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超地球救済戦記!断罪王Ω〈オメガ〉~戦争もやめねぇ!環境破壊もやめねぇ!バカで愚かな人類は身長170センチ以下の無職童貞ニートの俺が全員滅亡させる‼~

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第二百七十五話 歓迎会 その3

第二百七十五話 歓迎会 その3
『パブリックブレイク現象』とは。
ストレスの積み重ねによって、普通の社会人がある日、突然、発狂して怪物や異能者になってしまう現象の事である。
政府は、このパブリックブレイク現象で怪物もしくは、異能者になってしまった人間を、『パブリックモンスター』と命名した。

アルティメットメディアクリエイター部の部長、風見マイカは、PGS(パブリックガーディアンズ)に弟を殺された色川ヨシノのために、歓迎会と言う名の『偲ぶ会』を開催した。
しかし、ヨシノを待っていたのは、アルティメットメディアクリエイター部員達による常軌を逸したパーティー会場の光景だった。
ヨシノが部室に入った瞬間、クラッカーの音が鳴る。
部室のテーブルの中央には、ガスコンロの上に乗った鍋が湯気を立てていた。
サンタクロースの格好をした部長と副部長と竹田が一斉に叫ぶ。
「ようこそアルティメットメディアクリエイター部へ!あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマ...」
バタン。
3バカが最後まで言い終わる前に、ヨシノが部室のドアを閉める。
ヨシノが俺に真顔で問いかける。
「今、何月?」
「3月です」
「帰る」
「ちょっと待ってくださいよ~」
「待たねーわよ!なんで3月なのにみんなでサンタコスして、しかもテーブルにアツアツの鍋、置いてあんのよ!あぁぁぁッ!思わずツッコんじゃったじゃないッ!どうしてくれんのよ!」
「じゃあ、俺は部室でみんなと鍋、食いますよ」
「食ってくれば?」
「ヨシノがPGSに与えられた任務は、俺の監視ですよね?」
「だから?」
「監視対象を放っておいていいんですか?」
「...それは」
「それに、このままPGSの操り人形のまま、何も知らないまま、世界の終りを待つだけでいいんですか?」
「嫌よ、そんなの!」
「俺はたとえ、『パブリックブレイク現象』のせいで世界が近いうちに滅びるとわかっていても、何も知らないまま死ぬつもりはありません、だから断罪剣士同士で力を合わせて真実にたどり着きましょう!」
「力を合わせて、真実にたどり着く...?」
「部長の断罪剣フーガセイバーには、風を操る力があります。つまり、空が飛べるんですよ」
「だから?」
「PGSの秘密を探るには、部長の断罪剣の力は、うってつけなんですよ!」
「山神くんさぁ、私がPGSのメンバーだってわかってんの?」
「わかってますよ、もちろん。でもこのまま、レオン君を殺したPGSの都合のいいように利用されたままいいんですか?」
「う~ん、わかった。あくまでも、山神君と風見マイカの監視を目的に、アンタたちの部活動に入部してやってもいいわ...」
「気変わるの早くない?」
「アンタが誘ったんでしょ!PGSや断罪剣の秘密を探るのはもちろん、『敵対勢力』の調査の際に、断罪剣士の仲間がいてくれれば、助かるからね...」
「敵対勢力?」
「アンタも前にカイトから聞いたんでしょ?パブリックモンスターに覚醒したレオンを支援していた組織について...」
「ええ。確か、自我を持ったパブリックモンスターの犯罪者を支援する組織のことですよね?」
「そう、奴らの名は、『セイバーズ』よ。PGSの拷問で、レオンが吐いたらしいわ...」
「『セイバーズ』のセイバーって、確か、断罪剣の名前にも、ついてますよね?」
「そうね、セイバーズは救世主の複数形...。断罪剣となにか、関係があるのかしら...?」
「救世主?おかしいですねぇ、社会に迷惑をかける犯罪者のパブリックモンスター達を支援する組織なのに、救世主を名乗るなんて。それじゃあ、まるで、社会の治安を守るPGSのほうが、悪者みたいじゃないですか!」
「そう、私が気になっているのは、そこよ。もしかしたら、セイバーズはPGSの秘密を知っているのかもしれないわ...」
「それじゃあ、セイバーズに接触することができれば、PGSと断罪剣の秘密について知ることができるかもしれませんね...」
「そうよ、だから、私はそのために、あくまでもPGSの一員として、あなた達アルティメットメディアクリエイター部を利用させてもらうわ...!」
覚悟を決めたヨシノが自分からアルティメットメディアクリエイター部の部室のドアを開ける。
ガラガラ。
ヨシノが部室のドアを開けたのを確認した、サンタコスをした3バカが一斉に叫ぶ。
「ようこそアルティメットメディアクリエイター部へ!あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマス‼」
ヨシノも負けずに3バカに向かって叫ぶ。
「あけましておめでとう!ハッピーメリークリスマス‼」
3バカが4バカになった。
こうして、ヨシノの歓迎会と言う名の『偲ぶ会』が始まった。
自己紹介が始まる。
「私は風見マイカ、アルティメットメディアクリエイター部の部長で、疾風の断罪剣士で、全国模試1位の天才美少女よ!」
「当たり前のようにウソをつくんじゃねーわよ...自分の高校の偏差値知らないの?」
「俺は竹田...」
「はい、次」
「私は副部長の杉原ヒカリです、最近、大切な人が死んでとっても落ち込んでいる...」
弟のレオンを失った、ヨシノがヒカリに同情のまなざしを向ける。
「そう、あなたも大変ね...どんな人だったの?」
「BLパラダイスアカデミーのミヤビ君っていうキャラクター...」
「アンタに同情した私がバカだったわ...」
自己紹介が終わった後、みんなで、竹田がス―パーでムァンビキしてきた食材を使った鍋を食べはじめる。
ヨシノが鍋を絶賛する。
「うん、おいしい」
「そんなの当たり前だろ?この鍋の食材は、全部、俺が汗水たらして、スーパーでムァンビキしてきた食材なんだぜ!」
部長が竹田を注意する。
「ちょっと竹田君?アンタにムァンビキしてこいって指示したのは、この私よ!」
注意する点が、明らかに間違っている...。
「ねぇ、山神君...この人たち、本当に大丈夫なの?」
俺はヨシノの問いに、あえて、なにも答えずに、黙々と鍋の具を食べ続ける。

次回予告 炊き出しボランティア その1 
 

 
後書き
次回もお楽しみに 
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