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ドリトル先生と山椒魚

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第四幕その十一

「確かに一見不格好で土臭くてね」
「美味しく見えないね」
「まず食べてみないと」
「そうしないと」
「そんな作物だけれど」
 それでもというのです。
「もっと早く食べていたら」
「聖書に載っていなくても」
「それでもよね」
「最初から食べていたら」
「ずっと早く沢山の人が餓えから解放されたよ」
「そうなったから」
 それでとです、先生は言いました。
「歪んだ教えに囚われたら駄目だよ」
「学問もおかしくなって」
「そして問題も起こる」
「そうなるからよね」
「おかしな教えに支配されたら駄目だね」
「まずその教えが正しいかどうかだよ」
 このことを見極めることだというのです。
「本当にね」
「キリスト教だってそうだよね」
「まずはね」
「おかしいかどうか」
「今その人が言っているかどうか」
「人間は誰だって間違えるしね、中には詐欺師だっているから」
 悪質な人も存在するというのです。
「教会もそんな人がいたしスターリンなんて」
「酷過ぎるからね」
「マルクス主義自体問題多いけれど」
「スターリンなんてヒトラーと同じじゃない」
「とんでもない独裁者だよ」
「そんな人の言うことをずっと真に受けるなんてね」
 それこそというのです。
「何があっても駄目だよ」
「全くだね」
「おかしなことだよ」
「だから日本の知識人はおかしくなって」
「今もだね」
「おかしな人が多いんだ」
 そうなっているというのです。
「今だってね」
「歴史もそうで」
「他のことでもだね」
「おかしいね」
「そうだよ、日の丸弁当からもね」
 このお弁当一つからもというのです。
「わかるね」
「全くだね」
「何でもないことなのに」
「それも学問だね」
「こちらが正しい学問だね」
「そうだね、しかしよく言えたものだよ」
 先生は首を傾げさせました、いぶかしむお顔で。
「戦争をすれば儲かるって錯覚したとか」
「日本の政治家の人達が」
「日露戦争に勝って」
「多くのものを得たからって」
「そう錯覚したとか」
「借金で首が回らなくなったんだよ」
 あまりにも多額の戦費を借りてです。 
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