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八条学園騒動記

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第六百九十三話 オーストラリア人の夢その六

「どうしてもね」
「生活に余裕がないんだね」
「もうあらゆることをね」 
 国家のというのだ。
「戦争に注ぎ込むから」
「それでだね」
「どうしてもね」
「余裕がなくなって」
「それで生活も緊張したものになって」
 余裕のない分というのだ。
「太る人もね」
「少ないんだ」
「若し太られるとしたら」
 ベンは話した。
「独裁者かな」
「圧政を敷いて」
「市民に窮乏を強制してね」
 そうしてというのだ。
「自分だけ肥え太る」
「そんな独裁者だね」
「最低だよね」
 ベンは心から思って言った。
「そうした独裁者って」
「連合じゃいないというか」
 そうした独裁者はとだ、クララは言った。
「連合は独裁者自体がね」
「いないからね」
「民主主義だから」
「毒最的と言われるだけで」
 ベンはその時点でと話した。
「かなり酷い罵倒だよ」
「そうよね」
「まあ中央政府大統領はね」
「しょっちゅう言われるわね」
「強権的とかね」
 こうした表現の場合もあるというのだ。
「あるけれど」
「それでもよね」
「独裁者はね」
「いなくて」
「ましてそんなね」
「漫画の悪役みたいな独裁者はいないわね」
「連合の歴史も千年になるけれど」
 それでもというのだ。
「独裁者自体がだよ」
「出なかったわね」
「どの国も民主政治だから」
「国家元首になっても」
「その権限が強くてもね」
 例えそうであってもというのだ、連合の三百以上の国の中には国家元首である大統領の権限が強い国も存在しているのだ。
「独裁者ではね」
「ないわね」
「うん、独裁者は三権の上に立って」
 立法、行政、司法のというのだ。
「もう自分でね」
「国家を動かしてるけれど」
「連合じゃ国家元首でも」
 この立場でもというのだ。
「行政のトップだけで」
「立法や司法はね」
「独立しているから」 
 そうした国家システムだからだというのだ。
「幾ら権限が大きくても」
「独裁者じゃないのね」
「そうだよ」
 絶対にというのだ。
「そこはね」
「しっかりしてるのね」
「それでサハラの独裁者は」
 その彼等はというと。
「もう三権の上に立って」
「国家を思うままに動かしてるのね」
「あのシャイターン主席だってね」
 ティムールの国家元首である彼もというのだ、連合においては戦争に強いだけでなく謀略にもたけた人物だと言われている。 
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