 それならとだ、メルヴィルは武松に微笑んで応えた。
「応えさせてもらうわ」
「そういうことでな」
「残念だけれどな」
「残念?」
「わし等もこの世界の危機が何かはな」
「知らへんのな」
「神霊の誰もな」
 このことを申し訳なさそうに言うのだった。
「どうしてもわからないしな」
「そうなんか」
「知ってたら言うさ」
 それこそというのだ。
「誰かがな」
「そうしてくれるか」
「少なくともわしは言う」
「わしもだ」
 孔明と孔亮が言ってきた。
「知っていたらな」
「もう言ってるぞ」
「梁山泊の豪傑は基本隠さないからな」
「そうした気質の持ち主だからな」
 兄弟で話すのだった。
「そうしているぞ」
「大抵の者がな」
「それで誰も言わないんだ」
 また魯智深が言ってきた。
「わかるだろ」
「そういうことやな」
 中里も応えて言った。
「知ってたらな」
「そうだよ、言う神様がいるんだよ」
 魯智深は中里にも話した。
「絶対な、隠すことかっていうとな」
「ちゃうか」
「世界の危機だぞ」 
 魯智深は真顔で言った。 
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