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神々の塔

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第十二話 恐竜までもがその十四

「キャラや絵はええが」
「内容自体はな」
「完全なマンネリでな」
「同じことの繰り返しやな」
「あれで人気があったことがな」
 このこと自体がというのだ。
「僕もや」
「不思議やな」
「そこまで酷い」
「そやろ、名作かと言うたら」
 それがというのだ。
「全くのや」
「駄作やな」
「あれで四十巻続いたのは」 
 単行本の巻数で話した。
「信じられんわ」
「あれだけ何もない内容で」
「強さがただインフレしてな」
「青天井になる展開やな」
「戦闘力が五十三万になって」
 そのシリーズでの最後の敵の戦闘力がそれだけであった、尚この敵との戦闘も異常にながくかかったことで有名だった。
「それで最後の敵何百万や」
「どれだやった」 
 中里もそれは知らなかった。
「もう超人や聖闘士の作品よりもな」
「強さがインフレしてたな」
「際限なく強くなってて」
「歯止めが効かん様になってたな」
「その展開もな」
「あかんやろ」
「悪い意味でネタにされてたな」
 連載中そうであったし今も掲載紙の悪しく伝統と言われることがある程だ。
「ほんまに」
「そうした漫画やからな」
「自分としてはやな」
「読んでな」
 芥川は言い切った。
「全然おもろないと思うてな」
「今言うんやな」
「ああ、幾らでも強くなる言うても」
 それは自分達と同じだが、というのだ。
「ああした展開はな」
「あかんな」
「そう思うわ、インフレになって」
 強さのそれがというのだ。
「歯止めが効かんでな」
「連載が終わるまで続くのはやな」
 勿論引き延ばしに引き延ばしを重ねたうえでだ。
「どうにもならんな」
「しかも他のキャラは主人公までの時間稼ぎで」
「噛ませでしかない」
「扱いは粗末でな」
「それはおもろいか」
「そんな筈がないな」
「今読んだらな」
 冷静にだ、連載中は熱中している読者もいるがだ。
「そうなるな」
「ああ、駄作の中の駄作や」 
 そうした話もしてだった。
 一行はさらに先に進んでいった、先はまだまだ長い。しかしこうしたことを話す余裕もあり先に進むのだった。


第十二話   完


                   2023・2・1 
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