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X ーthe another storyー

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第十話 固絆その十七

「やはり来るか」
「左様です、お母上のことは」
「ああ、忘れられない」
 神威は丁に答えた。
「どうしてもな」
「御気の毒にとしか言えませんが」
「それでもか」
「あの方のこともです」
「運命か」
「そうなのです」
 まさにというのだ。
「悲しいことですが」
「それでもか」
「運命だとです」
 その様にというのだ。
「受け入れて下さい」
「そうするしかないな」
「そしてです」
「剣をだな」
「貴方は間もなくです」
「目にするか」
「そしてやがては」
 時、それが来ればというのだ。
「その剣を手にしてです」
「戦うことになるか」
「剣は二振りあります」
「二つか」
「そのうちの一つをです」
 それをというのだ。
「持ってです」
「そうしてか」
「戦われます、そしてその時は」
 神威が剣を持って戦う時はというのだ。
「最後の最後のです」
「その時か」
「戦いの」
 そうだというのだ。
「その時になります」
「そうなのか」
「もう一人の貴方と」
 丁は言った。
「まさにです」
「戦う時か」
「貴方がです」
 神威にさらに言った。
「一つの道を選ばれると」
「もう一つの道にか」
「もう一人の貴方が進まれ」
 そうしてというのだ。
「向かい合うことになり」
「その俺とか」
「戦うことになり」
「その時にか」
「剣をです」 
 まさにそれをというのだ。
「使われることになります」
「だからか」
 神威はその目を鋭くさせて言った。
「夢で俺は二人いたのか」
「はい、一人は天の龍の貴方で」
「もう一人はだな」
「地の龍の貴方です」
 そうなるというのだ。
「まさに」
「そうなのか」
「はい」
 まさにというのだ。
「小鳥さんを殺すのはです」
「地の龍の俺でか」
「それを見るのはです」
「天の龍の俺か」
「そうなのです」
「そういうことだったか」
「ですから」 
 丁はさらに話した。 
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